著者
三須 俊彦 高橋 正樹 合志 清一 蓼沼 眞 藤田 欣裕 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1681-1692, 2005-08-01
参考文献数
13
被引用文献数
12

実時間画像処理に基づくサッカー中継映像用のオフサイドライン可視化システムを開発した. 本システムは, 固定カメラ画像中の人物を抽出し, そのワールド座標を求める. 更に色情報に基づいてユニフォームを分類することでフォーメーション解析を行ってオフサイドライン位置を特定する. 中継用カメラのパン・ズーム操作をロータリエンコーダによって計測することで, ワールド座標を実写ハイビジョン映像上に変換し, パン・ズーム操作に連動したオフサイドラインを仮想表示することができる. 本論文では, システムのブロック構成を追いつつ画像処理手順について定式化を行う. また, 実際のJリーグ公式戦において実施したフィールド実験の結果を示す.
著者
高橋 正樹 藤井 真人 柴田 正啓 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.1036-1044, 2009-07-01
被引用文献数
1

ゴルフ中継番組で利用可能なティーショット軌道表示システムを開発した.広角で撮影したカメラの実映像上へ軌道を表示できるため,軌道の把握が容易である.また1台の放送カメラから得られる情報のみを用いて軌道を作画できるため,撮影機材や人員を追加する必要がなく,運用性に優れている.2005年日本オープンゴルフ選手権中継にて,放送応用を実現した.しかしショット直後や着地直前のボール追跡が困難なため,打点,着地点,静止点を手動指定する必要があり,「軌道表示まで時間を要する」,「バウンド軌道を表現できない」などの課題も残った.そこで本論文では,全区間の軌道を全自動・リアルタイムで作画可能な新たなティーショット軌道表示システムを提案する.提案システムは,背景輝度に基づくしきい値の自動切換機能,三次元実空間での位置予測による着地タイミング推定機能,過去方向への映像再生による打点までのボール追跡機能を備える.実験により,提案システムが速度,精度のバランスにおいて優れており,即時性,信頼性が要求されるゴルフ中継での運用に適していることを確認した.
著者
山田 一郎 佐野 雅規 住吉 英樹 柴田 正啓 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.2328-2337, 2006-10-01
被引用文献数
2

番組内容を詳細に説明するセグメントメタデータは,視聴者による番組選択やダイジェスト視聴,更には放送局における番組管理に重要な役割を果たす.しかし,生放送のスポーツ番組などに対してこのようなセグメントメタデータを付与する作業には大変な労力を要する.そこで本論文では,アナウンサーや解説者がサッカー中継番組で発した言葉であるコメントを利用して,サッカー中継番組に対して,イベントなどの内容を時間ごとに説明するセグメントメタデータを自動付与する手法を提案する.アナウンサーや解説者が発したコメントには,ボールタッチしている選手を中心に試合の流れを実況する試合記述文と,試合の流れとは直接関係しない補足的な解説文が存在する.本手法では,各コメントがどちらの種類に属するかを統計的に判定することにより,サッカーの試合からイベントが発生した区間を抽出し,更に抽出された区間で起きたイベントやそのイベントの主関与者(以後,イベント動作主)を抽出する.実験により,コメントを高精度に分類できることを確認し,イベント抽出においてもキーワードマッチングを利用した従来手法に比べて有効であることを確認した.
著者
本井 滋 三須 俊彦 中田 洋平 松本 隆 八木 伸行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.1, pp.133-139, 2007-01-12
被引用文献数
2

2007年度中に開始予定のサーバー型放送では,メタデータを利用したサービス提供が検討されている.このような中,映像解析によるイベント検出技術,及び検出されたイベントをメタデータとして映像データに付与する,メタデータ自動付与システムの研究・開発が進められている.本稿は,サッカー映像から抽出した選手位置情報などの特徴量を用い,コーナーキック等の生起を検出するイベント検出法を提案する.これまで,手作業により作成されたルールによるイベント検出法などが提案されてきた.本研究では,イベント検出技術の高度化を目的とし,ベイズ学習に基づく隠れマルコフモデルを適用する.また本稿では,Jリーグ・サッカー試合の映像を用いて,提案アルゴリズムによるイベント検出の可能性を検証する.Home-server-based broadcasting is scheduled to launch by April 2008 in Japan.In the broadcasting, several services with metadata are also planned.Therefore, some researches have been focused on event detection methods and systems to add detected events as metadata to movie data. This paper proposes a novel event detection method with players' positions extracted from movie data of soccer games. In the proposed method, a hidden Markov model with a Bayesian framework is used for automatic event detection, while a conventional method used rules made by hand. The proposed method is tested against movie data set of J-league soccer games.
著者
八木 伸行 福井 一夫 榎並 和雅 佐々木 信之 金野 雄二 斉藤 英貴 伊藤 泰雅 富田 龍一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.93, no.288, pp.37-44, 1993-10-22

