- 著者
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松川 恭子
- 出版者
- 奈良大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
本年度は、以下の2点を中心に研究を進めた。(1)ゴア社会の大衆劇「ティアトル(tiatr)」の劇団主宰者・俳優が物語・身体動作・歌(カンタール)で「ゴア性」を観客に喚起しようとする過程についての調査、(2)ゴア外、特にアラブ首長国連邦ドバイ・サルジャーにおけるゴア人コミュニティ内のティアトル受容の現状。現地調査を2回実施し(平成19年4月24日〜5月9目、8月27日〜9月10日)、具体的には、以下の作業を行った。第一回目の調査は、ゴアとアラブ首長国連邦ドバイで行った。ゴアでは、一つの劇団のある村落への出張公演に同行し、劇団員が舞台上で「ティアトル俳優になる」点を中心に舞台設営から終了までを観察した。ドバイの調査では、劇団の現地エージェントの男性にドバイにおけるティアトル受容の現状について、特にゴアからの公演招聘の手順を中心にインタビューを行った。第二回目の調査もゴアとドバイで行った。ゴアでは、ティアトルにおける身体動作を中心に俳優にインタビューを行い、ドバイでは、ティアトルの公演場所の調査を行った。本年度後半は、南アジアにおける演劇関連図書の収集・レビューを継続するとともに、調査成果のまとめを行った。その一部を日本文化人類学会、「宗教と社会」学会(2007年6月)と国立民族学博物館共同研究「キリスト教文明とナショナリズム-人類学的考察」研究会(2008年3月)で発表した。