- 著者
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比嘉 理麻
- 出版者
- 日本文化人類学会
- 雑誌
- 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第55回研究大会 (ISSN:21897964)
- 巻号頁・発行日
- pp.C18, 2021 (Released:2021-10-01)
本発表では、沖縄県名護市辺野古の基地建設の進行にともなって、熾烈化する抗議行動の最前線で、機動隊や海上保安庁の暴力により心身に傷を負い、抗議に行けなくなった人びとが、新たに勝負できる領域を模索するなかで見出した、<生き方としての基地反対運動>でも呼びうる動きを積極的に掬いあげる。現在生まれつつあるのは、狭義の政治運動におさまるものではなく、むしろ、政治の限界を踏み越えて、<生き方>と接続される基地反対運動である。本発表では、従来の「政治運動」で傷ついた人びとが、口にするようになった「これは、政治じゃない」という言葉に耳を傾け、基地反対運動を「非政治化」し、より広い領域を巻き込みながら、自らの<生き方>として展開する新たな基地反対-環境運動を理解することを目指す。