標準TV信号とハイビジョン信号に適用可能なビデオレート映像信号処理プロセッサLSI(HD-Picot)を開発した.本LSIは,演算器間の可変パイプライン構造,プログラム同期制御方式,プロセッサ間同期機構など映像信号処理に適したアーキテクチャを有し,映像信号処理指向の各種演算を,マイクロプログラム(最大32kワード,各48bit幅)により,37.125MHzの速度,24bit精度で行う.2個のALU,2個の乗算器に加え,アドレス演算回路を有しており,データメモリ(最大2Mbyte)の書き込み, 読み出しと同時にデータ処理を行うことができる.本LSIは,約123kゲートの回路規模でCMOSゲートアレイを用いて作られている.
著者
清水 澄雄 佐々木 道修 鍋谷 芳明 志田 晴康 八木 伸行 野口 英男 李相 吉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.25-30, 1996-02-26
被引用文献数
2

'1995 World Gymnastic Championships in Sabae', which was held for the first time in Asia, opened at Sun Dome Fukui on October 1st with the participation of around 900 athletes from 56 nations and regions. NHK produced International Signals as a host broadcaster. This report deseribes the outline and 'Multimotion' which was newly developed and effectively used for the production.
著者
望月 貴裕 蓼沼 眞 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.118, pp.37-42, 2005-06-09
被引用文献数
2

本稿では, シーンのパターン化とHidden Markov Model (HMM)を用いた, 野球の各シーンのイベントを自動的に識別する手法を提案する.本手法では, 学習処理としてまず, シーンを構成する各ショットをパターン化し, 学習用映像の各シーンをパターンデータの系列で表現する.パターン化データは, 位置情報, 画像特徴および動きベクトルを情報として持つ複数の矩形から構成される.このパターン化処理は, 映像上に配置した点群のブロックマッチングによる移動情報およびそれらの点の近傍領域の画像特徴に基づき行われる.次に, 学習用映像の各シーンを, 各ショットのパターン化データに基づき数値列で表現し, ホームラン, シングルヒット, フォアボールなどの「イベント種」で振り分ける.そして, 各イベント種について数値列の長さで区別して数値列を学習し, HMMのパラメータを設定する.それらの学習済みHMMを用いて未知イベントシーンの識別を行う.識別処理も, 学習処理と同様にショットのパターン化処理に基づき行われる.本手法については, 7試合分の大リーグ野球中継映像を用いた識別実験により評価を行った.
著者
山田 一郎 中田 洋平 松井 淳 松本 隆 三浦 菊佳 住吉 英樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.127-132, 2007-07-25
参考文献数
13

テレビ番組のナレーションでは、「場所紹介」や「人物紹介」など特定の事柄を表現するために同じような言い回しが多用される。このような言い回しを含む文章区間が抽出できれば、対応する番組映像区間の場所紹介や人物紹介といったメタデータを付与することができる。本稿では、番組のクローズドキャプションから特定の事柄を表現する文章に類似した文章を抽出するために、文章間の類似性を評価する手法を提案する。提案手法では文章を構文解析した結果、得られる木構造中の部分木を特徴とし、この特徴をサンプリングして学習する GibbsBoost アルゴリズムを用いて文章間の類似性を評価する。紀行番組のクローズドキャプションを対象として、場所を映像とともに説明する定型表現文章区間にある文章との類似性を評価する実験を行い、提案手法の有効性を確認した。In the closed captions, there are a lot of typical expressions to express specific things, for example, first introduction of a guest in a talk show or explanation of a place in travel program. Such information helps us to put metadata to the corresponding scenes. This paper proposes a method to evaluate the similarity between multiple sentences in order to extract a section in which sentences are similar to the typical expressions expressing specific things. The first step generates tree structures from input section of sentences and extracts subtrees from these tree structures. We use Gibbsboost algorithm which samples these subtrees for features and learns the features to evaluate the similarity. In the experiment of judging whether a section of sentences is similar to the section which explains a place with video targeting closed captions of TV programs concerned with travel, we show the effectiveness of our method.
著者
山田一郎 三浦菊佳 住吉英樹 八木伸行 奥村学 徳永健伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.82, pp.25-30, 2006-07-27
参考文献数
9
被引用文献数
2

