著者
松原 優
出版者
日本生涯スポーツ学会
雑誌
生涯スポーツ学研究 (ISSN:13488619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.21-28, 2023 (Released:2023-06-22)

In Japan, it is said that Okinawans are very enthusiastic in their support for the Okinawan national high school baseball teams in the National High School Baseball Championship, commonly known as Summer Koshien (hereinafter referred to as "Koshien championship"). In fact, when the Okinawa national teams are competing, it is reported that "the number of automobiles on the road reduces," "some individuals take a day off from work," and "crowds of people gather in front of televisions set up in public locations." On the other hand, there have been no attempts to survey the people of Okinawa prefecture and clarify the factors of this phenomenon, and academic understanding and clarification of this phenomenon have not progressed. Therefore, this research aims to understand the emotions and behaviors of the Okinawan people in terms of their support for the Okinawa national teams in Koshien championship from the viewpoint of sport consumer behavior, taking into account historical and cultural backgrounds. The results suggest that while some factors of Okinawans' support for the Okinawa national teams can be adequately explained by previous research on sport consumer behavior, there are also areas of significant divergence, and a major factor explaining the uniqueness of the divergence is the historical and cultural background, including attitudes toward the rest of the regions.
著者
中村 好一 松原 優里 笹原 鉄平 古城 隆雄 阿江 竜介 青山 泰子 牧野 伸子 小池 創一 石川 鎮清
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.72-82, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
27

目的 地方紙における遺族の自己申告型死亡記事の記載事項を集計し,その地域での死亡やそれに伴う儀式の実態を明らかにするとともに,死亡記事のデータベースとしての利点と問題点を明らかにする。方法 栃木の地方紙である下野新聞の自己申告型死亡記事「おくやみ」欄に掲載された2011~2015年の栃木県内の死亡者全員のデータを集計解析し,一部の結果は人口動態統計と比較した。観察項目は掲載年月日,市町村,住所の表示(市町村名のみ,町名・字まで,番地まで含めた詳細な住所),氏名,性別,死亡年月日,死因,死亡時年齢,通夜・告別式などの名称,通夜などの年月日,告別式などの年月日,喪主と喪主の死亡者との続柄の情報である。結果 観察期間中の掲載死亡者数は69,793人で,同時期の人口動態統計による死亡者数の67.6%であった。人口動態統計と比較した掲載割合は男女で差がなく,小児期には掲載割合が低く,10歳代で高く,20歳台で低下し,以降は年齢とともに上昇していた。市町別の掲載割合は宇都宮市や小山市など都市化が進んだ地域では低く,県東部や北部で高い市町がみられた。最も掲載割合が高かったのは茂木町(88.0%),低かったのは野木町(38.0%)であった。死亡日から通夜や告別式などの日数から,東京などで起こっている火葬場の供給不足に起因する火葬待ち現象は起こっていないことが判明した。六曜の友引の日の告別式はほとんどなく,今後,高齢者の増加に伴う死者の増加によって火葬場の供給不足が起こった場合には,告別式と火葬を切り離して友引に火葬を行うことも解決策の1つと考えられた。死亡者の子供,死亡者の両親,死亡者の子供の配偶者が喪主の場合には,喪主は男の方が多いことが判明した。老衰,自殺,他殺の解析から,掲載された死因の妥当性は低いことが示された。結論 栃木県の地方紙である下野新聞の自己申告型死亡記事「おくやみ」欄の5年分の観察を行い,実態を明らかにした。約3分の2に死亡が掲載されており,データベースとしての使用に一定の価値があると考えられたが,記載された死因の妥当性は低いことが判明した。
著者
松原 優
出版者
日本生涯スポーツ学会
雑誌
生涯スポーツ学研究 (ISSN:13488619)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.23-32, 2022 (Released:2022-05-25)

So far, little attention has been paid to the way sport consumers evaluate their community networks (i.e., social network quality). Therefore, the following three objectives were set for this study: (1) to quantify multidimensionally the evaluation of community ties through sports as social network quality, (2) to examine the influence of social network quality on conative loyalty, and (3) to examine the relationship between social network quality and to clarify the causal relationship between social network quality and attachment to the region where one currently resides, as well as the relationship including conative loyalty. Then, the relationships among social network quality, attachment to the region, and conative loyalty were examined. The data were collected from an online survey panel that followed for the prefectural teams in a national high school baseball tournament. The results showed that social network quality and attachment to the region were significant antecedents of conative loyalty. Furthermore, the results suggest that the positive effect of social network quality on intention to continue support is mediated by attachment to the region. This result extends previous studies focusing on consumer experience quality and allows for a new measurement of consumer experience quality, which is an evaluation of the quality of social relationships.
著者
松原 優里 阿江 竜介 大矢 幸弘 穐山 浩 今井 孝成 松本 健治 福家 辰樹 青山 泰子 牧野 伸子 中村 好一 斎藤 博久
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.767-773, 2018 (Released:2018-07-18)
参考文献数
24

