著者
武田 篤 鈴木 徹 藤井 慶博 高田屋 陽子
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、複合的場面緘黙児の実態を把握するとともに、学校での支援体制や学級での具体的な支援方略を構築することを目的とした。平成30年度は、複合的場面緘黙児に関する質問紙調査を実施した。A市の小学校(41校)・幼稚園(6園)・こども園(11園)の58校園を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は、1)場面緘黙児の有無、該当児童がいた場合、2)場面緘黙の状態と3)自閉症スペクトラム傾向、4)学級内での具体的な支援、とした(2)以降の質問内容については、場面緘黙児のいるクラス担任に回答を依頼した)。なお、本調査を実施するにあたり、依頼文書において「得られた回答は決められた手順に従って得点化すること」、「児童や回答した教員に関するプライバシーは守られること」の2点を明記した。回答のあった51校園に在籍する幼児児童数は、14939名(男児7592名、女児7357名)であった。そのうち、場面緘黙児が「有」と回答したのは13校園(小学校9校、幼稚園2園、こども園2園)で、在籍数は20名(0.13%)であった。男女の内訳は、男児8名(0.11%)、女児12名(0.16%)であった。これらの結果は先行研究を支持するものであった。本調査は、質問紙の内容を決定するまでかなりの時間を要した(年度末に実施した)。そのため、2)以降の調査データ(場面緘黙と自閉症スペクトラム障害との関連)の解析は次年度に行う予定である。
著者
谷口 さやか 武田 篤
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.8, pp.1546-1551, 2015-08-10 (Released:2016-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Parkinson病(Parkinson's disease:PD)は運動症状だけでなく,多彩な非運動症状を呈する.主な非運動症状には認知・精神機能障害,睡眠障害,自律神経障害,感覚障害がある.一部の症状は運動症状の発症前に出現することから,画像診断や補助検査法と併用することで発症前診断に役立つ可能性がある.また,非運動症状は生活の質(quality of life:QOL)を低下させる要因であり,早期の発見と治療が重要である.
著者
武田 篤
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.91-97, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
37
被引用文献数
2 3

われわれは最近,嗅覚障害がパーキンソン病(PD)認知症の併発を予測する徴候であることを報告した.重度嗅覚障害を示すPD群は認知機能低下と関連して報告されて来た脳代謝低下分布を示した.またvolumetric MRIによる検討から,嗅覚障害は扁桃体や他の辺縁系をふくむ局所脳萎縮と関連していることが明らかとなった.ドパミン補充療法の発達,そして高齢発症例の増加により,現在PDの予後をもっとも大きく悪化させるのは随伴する認知症の存在であることが知られている.しかしながらその発症を早期に的確に予測できる方法論は未だ確立していない.嗅覚テストは今後,進行期PD の治療において重要な役割を果たして行くと考えられる.
著者
武田 篤志
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.117-124, 2008-07-17 (Released:2013-12-27)
参考文献数
15

1974年に刊行されたアンリ・ルフェーヴルの主著『空間の生産』は,英訳されたのを機に,1990年代以降,都市論や地理学の分野でひろく再評価がすすんでいる.しかし,この書の第Ⅲ部には「空間の建築術(Architectonique spatiale)」⑴と題される章が設けられているにもかかわらず,また,この「建築」が彼の空間論において要諦をなしているにもかかわらず,『空間の生産』における「建築」の意義について積極的な言及はほとんどみられない⑵.本稿は,ルフェーヴルにおける空間論と建築との理論的関連に焦点を当て,この書の建築理論としての可能性を提起することを目的とする.
著者
武田 篤 村井 盛子 浅野 義一 亀井 昌代 村井 和夫
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.258-265, 1993-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

難聴児がその同胞にどのような影響を及ぼしているかを検討するために, 当言語治療室で聴能訓練を行った52例にアンケートを実施した。 回答のあった47例の内17例 (36.2%) に, 腹痛, チック, 足痛, 吃音, 過食, 万引きなどの神経症的発症がみられた。 これらの予後は, 1年以内に改善ないし改善傾向を示すものが多いが, 3年以上かかるものや不変例もみられた。 しかし, これらの症状は祖父母同居例に発症が少なく, また発症後スキンシップを図ることにより症状が改善する傾向を示したことから, ともすれば難聴児にばかり親の目がいき, その同胞をなおざりにしてしまうことによる「愛情欲求不満」が関与していると推定された。 難聴児の訓練, 指導にあたっては, その同胞に対しても十分な配慮を行うべきと思われた。
著者
田野 大人 金子 仁彦 菊池 昭夫 長谷川 隆文 武田 篤 青木 正志
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.308-311, 2013-04-01 (Released:2013-04-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

症例は74歳男性である.61歳時に動作緩慢で発症,認知機能障害,垂直性核上性眼球運動障害,仮性球麻痺,パーキンソニズムをみとめ,精査の結果進行性核上性麻痺と診断した.ドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与による開顎ジストニアをみとめたが,ドパミン作動薬の漸減・中止により開顎ジストニアは軽快した.進行性核上性麻痺症例の中にはドパミン作動薬が有効な例もあるが,本例のようにドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与が各種ジストニアの原因となることがあり注意が必要である.
著者
北島 英樹 武田 篤
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.75-87, 2009-05-30

