著者
須釜 淳子 石橋 みゆき 大田 えりか 鎌倉 やよい 才藤 栄一 真田 弘美 中山 健夫 野村 岳志 山田 雅子 仲上 豪二朗 佐藤 直子 柴田 斉子 長谷 剛志 深田 順子 三鬼 達人 有田 弥棋子 浦井 珠恵 大川 洋平 北村 言 臺 美佐子 高橋 聡明 玉井 奈緒 飛田 伊都子 野口 博史 松本 勝 三浦 由佳 向井 加奈恵 麦田 裕子 吉田 美香子 倉智 雅子 白坂 誉子 山根 由起子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.790-810, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
58

目的:本資料は,日本看護科学学会より公開した「看護ケアのための摂食嚥下時の誤嚥・咽頭残留アセスメントに関する診療ガイドライン」の要約版である.方法:本診療ガイドラインは,「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に従い,研究エビデンスと益と害のバランス,患者の価値観などに基づき作成された.結果:身体診査技術を用いた系統的アセスメント,反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテスト,フードテスト,頸部聴診法,超音波診断装置による嚥下観察,内視鏡による嚥下観察に関するクリニカルクエスチョンをもとに,10の推奨が作成された.8つの推奨はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)2Cとして評価され,残りの2つはGRADEなしとして評価された.結論:看護ケアのためのアセスメントに焦点を当て,最新の知見を盛り込んだ信頼性の高い診療ガイドラインが作成された.本資料は要約版であり,臨床実践への活用が期待される.
著者
幅 大二郎 秦 斉 滝沢 知大 冨田 早苗 峰松 健夫 真田 弘美 仲上 豪二朗
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
pp.2023-001, (Released:2023-06-15)

糖尿病足潰瘍は足切断や死亡のリスクが高く早期の創傷治癒が必要である.低周波振動(LFV)療法は糖代謝改善に伴い創傷治癒を促進するが,同じく創傷治癒促進効果を持つ超音波(US)療法で局所糖代謝が生じているかは不明である.本研究ではLFVとUSでの脂肪細胞での糖代謝促進機能を比較した.3T3-L1脂肪細胞へ3 MHz,0,0.5,1.0,3.0 W/cm2,照射時間率20%,10分/日のUSを5日間照射した.3.0 W/cm2では細胞形態が変化し脂肪滴の分解がみられた.脂肪滴分解を防ぐため強度を下げて1.0 W/cm2を選択してUS群とし,対照群,LFV群,US群に分け糖取り込み量と対照群に対する細胞内Ca2+蛍光比を測定して比較した.結果はLFV群で糖取り込み量が有意に増加し(p<0.05),細胞内Ca2+蛍光比はLFV群で有意に増大していた(p<0.01)が,US群では糖取り込み促進および細胞内Ca2+蛍光比の増大はみられなかった.以上より脂肪細胞へのLFVは糖代謝促進効果を示したがUSには糖代謝促進効果はなく,高強度US照射は脂肪滴の分解効果を示した.
著者
高橋 聡明 新谷 結衣 村山 陵子 野口 博史 阿部 麻里 Koudounas Sofoklis 仲上 豪二朗 森 武俊 真田 弘美
出版者
Japanese Society of Wound, Ostomy and Continense Management
雑誌
日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 (ISSN:1884233X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.576-584, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
28