【背景・目的】日本における食物アレルギー患者数は年々増加しているが,食物アレルギー患者数の頻度分布(有病率)は,未だ明らかではない.本研究では,それらを明らかにし,新たな調査方法を検討する.【方法】政府統計等利用可能な資料を用いて,食物アレルギー患者数を推計する.【結果】乳幼児期では「自己申告」で約80万人,「医師の診断」で約30万~50万人,学齢期では「自己申告」で約60万人,「医師の診断」で約35万人と推計された.成人では,消費者庁が即時型症状の受診者数を調査しているが,対象が限定されており,患者数の推計は困難であった.【結語】乳幼児はエコチル調査に症状や診断の有無・血液検査を追加することで,年次変化を把握でき,学齢期では文部科学省の調査が有効である.成人期では大規模調査は少なく,国民健康・栄養調査や国民生活基礎調査などに付随した調査が有効である.一方で個々の情報源の抱える問題点も明らかにした.
著者
松原 優
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
pp.202310.002, (Released:2022-12-15)
参考文献数
82

本研究は、人が持つ所属欲求と社会的アイデンティティ理論のフレームワークに、ブランド・コミュニティにおける社会的なつながりの質に対する評価であるソーシャルネットワーク・クオリティを加えたモデルを開発することにより、ブランド・コミュニティが、消費やブランドに限定されない消費者の人生全般に関するウェルビーイングに及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。その結果、(1)ソーシャルネットワーク・クオリティがブランド・コミュニティ・アイデンティフィケーションの先行要因となること、(2)ブランド・コミュニティ・アイデンティフィケーションが消費やブランドに限定されない消費者の人生全般に関するウェルビーイングの先行要因となることが明らかとなった。さらに、ブートストラップ法を用いた媒介分析の結果、ソーシャルネットワーク・クオリティによる消費やブランドに限定されない消費者の人生全般に関するウェルビーイングへの影響は、ブランド・コミュニティ・アイデンティフィケーションによって媒介されることが明らかとなった。
著者
松原 優
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.31-40, 2022 (Released:2022-09-29)
参考文献数
38

本研究の目的は,消費者のブランド・スイッチングと消費者のアイデンティフィケーションおよび幸福感の関係を縦断調査に基づき明らかにすることである。2時点の調査に基づく検証の結果,ブランドを通して得られる消費者の幸福感(ブランド・ハピネス:Consumer Happiness through Brand)がブランド・スイッチング行動を抑制する要因であることが明らかとなった。本研究は消費者の幸福度がブランド・スイッチング行動に及ぼす影響を縦断的な調査によって検証した初めての研究であり,本研究により得られた結果は,既存の消費者の幸福感およびブランド・スイッチングに関する知見を拡張するものである。
著者
中村 好一 松原 優里 笹原 鉄平 古城 隆雄 阿江 竜介 青山 泰子 牧野 伸子 小池 創一 石川 鎮清
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.72-82, 2018

<p><b>目的</b> 地方紙における遺族の自己申告型死亡記事の記載事項を集計し,その地域での死亡やそれに伴う儀式の実態を明らかにするとともに,死亡記事のデータベースとしての利点と問題点を明らかにする。</p><p><b>方法</b> 栃木の地方紙である下野新聞の自己申告型死亡記事「おくやみ」欄に掲載された2011~2015年の栃木県内の死亡者全員のデータを集計解析し,一部の結果は人口動態統計と比較した。観察項目は掲載年月日,市町村,住所の表示(市町村名のみ,町名・字まで,番地まで含めた詳細な住所),氏名,性別,死亡年月日,死因,死亡時年齢,通夜・告別式などの名称,通夜などの年月日,告別式などの年月日,喪主と喪主の死亡者との続柄の情報である。</p><p><b>結果</b> 観察期間中の掲載死亡者数は69,793人で,同時期の人口動態統計による死亡者数の67.6%であった。人口動態統計と比較した掲載割合は男女で差がなく,小児期には掲載割合が低く,10歳代で高く,20歳台で低下し,以降は年齢とともに上昇していた。市町別の掲載割合は宇都宮市や小山市など都市化が進んだ地域では低く,県東部や北部で高い市町がみられた。最も掲載割合が高かったのは茂木町(88.0%),低かったのは野木町(38.0%)であった。死亡日から通夜や告別式などの日数から,東京などで起こっている火葬場の供給不足に起因する火葬待ち現象は起こっていないことが判明した。六曜の友引の日の告別式はほとんどなく,今後,高齢者の増加に伴う死者の増加によって火葬場の供給不足が起こった場合には,告別式と火葬を切り離して友引に火葬を行うことも解決策の1つと考えられた。死亡者の子供,死亡者の両親,死亡者の子供の配偶者が喪主の場合には,喪主は男の方が多いことが判明した。老衰,自殺,他殺の解析から,掲載された死因の妥当性は低いことが示された。</p><p><b>結論</b> 栃木県の地方紙である下野新聞の自己申告型死亡記事「おくやみ」欄の5年分の観察を行い,実態を明らかにした。約3分の2に死亡が掲載されており,データベースとしての使用に一定の価値があると考えられたが,記載された死因の妥当性は低いことが判明した。</p>