著者
望月 貴裕 蓼沼 眞 藤井 真人 伊藤 崇之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1729-1739, 2005-08-01
被引用文献数
3

本論文では, 検索対象データベース(DB)に出現頻度の高いテクスチャ及び色集合(代表テクスチャ, 代表色)を用いて描画した問合せ画像による画像検索手法を提案する. 代表テクスチャは, DBの画像特徴ベクトル集合のクラスタ分析により抽出する. また, 代表色は, DBのHSVヒストグラムに基づき求める. 更に, 提案手法によるユーザインタフェースを試作し, これを用いた画像検索実験により, 利用者の検索意図を反映した良好な結果が得られることを確認した.
著者
望月 貴裕 藤井 真人 篠田 浩一 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.1009-1023, 2010-06-01
被引用文献数
2

スポーツ映像から特定シーンを効率良く検索する技術の実現が強く望まれている.我々は,シンボル列化したシーンの離散HMMを用いた学習による,野球映像の各シーンのプレイ種識別手法を提案した.しかし,出塁及びアウトカウント増加の起こる7種の「打席完了」プレイ種のみを識別対象としていたため,打席の完了しないプレイ種(投球のみ,ファウル,牽制及び盗塁)を識別対象に加えた場合,十分な識別精度が得られなかった.そこで本論文では,我々の従来手法に対し,新しく2種の「プレイ種相関度」を識別尺度として加えた野球映像のプレイ種識別手法を提案する.プレイ種相関度の一つは,シンボル列を構成するシンボルの中の「代表シンボル」の出現頻度に関するものであり,シンボル列全体ではなく個々のシンボルに注視した特定プレイ種との相関の強さを表す.もう一つは,投球ショット間隔に関するものであり,投球ショット間隔の長さのプレイ種との相関の強さを表す.学習用シーンのシンボル列を学習したHMMによるプレイ種ごとの出力ゆう度と,2種のプレイ種相関度を重み指数を付加して掛け合わせて各プレイ種の総合的なゆう度を算出し,識別を行う.そして本論文では,MLB放送映像を用いた実験により,打席完了プレイ種だけでなく,打席の完了しないプレイ種を含めた11のプレイ種を従来手法よりも高い精度で識別可能であることを示す.
著者
望月 貴裕 蓼沼 眞 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.118, pp.37-42, 2005-06-09
被引用文献数
2

本稿では, シーンのパターン化とHidden Markov Model (HMM)を用いた, 野球の各シーンのイベントを自動的に識別する手法を提案する.本手法では, 学習処理としてまず, シーンを構成する各ショットをパターン化し, 学習用映像の各シーンをパターンデータの系列で表現する.パターン化データは, 位置情報, 画像特徴および動きベクトルを情報として持つ複数の矩形から構成される.このパターン化処理は, 映像上に配置した点群のブロックマッチングによる移動情報およびそれらの点の近傍領域の画像特徴に基づき行われる.次に, 学習用映像の各シーンを, 各ショットのパターン化データに基づき数値列で表現し, ホームラン, シングルヒット, フォアボールなどの「イベント種」で振り分ける.そして, 各イベント種について数値列の長さで区別して数値列を学習し, HMMのパラメータを設定する.それらの学習済みHMMを用いて未知イベントシーンの識別を行う.識別処理も, 学習処理と同様にショットのパターン化処理に基づき行われる.本手法については, 7試合分の大リーグ野球中継映像を用いた識別実験により評価を行った.
著者
浜口 斉周 宮崎 勝 藤沢 寛 西村 敏 木村 徹 大竹 剛 望月 貴裕 高橋 正樹 米倉 律 小川 浩司 東山 一郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2010 (Released:2010-11-15)
被引用文献数
1

テレビ・動画の視聴において、時間や場所の制約にとらわれないオンデマンド視聴や、口コミ・友人のお勧めに従うような、視聴スタイルのパラダイムシフトが起こっている。テレビ局は番組をただ放送するのではなく、適切なコンテンツを適切なユーザーに適切な形で届けることが求められている。本研究では、ビデオオンデマンドと番組レビューSNSを組み合わせたソーシャルTVにおける視聴行動に着目し、実験サイトを構築して被験者を集め、実際に行動ログの収集・分析を行なった。分析の結果、テレビ放送とは大きく異なる視聴行動の変化を捉えることができた。ソーシャルTV特有の視聴行動とその効果、サービス提供方法や必要な技術について論じる。
著者
望月 貴裕 藤井 真人 八木 伸行 篠田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.384, pp.77-82, 2007-12-06

本稿では,ダイジェスト映像を処理対象としていた映像のパターン化によるシーンの数値列化に基づくイベント(ホームラン,シングルヒット,四球など)識別手法を試合全体映像に適用するフレームワークを提案し,さらにイベントの間の区間に含まれる試合状況に関する情報を用いて,識別結果に修正を加える手法を提案した.試合全体映像から,投球ショット,リプレイシーン,イニングチェンジなどの出現位置に基づき,識別対象とするイベント候補シーンをセグメンテーションする.パターン化および数値列化したイベントシーンの学習によるイベント識別手法により,各イベント候補シーンのイベント識別を行う.各イベント候補シーンの識別結果とシーンの長さとの関係を利用し,イベントの生起しないシーン(非イベントシーン)を特定する.非イベントシーンおよびイベント候補シーンのセグメンテーションで除去された区間から,画像解析によるベース領域検出などの手法を用いて試合状況に関する情報を抽出し,そこから定められる制約条件に基づきイベントシーンの識別結果の修正を行う.数試合のメジャーリーグの野球映像を用いて識別実験を行い,評価を行う.