著者
立木 孝 笹森 史朗 南 吉昇 一戸 孝七 村井 和夫 村井 盛子 河嶋 寛
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.241-250, 2002-06-29 (Released:2010-04-30)
参考文献数
31
被引用文献数
10 7

耳疾患, 耳症状などのない, 日本人正常成人の聴力が年齢とともにどのように変化するか, いわゆる「年齢変化」を確認することがこの研究の目的である。 そのため, 特別な生活背景のグループでない, 無作為の正常成人1521人の聴力を, 公的大病院の聴力検査用防音室で, 経験ある聴力検査技術員が, 日本聴覚医学会で定めた方法によって検査し, 年齢別, 性別に検討した。 年齢による聴力変化の成績は従来文献に報告されていた内外の成績とほとんど同じであり, 従って今回得られた結果は, 日本人正常成人の年齢変化として「標準」になるものと結論した。 性別の検討では, 高年齢, 高周波数について男性が女性より悪いという結果が得られたが, その程度はわずかであり, 欧米のように男女別々の基準を定める必要はないものと考えられた。
著者
草野 英昭 立木 孝 村井 和夫 千葉 秀樹 石川 健
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.621-626, 1995-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

The patients with noises in the head were studied and compared with those who have monaural or binaural tinnitus.The subjects were 299 patients, from September 1993 to October 1994, with sensorineural hearing loss with tinnitus. They were divided into three groups.Group A: 20 (9 males and 11 females) patients with noises in the head.Group B: 70 (45 males and 25 females) patients with binaural tinnitus.Group C: 209 (96 males and 113 females) patients with monaural tinnitus.The results were as follows, 1) The mean age in group A was more than 10 years higher than that in group B and group C.2) There was no difference in the average hearing level between three groups.3) The audiograms in group A showed a high tone gradual loss more than those in group B and group C.4) There was no significant difference in the mean age and average hearing level between group B and group C.As the results above, noises in the head were somewhat different from tinnitus and were often found in the elderly people. So it is likely that noises in the head have something with degenerative changes with aging.
著者
村井 和夫
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.165-173, 2007-06-30 (Released:2010-08-05)
参考文献数
16

Bekesy によって考案された自記オージオメータについて, 機構, 測定法等について述べ, その臨床的意義について解説した。自記オージオメータと純音オージオメータの主な相違点は, 応答ボタンによって減衰器が作動, 制御され, また検査周波数が低周波数から高周波数 (あるいは逆方向に) に自動的に定められた速度で変化する (連続周波数記録), または定められた周波数について記録する (固定周波数記録) ことができることである。この測定法による臨床的意義は, 閾値の測定, 振幅の測定, 持続音と断続音記録との聴力レベル差の測定, 聴力レベルの時間的推移の記録等の評価にある。難聴の細別診断に有用な検査法である。

1 0 0 0 OA 突発性難聴

著者
朝隈 真一郎 村井 和夫
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.46-53, 2010 (Released:2010-03-19)
参考文献数
28
被引用文献数
11 10

原因も, また内耳に起こっている病態についても全くわかっていない突発性難聴の診断と治療をいかに行うか, そのことを考える上での問題点とそれへの対応について述べた。1989年から2006年までの18年間に報告された論文をみると治癒率の向上はなく治療成績に変化はなかった。治療成績を調べるために検討された症例数が少ないと得られた治癒率のばらつきが大きく, 症例数が増えるにつれてそのばらつきは小さくなる。症例数が200例以上になると治癒率は30数%に集まる。また治療法が違っても症例を増やして検討すれば同じ治癒率が出ることが分かった。このことから, この治癒は治療によるものではなく自然治癒の可能性が高いことを述べた。治療に当たっては, この疾患について十分に説明することが重要である。治療法の選択については身体的にまた経済的にも負担の少ない方法を選択することが望ましい。
著者
武田 篤 村井 盛子 浅野 義一 亀井 昌代 村井 和夫
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.258-265, 1993-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

難聴児がその同胞にどのような影響を及ぼしているかを検討するために, 当言語治療室で聴能訓練を行った52例にアンケートを実施した。 回答のあった47例の内17例 (36.2%) に, 腹痛, チック, 足痛, 吃音, 過食, 万引きなどの神経症的発症がみられた。 これらの予後は, 1年以内に改善ないし改善傾向を示すものが多いが, 3年以上かかるものや不変例もみられた。 しかし, これらの症状は祖父母同居例に発症が少なく, また発症後スキンシップを図ることにより症状が改善する傾向を示したことから, ともすれば難聴児にばかり親の目がいき, その同胞をなおざりにしてしまうことによる「愛情欲求不満」が関与していると推定された。 難聴児の訓練, 指導にあたっては, その同胞に対しても十分な配慮を行うべきと思われた。
著者
村井 和夫
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.112-124, 1999-04-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
34
著者
村井 和夫 樋口 明文 小原 能和 小野寺 耕 浅野 義一 立木 孝 村川 康子
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.253-264, 1992-06-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

急激に発症する感音難聴には強大な音響曝露後に見られるように, 原因の推定されるものの他に原因が明らかでない突発性難聴がある。今回, 音楽聴取後に聴覚の異常を訴えて受診したいわゆるコンサート難聴症例の聴覚障害の臨床像を検討し, コンサート以外の音響によって起こった急性感音難聴および原因不明急性感音難聴, いわゆる突発性難聴と主にその治療成績について比較検討した。その結果, コンサート難聴の予後は良好であったが, コンサート以外の音響の曝露によって見られた急性感音難聴の予後はいずれも突発性難聴より低値であり, 音響が原因で発症した急性感音難聴は, 突発性難聴と比較してより早期に治療を行う必要があると考えられた。
著者
八木 昌人 川端 五十鈴 佐藤 恒正 鳥山 稔 山下 公一 牧嶋 和見 村井 和夫 原田 勇彦 岡本 牧人
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.869-874, 1996-06-20
参考文献数
6
被引用文献数
18 4

厚生省の高齢者の聴力に関する研究班は65歳以上の高齢者の聴力を調査した. 測定7周波数の平均聴力レベルはA群 (65~69歳) で35.0dB, B群 (70~74歳) で42.1dB, C群 (75~79歳) で46. 1dB, D群 (80~84歳) で52. 1dB, E群 (85歳以上) で55.6dBであった. すべてのグループにおいて聴力の男女差はみられず, オージオグラムの型は大部分の例で高音漸傾型を示した. 平均語音弁別能はA群で75.4%, B群で70%, C群で63.8%, D群で59.7%, E群で52.1%, また, SISI検査で70%以上を示した率はA群で45.2%, B群で49.3%, C群で47.9%, D群で51.6%, E群で59.7%であった.