著者
春日 直樹
出版者
日本文化人類学会
巻号頁・発行日
pp.98, 2018 (Released:2018-05-22)

近年の人類学では、身体と精神、自然と文化、人間と非人間などの西洋近代的な二分法を批判する代替的なアプローチがいくつも提起されてきた。本発表ではメラネシアの主にパプアニューギニアの民族誌に依拠して、ローカル・ノレッジをつうじたあたらしい二分法を提起する。「みえるもの」「みえないもの」というそれによって、(1)「私」という意識と物理世界との関係を呈示し直し、(2)人間の記号活動と対称性の論理とを関連づけ、(3)「呪術」についての新解釈を提起する。
著者
岡崎 彰 吉岡 政徳 春日 直樹 大杉 高司 慶田 勝彦
出版者
くにたち人類学会
雑誌
くにたち人類学研究 (ISSN:18809375)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.69-138, 2008

人類学バトル (一橋大学, 2007年10月7日)はじめに / 岡崎彰問題提起 / 吉岡政徳駁論 / 春日直樹提起再論 / 大杉高司再駁論 / 慶田勝彦場外バトル
著者
春日 直樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.162-177, 1984-09-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
42

ルソーの疎外・ユートピア論は、人間の対他性を軸にして展開される。対他存在である人間は、ここから生じる決定的問題を社会において解決すべく義務づけられている。それは、比較や差異化がもたらす<自己の表示><他者による評価>の間の不一致という問題である。疎外とは、この問題が社会的評価への一方的依存により封じ込められた解決であり、またユートピアとは、問題が良心への忠誠と「一般意志」への服従とによって克服された解決である。しかしルソーは疎外の克服を確信することも、その具体的な道を示すこともしていない。対他性の問題は、これを存在の一部として背負いつづける人間が刻々己れで体験し解決していくしかない。ただ、彼が「良心」に従い「心と心の交流」を実現させるかぎり、疎外克服の道は他者との間につねに開かれている。そしてこの実践こそ、ルソー理論そのものを対他存在としての「告白」に変えるのである。
著者
小泉 潤二 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 石川 登 花渕 馨也 春日 直樹 中川 敏 栗本 英世 中川 理 石川 登 花渕 馨也 松川 恭子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、トランスナショナルな、つまり国家、国民、民族を超える現代世界の動態的現象を人類学的に把握し分析するために、「境界」に生まれるもの、つまり境界の生産性に着目した。中米、アフリカ、東南アジア、オセアニア、ヨーロッパなど各地で現地調査を実施して経験的資料を集め、国家や民族やモダニティなど多様な要因により複雑に構築される境界の理解を進めるとともに、その境界を越える人やモノの流れの現実を明らかにした。
著者
春日 直樹 小泉 潤二 中川 敏 栗本 英世 田辺 明生 石井 美保 森田 敦郎 中川 理
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は「社会的なもの」の構築過程をラディカルに再検討して、社会的なものと自然的なものとを同一水準で論じる方法を探求した。「社会」と「自然」が概念と実在としていかに一緒に構築されていくのかを問い、因襲的な二分法を超えるような諸関係と状況について、またそうした状況下でさまざまな存在がいかに生成するかについて、明らかにした。本研究は最終的に、人類学・科学技術研究・科学史・哲学が融合する次元を提供し、それによってあらたな実在の可能性と生成に寄与することを目指した。