著者
松脇 由典
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-52, 2013 (Released:2013-04-27)
参考文献数
9
著者
松脇 由典
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.282-286, 2014-07-25 (Released:2018-02-13)
参考文献数
23

アレルギー性鼻炎を有する患者の54~67%が嗅覚低下(嗅覚脱失,嗅覚低下)を自覚し,21~45%で嗅覚検査の有意な閾値上昇を認める.嗅覚障害の原因疾患別には鼻副鼻腔炎,感冒罹患後,頭部顔面外傷後の次に頻度が多い.アレルギー性鼻炎の嗅覚障害は,鼻粘膜の肥厚や鼻汁過多に伴う鼻閉によるいわゆる呼吸性嗅覚障害がメインで,既存のガイドラインでの治療法の選択は,少なくとも中等症以上の鼻閉型または鼻閉を主とする完全型が適応となる.比較的予後良好とされ,適切な治療により改善しうる病態と考えられている.
著者
森 恵莉 松脇 由典 満山 知恵子 山崎 ももこ 大櫛 哲史 森山 寛
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.12, pp.917-923, 2011 (Released:2012-01-28)
参考文献数
20
被引用文献数
5 12

現在日本で保険適応のある嗅覚検査には, 基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査の二種あるが, 基準嗅力検査は実施率, 普及率ともに低く, 静脈性嗅覚検査は疼痛を伴う検査であり患者への侵襲が高い. 嗅覚同定能検査の一つとして開発されたOpen Essence (以下, OE) は, 現在医療保険の適応はないが, その臨床的有用性が期待されている. 今回われわれは嗅覚障害患者に対するOEと自覚症状, 基準嗅力検査, および静脈性嗅覚検査との比較検討を行った. 当院嗅覚外来患者のうち, 嗅覚の評価が可能であった122例を対象とした. OEスコアと基準嗅力検査, 静脈性嗅覚検査, また嗅覚障害に対する自覚症状としてのVisual Analog Scale (VAS) と日常のにおいアンケートとの間にはそれぞれ有意な相関を認めた. また静脈性嗅覚検査において嗅覚脱失を認めた群はOEの正答率が有意に低かった. OEは従来からの検査法である基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査および自覚症状をよく反映するため, 一般臨床において広く利用可能な嗅力検査であると考える. なお, OEに含まれるメンソールは詐病を見破れるものとして必要と考えるが, 嗅力を判定する際にはこれを除いて検討する方が良いかもしれない.
著者
松脇 由典 大櫛 哲史 中山 次久
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究で、副鼻腔粘膜(鼻茸)局所における総・特異的IgEの産生亢進は、好酸球性鼻副鼻腔炎(ECRS)において認め、それらは有意に局所ECP量と相関しており(真菌>ダニ>SE)、好酸球炎症を誘導している可能性が示唆された。 また真菌アルテルナリアが分泌するアスパルテートプロテアーゼはヒト気道上皮細胞に対しPAR-2を介して刺激し、細胞内カルシウムの上昇およびサイトカイン産生を誘導することを明らかにした。 さらにECRSの上皮および局所浸潤した好酸球ではPAR-2の発現が上昇していることを明らかにした。
著者
中山 次久 小森 学 高柳 博久 米本 友明 松脇 由典
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.82-91, 2008 (Released:2009-09-17)
参考文献数
25
被引用文献数
2

アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎 (AFRS) は真菌に対するI型・III型アレルギーにより発症し, 副鼻腔粘膜や鼻茸中に著明な好酸球の浸潤をきたす再発率の高い難治性鼻副鼻腔炎である。欧米ではAFRSの頻度は慢性鼻副鼻腔炎と診断され手術に至った症例のうち4~10%程度と報告されているが, 本邦では現在のところ多くが症例報告であり, 有病率に関しての検討は松脇らの3.9%との報告にとどまっている。そこで本邦におけるAFRSの有病率を調査するため, 2006年4月から2007年3月までに富士市立中央病院を受診し, 鼻副鼻腔炎の診断をもとに内視鏡下鼻内手術を施行した症例を対象として検討を行った。対象症例は50症例で, 米国アレルギー喘息免疫学会 (AAAAI) 等の定めた鼻副鼻腔炎に対するガイドラインの分類にのっとり診断した。診断結果は急性化膿性鼻副鼻腔炎 (ABRS): 2例, 鼻茸を伴わない慢性鼻副鼻腔炎 (CRSsNP): 19例, 鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎 (CRSwNP): 25例, AFRS: 4例であった。また, 50例中真菌性鼻副鼻腔炎は11例で認め, 慢性非浸潤性 (sinus mycetoma): 7例, AFRS: 4例であった。以上よりAFRSは手術に至った慢性鼻副鼻腔炎48例中8.3%で認められた。本邦においても欧米とほぼ同等の頻度でAFRS症例が存在することが確認され, 今まで難治性鼻副鼻腔炎として治療を行っていた症例の中にAFRS症例が存在する可能性が示唆された。
著者
松脇 由典
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.48-50, 2012 (Released:2012-05-22)
参考文献数
7