テレビ番組のナレーションでは、「場所紹介」や「人物紹介」など特定の事柄を表現するために同じような言い回しが多用される。このような言い回しを含む文章区間が抽出できれば、対応する番組映像区間の場所紹介や人物紹介といったメタデータを付与することができる。そこで本稿では、番組のクローズドキャプションを対象として定型表現を含む文章区間を抽出する手法を提案する。提案手法では、複数文のテキストデータから木構造を生成して、木構造間の類似性を木構造に含まれる部分木の類似度により評価する。この結果を弱学習器としたAdaBoostアルゴリズムにより学習を行い定型表現か否かの判定を行う。紀行番組のクローズドキャプションを対象として、場所を映像とともに説明する定型表現文章区間を抽出する実験を行い、提案手法の有効性を確認した。In the closed captions, there are a lot of typical expressions to express specific things, for example, first introduction of a guest in a talk show or explanation of a place in travel program. Such information helps us to put matadata to the corresponding scenes. This paper proposes a method to extract a section including typical expressions. The first step generates tree structures from inputted section of sentences and evalutes the similarities between those tree structures. We use these similarities as weak larners of adaboost algorism to judge whether the section of sentences includes typical expressions or not. In the experiment of detecting sections including typical expressions which explain a place with video targeting closed capitions of TV programs conserned with travel, we show the effectiveness of our method.
著者
浜口 斉周 道家 守 林 正樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.2194-2205, 2006-10-01
参考文献数
14
被引用文献数
7

我々は,ブログを書くような感覚で,だれでも簡単にテレビ番組を制作し,公開できる,インターネットテレビシステムを開発した.これを実現するためにテレビ番組型コンテンツを台本と演出,素材という三つの部品に分割し,別々に制作・流通させる手法を考案した.制作ユーザはワープロ型ツールで台本を書き,用意されている演出を選び,素材をリンクするだけで,簡単にテレビ番組を作り,サーバにアップロードして公開することができる.視聴ユーザが公開されている番組を選択すると,その番組を構成する台本,演出,素材がダウンロードされ,視聴クライアント側で台本・演出・素材が組み合わされ,コンピュータグラフィックスや音声合成により番組として合成・再生され,番組を視聴することができる.システムの試作及び評価実験により,一般ユーザでもテレビ番組を容易に制作し,公開できることが確認された.
著者
柴田 賀昭 八木 伸行
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.835-841, 2012-10-01

FIMSは,ファイルベース制作・送出システムに,最新のICT技術を導入することで,放送局の局内システムを従来よりも柔軟な構成にしようとする取組みである.本稿では,放送局における制作・送出システムのこれまでの変遷を概観した後,SOAアプローチに基づくFIMSの狙いを紹介し,続いてFIMS 1.0の内容とその実装事例,そしてFIMSフェーズ2の現状について解説する.
著者
佐野 雅規 住吉 英樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.415, pp.33-38, 2005-11-11
被引用文献数
4

本稿では, サッカー番組を対象に, リアルタイムにダイジェスト用のメタデータを付与する手法について報告する.入力としてスタジアムの会場音とアナウンサのマイク音を利用する.会場音からはシーンを切り出し, アナウンサのマイク音からは, テキスト変換した後, 各シーンへの意味を抽出した.会場音の解析では, 短時間パワーに注目し, 観客の沸いたシーンを効率よく抽出するために動的閾値を導入した.意味抽出においては, 歓声が沸いている時は, アナウンサはその試合の流れをコメントしていることが多いという知見を利用し, ドメイン知識を用いたルールにより意味を抽出した.一般にスポーツ番組のアナウンスコメントは文章として不完全であり, 3種類のキーワード(チーム/選手名, サッカー用語, 特定の動詞)に注目して, その組み合わせによりルールを作成した.Jリーグの6試合について実験を行い, 本手法の有効性を確かめた.
著者
矢崎 智浩 三須 俊枝 中田 洋平 本井 滋 小林 剛 松本 隆 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.401-406, 2010-03-08
参考文献数
10

