著者
松田 美佐
出版者
たばこ総合研究センター
雑誌
TASC monthly (ISSN:13456377)
巻号頁・発行日
no.472, pp.14-19, 2015-04
著者
松田 美佐
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.167-179, 2001
被引用文献数
4 4

In this paper, I investigate how university students use mobile phones, mobile-mail (e-mail via mobile phone) and e-mail via PC. In particular, I examine the usage of mobile phones in comparison with the results of similar research done in 1999. The major. findings are as follows : (1) As in thel999 research, the most important aspect, of a mobile phone for men is that it, is their own private line; for women, that it is a means of security. (2) People who use the caller-ID service as a basis for answering calls depend more on their mobile phones, and keep more selective relations with friends. (3) Generally, students use mobile-mail more than e-mail via PC. Women use mobile-mail more than men and men use e-mail more than women. (4) Since 1999, the use of mobile-mail has become more common among students, and they select mobile-mail as their means of communication in many situations. (5) Compared with people who use both mobile-mail and e-mail, people who use only mobile-mail are not good at using PCs and the Internet and feel them to be difficult to use. Those who use only mobile-mail tend to be freshmen and sophomores. (6) Heavy users of mobile phones and mobile-mail tend to be sociable, but this was not found with heavy PC e-mail users. 本稿は2001年5,6月に関東の2大学と関西の2大学でおこなった携帯電話利用についての質問紙調査の結果を報告するものである。筆者を含めた研究グループでは1995年以来インタビュー調査や質問紙調査によって携帯電話やPHS 、ポケベルなど移動体、メディアの利用実態を明らかにすると同時に、それらのメディアが人々のコミュニケーションや人間関係、社会に与える影響を考察してき(たとえば、松田,1996:富田ほか,1997:松田ほか,1998:松田,2000)。それらの研究の延長上にある今回の調査は、多機能化し、普及が進む携帯電話の利用実態を明らかにすると同時に、より直接的には1999年5-6月に関東と関西の大学生を対象として行った質問紙調査との比較検討を目的としている。 1999年におこなった調査では、携帯電話利用者は非利用者と比べるとより社交的であること、携帯電話は男性にはより「個人専用の連絡手段」として、女性にはより「安心のためのメディア」して利用される傾向があること、文字通信機能は男性より女性が頻繁に利用する傾向があり、かつ女性の方が状況に応じてメディアを使い分けをおこなう傾向があること、携帯電話のヘビーユーザーはより社交性が高く、携帯電話を用いて「つきあう相手」をより選択する傾向があること、発信者番号表示を用いて通話相手の選別をおこなう人は、より携帯電話に依存する傾向があり、機械親和性やイノベーター度が高いこと、対人関係一般はより選択的であり、家族に対しても心理的距離をより感じていること、携帯電話利用者にとって「人間関係は大切」であり、携帯電話は友人との関係を保つ上で必需品と位置づけられているが、一方では他人に煩わされたくないという志向も高いことなどの傾向がみられた(岡田ほか,2000)。 これらの知見を踏まえ、まず、性別と利用頻度による利用状況の違いを99年調査と比較しながらまとめた上で、次に、iモードなどインターネット接続可能な携帯電話端末の普及により広がっている文字通信機能の利用状況とパソコンを経由しての電子メールの利用状況に焦点をあてて、調査結果を報告することとする。
著者
松田 美佐
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.129-135, 2004-08-01
参考文献数
44

本稿では,監視社会化が進みつつある中,急増するカメラ付きケータイの「位置」を探ることを目的とする.カメラ付きケータイは個人的な「楽しみ」のために利用されているものの,監視システムがネットワーク化,データベース化する中で,結果として,監視のための「端末」となる可能性をもっている.そこで,監視カメラの遍在する現状を紹介しながら,今日的な監視システムをとらえるには相互監視モデルが有効であることを示した上で,そのようなシステムの拡がりを,「安全」「信用」「配慮」という三つのキーワードで分析し,カメラ付きケータイが占める「位置」を模索する.
著者
吉井 博明 松田 美佐 羽渕 一代 土橋 臣吾 石井 健一 辻 泉 三上 俊治
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

日韓台の携帯電話及びインターネットの利用実態を調査した結果、日韓台ともにほぼ同じ頃に急速に普及したという点では同じであるが、その利用形態には大きな違いがみられることを実証することができた。また、これらの通信メディアの使い分けは、各国・地域のコミュニケーション文化を色濃く反映する「通信文化」と呼ぶべきものが存在し、それに強く規定されていることがわかった。たとえば、韓国では、携帯電話を通話に使うことが非常に多く、日本では通話よりメールがよく使われている。この背景には、親しい人への連絡手段の選択に際して、相手が置かれている状況への配慮をどの程度すべきかというコミュニケーション文化の違いがある。韓国の場合は、「ウリ」と呼ばれる親しい集団の間では、遠慮をすることがあってはならないという文化があり、通信手段の選択に関しても遠慮しないことが求められ、その結果、リッチネスが高いメディアである、通話が積極的に使われる。これに対して日本では、親しい人への連絡に際しても、相手への配慮を欠いてはいけないとする「抑制」のコミュニケーション文化があり、このためメールが多用されるのである。また、日台の携帯電話利用の比較をしてみると、もっとも大きな違いは、利用の効用として「家族とのコミュニケーションが増えた」ことをあげる人の割合が日本では少ないのに対して、台湾では非常に多いことがあげられる。携帯電話利用がその社会でもっとも親しい集団の凝集力を強化する働きがあるという点では共通しているが、それがどの集団化ということになると、台湾では家族であり、日本ではふだんよく会う友人集団、韓国では「ウリ」という仲間集団ということになるのである。以上述べたように、日韓台の比較調査により、それぞれの国や地域に固有な通信文化が存在し、それが携帯電話を含む通信メディアの使い分けを規定していることがわかった。