近年,AAC(AugmentativeandAlternativeCommunication)が注目されるようになり,自閉症児に様々なAAC手段を活用したコミュニケーション指導が行われるようになってきたそこで本研究では,特別支援学校の教員を対象に,自閉症児のコミュニケーション能力を高めるために,どのようなAAC手段を活用しているか,また,指導にあたる教員のAACに関する意識について調査をすることとした.結果は以下の通りである.1)自閉症児へのコミュニケーション指導は,小学部・中学部・高等部のいずれの学部でも,特定の時間を設けて指導するよりは学習全般をとおして行っていた.2)教員が有効と思うAAC手段としては,絵や写真カードは多かったが,マカトンサインやVOCAは少なかった.有効と思うこれらのAAC手段について,学部の問に差を認めなかった.3)自閉症の教育を推進する特別支援学校では,他の学校に比べ,教員のAACに関する知識や理解も高く,積極的な活用が行われていた.これらの結果をもとに,AACを活用した自閉症児へのコミュニケーシヨン指導のあり方と課題について検討した。"In recent years , the Augmentative and Alternative Communication(AAC) technique is drawing increasing interest , and various communications training programs applying this technique are gradually being carried out for autistic children. In this study , a survey was conducted on special support schools teachers to investigate the AAC methods applied to enhance communication skills in autistic children , and the views of teachers on AAC. The following are the results.l)In elementary , junior high , and high school , communication training for autistic children is generally carried out in all classrooms , instead of setting aside a special class for such training.2)ACC methods which teachers consider effective mostly use drawings , photos , and character cards. Not many gave Makaton sign and Voice output communication aid as effective . No significant differences were found between the different grades regarding the ACC methods which the teachers consider useful.3)Compared to other schools , teachers at special support schools which promote education for autistic children have better knowledge and understanding of AAC , and carry out AAC related activities keenly.Based on these results , the ideal methods of teaching communication skills to autistic children using AAC and the tasks involved were reviewed."
著者
武田 篤志
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

本年度は、戦前に構成された「杜の都・仙台」の呼称とそれに相関する場所イメージが、終戦以降どのように変容したのかという点に留意しながら、仙台をめぐるローカルアイデンティティの現代的諸相について社会学的に明らかにした。まず、戦前の観光案内書や郷土書で流通していた「杜の都」の呼称が、昭和に入ると仙台をモチーフにした流行歌に用いられ、歌声の経験として場所の記憶となる局面に準目し、戦前に人気を博したレコード曲「ミス仙台」と戦後の仙台を表象する「青葉城恋唄」を取り上げ、両作品の歌詞に描かれた仙台像の比較分析から仙台の場所イメージの変容を明らかにした(その成果は『仙台都市研究』第3巻に論文発表)。加えて、仙台市の戦災復興事業に関与し、主に戦後仙台の緑地行政に従事してきた行政関係者OBへの聞き取り調査をおこない、「杜の都」の呼称が仙台市行政のシンボルとなっていった経緯についてオラールヒストリーをまとめた(その成果は、これまでの諸論文のなかで適宜活用している)。また、東北都市学会編『東北都市事典』(仙台共同印刷)の執筆依頼を受けたのを機に、戦前から戦後・現在にいたる「杜の都」の場所イメージの変化を通時的に概括した(武田担当項目:「杜の都」)。さらに、理論的研究として、近年再評価が進んでいるフランスの都市社会学者、アンリ・ルフェーヴルの空間生産論とその派生的議論を取り上げ、現在の都市社会学で注目されてきている「場所の社会学」論議への道筋を明らかにするとともに、その先駆的な研究として、英国の社会学者、ロブ・シールズの社会空間化論を検討した(その成果は『社会学年報』第33号に論文発表)。
著者
武田 篤
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.45-50, 2005-03-31

A questionnaire survey was conducted on 17 adults using cochlear implants and the following results were obtained. 1) Duration of use is whole day excluding those working in noisy workplaces. Place of use include homes, hospitals, banks, outdoors such as when walking on streets, workplaces, etc. 2) One to one dialogue can be conducted sufficiently with the use of lipreading, but there are limits to dialogue between multiple parties and the place of noise. 3) All replied that sound quality of cochlear implant differs from before deafness. Eleven replied that different from before deafness but no discomfort, while six replied considerably different from before deafness and discomfort. 4) Cochlear implant enables not only users to hear what other are saying, but also recognition of environment sounds such as cars driving and birds chirping, providing sense of security and enrich to users. 5) All users replied that they were glad they had undergone surgery for cochlear implant. Compared to before cochlear implant surgery, users participated in conversations more actively as well as in gatherings, enhancing the social activities and quality of life for users of cochlear implant.