時系列データから興味のあるイベントを自動的に検出する問題は,信号処理やパターン認識,画像処理など,様々な分野に現れる.本研究グループでは,これまで,サッカー動画像データから抽出された選手位置情報に基づく時系列データをもとに,ベイズ隠れマルコフモデルによるイベント検出アルゴリズムを構築してきた.しかし,隠れマルコフモデルでは状態が滞留する確率として「幾何分布」が仮定されるため,必ずしもふさわしくない場合があった.隠れ状態の状態滞留確率を改善することでイベント検出性能に対する向上の余地があったため,本稿では,状態滞留確率をより柔軟に表現可能な「一般化隠れマルコフモデル」によるアルゴリズムを構築し,イベント予測性能の向上を目指す.また,提案アルゴリズムの効果をJリーグのサッカー動画像データを用いて検証する.
著者
八木 伸行
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

非対称情報の下でプリンシパルが複数の仕事をエージェント達に行わせる問題で、グループを形成し、ノルマのような制約を課す非金銭手的手法による近似的な解決方法はJackson and Sonnenschein(2007)で、ある十分条件の下に議論された。Matsushima, Miyazaki, and Yagi(2010)はそのような非金銭的インセンティブによる解決手法と、結果に応じて賞罰の金額を変動させる金銭的インセンティブによる伝統的な解決手法の同値性を標準的なミクロ経済学の理論の枠組みで証明した。また、破産制約がある場合には非金銭的インセンティブの手法が優位性があることを示した。改訂要請を受けて再投稿した結果、Journal of Economic Theory誌に掲載が決定した。不確実性下の状況での現実の人間がいかにして協調行動を達成するか、を不完全モニタリングの無限回繰り返し囚人のジレンマを被験者を使い経済学実験で分析した、松島斉・遠山智久・八木伸行"Repeated Games with Imperfect Monitoring : An Experimental Approach"における統計的検定作業のためのプログラミングと検証作業を行った。不確実性が小さい場合、お互い協調した場合も裏切りが観察される可能性があるが、理論的には協調を維持するには裏切りを観察した場合には高い確率で報復行為をとってはならない、という結論が得られる。しかし実験結果は、被験者たちは過剰に報復してしまい、協調が理論ほど達成できず、金銭的利益を失っている。その理由は不確実性が小さいので裏切りを観察した場合に「疑わしい人間を罰したい」という人間の心理的欲求であると考える。この研究により、不確実性下での人間同士の協調問題における心理的インセンティブと金銭的インセンティブの相互作用を分析した。
著者
望月 貴裕 藤井 真人 八木 伸行 篠田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.384, pp.77-82, 2007-12-06

本稿では,ダイジェスト映像を処理対象としていた映像のパターン化によるシーンの数値列化に基づくイベント(ホームラン,シングルヒット,四球など)識別手法を試合全体映像に適用するフレームワークを提案し,さらにイベントの間の区間に含まれる試合状況に関する情報を用いて,識別結果に修正を加える手法を提案した.試合全体映像から,投球ショット,リプレイシーン,イニングチェンジなどの出現位置に基づき,識別対象とするイベント候補シーンをセグメンテーションする.パターン化および数値列化したイベントシーンの学習によるイベント識別手法により,各イベント候補シーンのイベント識別を行う.各イベント候補シーンの識別結果とシーンの長さとの関係を利用し,イベントの生起しないシーン(非イベントシーン)を特定する.非イベントシーンおよびイベント候補シーンのセグメンテーションで除去された区間から,画像解析によるベース領域検出などの手法を用いて試合状況に関する情報を抽出し,そこから定められる制約条件に基づきイベントシーンの識別結果の修正を行う.数試合のメジャーリーグの野球映像を用いて識別実験を行い,評価を行う.
著者
佐野 雅規 八木 伸行 片山 紀生 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.229, pp.89-96, 2006-09-01
被引用文献数
2

本稿では,大量に蓄積されたニュース番組から,映像(画像)付きクイズを自動生成する手法について提案する.クイズの形式には多種多様なものが存在するが,本稿で対象とするのは,映像とそれに関連する説明文とのマッチングを問うクイズである.このようなクイズを生成するためには,映像または説明文同士の「似て非なる」関係を見つけ出す必要がある.また,通常の文字だけのクイズと違い,映像がクイズとして適切である必要があり,どのような画像も利用できる訳ではない.本稿では,これら映像クイズを自動生成する際の問題点を整理し,表層的な解析だけで生成する手法を提案する.また,その実験結果についても報告する.