著者
松川 恭子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第55回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.D10, 2021 (Released:2021-10-01)

本報告では、主にクウェートで行った調査で得られたデータを中心に、湾岸アラブ諸国におけるインド系移民第二世代の教育戦略を考察する。彼ら/彼女たちの選択は、湾岸アラブ諸国における国民中心の公教育制度や高等教育の発展(海外分校の参入など)、インド政府の在外インド人政策、第一世代の思惑などの要素を背景としつつ、トランスナショナルな視野のもとで行われていることを明らかにする。
著者
松川 恭子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第54回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.D22, 2020 (Released:2020-09-12)

湾岸アラブ諸国において、外国人移民労働者は自国よりも高い賃金、整備されたインフラを享受できるが、市民権・永住権の取得が非常に困難である。本発表は、労働ビザを継続的に更新して滞在を続ける移民労働者の子どもとして湾岸諸国で生まれた2世が高等教育を受けるために渡った「故国」インドで「インド生まれのインド人」と出会い、「湾岸アラブ諸国生まれのインド人」して自らをどのように捉え直しているのかを考察する。
著者
松川 恭子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.108, 2011

世界におけるメディア技術の拡大は均質ではない。儀礼・演劇など旧来メディアとマスメディアの連続性及び利用の現状を微細にみることで、グローバリゼーション下の共同体意識・実践の現代的あり方について明らかにすることが可能だ。本発表では、インド西部ゴア州で主に上演されている演劇ティアトルを取り上げる。CD、VCD、DVD、インターネットによるティアトルの展開とゴアとゴア外に居住する人々のネットワークについて考察する。
著者
小泉 潤二 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 石川 登 花渕 馨也 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 中川 理 石川 登 花渕 馨也 松川 恭子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、トランスナショナルな、つまり国家、国民、民族を超える現代世界の動態的現象を人類学的に把握し分析するために、「境界」に生まれるもの、つまり境界の生産性に着目した。中米、アフリカ、東南アジア、オセアニア、ヨーロッパなど各地で現地調査を実施して経験的資料を集め、国家や民族やモダニティなど多様な要因により複雑に構築される境界の理解を進めるとともに、その境界を越える人やモノの流れの現実を明らかにした。
著者
松川 恭子
出版者
奈良大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は、以下の2点を中心に研究を進めた。(1)ゴア社会の大衆劇「ティアトル(tiatr)」の劇団主宰者・俳優が物語・身体動作・歌(カンタール)で「ゴア性」を観客に喚起しようとする過程についての調査、(2)ゴア外、特にアラブ首長国連邦ドバイ・サルジャーにおけるゴア人コミュニティ内のティアトル受容の現状。現地調査を2回実施し(平成19年4月24日〜5月9目、8月27日〜9月10日)、具体的には、以下の作業を行った。第一回目の調査は、ゴアとアラブ首長国連邦ドバイで行った。ゴアでは、一つの劇団のある村落への出張公演に同行し、劇団員が舞台上で「ティアトル俳優になる」点を中心に舞台設営から終了までを観察した。ドバイの調査では、劇団の現地エージェントの男性にドバイにおけるティアトル受容の現状について、特にゴアからの公演招聘の手順を中心にインタビューを行った。第二回目の調査もゴアとドバイで行った。ゴアでは、ティアトルにおける身体動作を中心に俳優にインタビューを行い、ドバイでは、ティアトルの公演場所の調査を行った。本年度後半は、南アジアにおける演劇関連図書の収集・レビューを継続するとともに、調査成果のまとめを行った。その一部を日本文化人類学会、「宗教と社会」学会(2007年6月)と国立民族学博物館共同研究「キリスト教文明とナショナリズム-人類学的考察」研究会(2008年3月)で発表した。