著者
松本 雅行 河田 智太郎 永次 由英
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1103-1112, 2002-12-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Many private railways and municipal railways in Japan use the Automatic Train Control (ATC) system as their train protection system. This system has the function to transmit the permitted speed, determined by the position of the preceding train, through the track circuit and indicate that speed in the driving cab and the function to apply brakes according to the permitted speed. Since this system applies brakes in several stages until the train reaches a halt, the application and release of brakes at each speed stage causes a loss and it is impossible to shorten the headway between two trains.We have developed a new system where the ground equipment transmits the stopping point only and the train is controlled autonomously based on the stopping point information. This system, called D-ATC hereafter, enables shorter train headways than the existing ATC with multi-stage braking. A prototype of this system was build and tested using an actual train in order to judge whether its commercial use is possible. This paper describes the proposal of D-ATC and results of the test runs.
著者
松本 雅行
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.127, no.11, pp.461-466, 2007-11-01 (Released:2007-11-01)
参考文献数
8
被引用文献数
3

“Security” and “Stability” are an important pair in transport by rail, and to be important with both. Recently railway system supporting this becomes gigantic and becomes complicated. It means that it goes without saying that sensing technology is necessary to move these precisely.In this paper sensing technologies used for various fields of a railroad are described.
著者
松本 雅行
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.664-671, 2000-11-25
被引用文献数
3

首都圏の高密度線区である山手・京浜東北線の保安装置として, 1982年に導入されたATC(自動列車制御装置)の老朽取り替えに際し, 従来のATCと抜本的に異なるデジタル信号を用いた新しい列車制御システムを開発した.本システムは, 現行のATCが持つ課題であった輸送密度の向上, 車両性能向上への追随, 運転操縦性の改善, 地上設備のコストダウンなどを実現したシステムである.さらに, システム境界箇所における切換やシステム使用開始時などにいくつかのアシュアランス技術を用いて, 施工数の軽減, システム改修の極小化、コストダウンなどを図っている.本稿では, 新しい列車制御システムにおけるアシュアランス技術を紹介する.
著者
松本 雅行 森 欣司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.14-22, 2003-01-01
参考文献数
17
被引用文献数
5

高密度運転線区の列車制御システムにおいては,高輸送力,高安全性,高信頼性が求められる.従来は,固定した区間ごとに列車の存在を検知し,そこに列車を進入させるかどうかの判断により,各列車の速度を地上の集中制御装置で求め,それを各列車の自動列車制御装置 (ATC) に指示していた.このため,高密度輸送は難しかった.本論文は,各列車が,自らの位置検知を行い,地上からは停止する位置のみを列車に伝送し,それに基づく列車速度の決定と制御を自律的に行う自律分散型 ATC システム (D-ATC) を提案した.更に,システム全体の運行を妨げず,D-ATC をもつ列車の段階的投入と,既存の ATC をもつ列車とを共存させながらのオンライン稼動中のテストを保証するアシュアランス技術を提案した.段階的投入に対する二つの方式として,車上統合/車上分離技術を示し,これらをアシュアランス性の面から評価した.この結果をもとに,JR 東日本の山手・京浜東北線用の列車制御システムで実用化した.
著者
大澤 護 及川 和隆 河田 智太郎 松本 雅行 田代 維史
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.327-330, 2000-12-12

One of the primary aims of Digital ATP (Automatic Train Protection System) for JR's Tokyo metropolitan commuter line is to expand the transportation capacity. Traffic simulation showed strong durability of the ATP against disrupted train schedule. Basic performance is provided by assured braking and non-insulated track circuit. Furthermore, re-scheduling gives higher efficiency of recovering from disruption.
著者
松本 雅行 北村 知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.143, pp.37-44, 2000-06-16
被引用文献数
3

JR東日本では、山手・京浜東北線の保安装置であるATC装置の老朽取替に伴い、現行のATCとは抜本的に異なる車上主体形の新しいATC(デジタルATC ; D-ATC)の開発を行った。D-ATCの開発に当たっては、安全性の確保を前提としつつ、その中でより稼働率を高めるために、いくつかのアシュアランス技術を用いた。ここでは、D-ATCの開発の方向と、そこで用いられているアシュアランス技術について述べる。
著者
松本 雅行
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.336-344, 2004-07-01

首都圏の高密度線区である山手・京浜東北線に,従来のATCと抜本的に異なる技術を用いた新しい列車制御システムを2003年12月に使用開始した.この新しい列車制御システムにおけるアシュアランス技術を以前本誌で紹介したが,本稿では,従来システムを運転しながら新システムのテストを行うことのできるオンラインテストとアシュアランスとの関係に焦点を当てて説明する.D-ATCに取り替える場合,新旧の異種のニーズを持った2つの列車制御システムを共存させ,段階的にシステムを拡張していくときの課題を明らかにし,アシュアランス技術によるこれらの課題の解決技術を提案した.D-ATCの車上システムとして車上統合型システムと車上分離型システムを提案し,現行システムからそれぞれへの取り替えにおける,テストのアシュアランス度を比較検討し,テストのアシュアランス度を高めるためのシステム構築技術を紹介する.