背景:末梢静脈点滴の合併症は、時には潰瘍化にいたる重要な問題である。血流の多い血管を使用することにより、合併症予防の可能性が示されてきたが、末梢静脈の血流測定方法は確立されていない。そこで本研究では健常者における超音波検査装置による上肢静脈血流量測定の信頼性妥当性検証を行い、血流量測定を行うこととした。 方法:対象は健常成人8人、上肢12本とした。上肢主要静脈である上腕尺側静脈、前腕橈側皮静脈、前腕尺側皮静脈、前腕正中皮静脈を測定部位とし、訓練を受けた看護師が測定を行った。並存妥当性の検証を行うため、従来手技である手動による測定とAuto Volume Flow(AVF)機能を用いて測定を行い、ピアソンの相関係数を計算した。評価者内信頼性検証として級内相関係数(ICC)を、既知集団妥当性として豊富な血流量が予測される上腕尺側静脈と前腕に位置する静脈を比較した。 結果:測定者内信頼性について、従来手技では、すべての測定の平均は25.5 ml/minで、ICC(1,1)(1,3)はそれぞれ0.91 (p<0.01)、0.97(p<0.01)であった。並存妥当性については、従来手技、AVF による測定との相関はr = 0.96(p<0.01)であった。既知集団妥当性として、前腕の主要静脈の血流量はいずれも上腕尺側静脈と有意な差を示した(p<0.01)。 結論:上肢末梢静脈の超音波検査装置による血流測定の信頼性および妥当性が示された。
著者
中山 絵美子 高橋 聡明 北村 言 野口 博史 仲上 豪二朗 桑田 美代子 四垂 美保 真田 弘美
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.116-129, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
25

本研究は,介護保険病床を有する病院に入院している認知症高齢者を対象に,1.患者とコミュニケーションロボット(以下ロボット)との関係構築にかかわる要因,2.ロボットの継続的な使用にかかわる要因,3.ロボットへの期待を明らかにすることを目的とし,ロボット事業が継続している介護保険病床を有する病院において,6名の病棟スタッフへの半構造化面接の記録を質的に分析した.その結果,関係構築にかかわる要因として{患者のもつさまざまな特性や変化する患者・療養環境とロボットのマッチング}が,継続使用にかかわる要因として{スタッフがやりがいを感じながら,新しい試みであるロボットの導入・活用と向き合うこと}が,ロボットへの期待として{ロボットが患者・スタッフとともに過ごすことができる存在となる}ことがテーマとして抽出された.これらから,ロボット導入時には患者-ロボット間,継続使用の際にはスタッフ-ロボット間の関係構築が重要であると示唆された.
著者
仲上 豪二朗 久保 貴史 川波 一美 岩嵜 徹治 真田 弘美
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.174-179, 2015

&emsp;背景/目的:皮膚バリア機能の損傷は細胞間脂質の減少によって引き起こされ,褥瘡のリスクになりうる.本研究はセラミド含有ドレッシング材(CD)から皮膚へのセラミドデリバリーが皮膚バリア機能の回復能を有するかどうかを検証した.方法:健常者の皮膚に対して,異なる濃度のCDを貼付し,セラミドデリバリーの濃度依存性を検討した.その後,CDを,人工的に皮膚バリア機能を損傷させた健常人の前腕に貼付し,皮膚バリア機能回復能を検証した.結果:CDから角層へセラミドが移行することが確認された.また,セラミド非含有ドレッシング材および未貼付群に比較して,CDは貼付後3日および6日目の経皮水分蒸散量を有意に低下させた(貼付後3日:順にP=0.047,P=0.009;貼付後6日:順にP=0.048,P<0.001).結論:CDによるセラミドデリバリーは皮膚バリア機能を回復させるのに有効であり,褥瘡予防方法として有用な方法である可能性が示された.
著者
峰松 健夫 真田 弘美 森 武俊 仲上 豪二朗 野口 博史 玉井 奈緒
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1)スキンブロッティングの原理:角質細胞間脂質のラメラ構造の電子顕微鏡観察が必要であるが、従来の試料作製法では不可能である。そこで新たな試料作製法を考案し、通常電顕で観察ができることを明らかにした。また、タイトジャンクションについては、Claudin1の組織染色性が変化することからスキンブロッティングによる一時的な開裂が示唆された。(2)褥瘡の超早期発見を実現するためのスキンブロッティングに用いるバイオマーカーの選択を動物実験で行い、虚血・リンパ還流障害・虚血再灌流障害・組織変形を示すバイオマーカーとしてそれぞれPAI1、VEGF-C、IL1α、HSP90αを同定した。