著者
小林 望 関口 正宇 斎藤 豊
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.75, no.10, pp.417-423, 2022 (Released:2022-10-28)
参考文献数
15

COVID-19パンデミックにより,がん検診は世界的に停滞した.わが国においても第1回緊急事態宣言の発令に合わせて多くの施設でがん検診が中断され,受診者数は1~2割程度減少したとされているが,正確な数字は把握できていない.一方海外では,元々検診受診者の情報が個別に管理されており,パンデミック下での受診者数の減少や精密検査のキャパシティー低下などのデータを迅速かつ正確に把握し,それをシミュレーションモデルを用いて解析することによって,根拠のある対応策を打ち出している.2020年の院内がん登録の集計結果からも,検診で発見された大腸がん患者数は減少しており,また発見がんも早期の割合が減少していた.このことが長期的にどのような影響を及ぼすのか,それを防ぐにはどのような対策を講じるべきなのかを議論する上で,国レベルで全国民のデータ集積を行う体制作りが急務である.
著者
伊藤 早苗 林 望 西村 慎太郎 浅田 徹 内田 保廣 田中 大士 谷川 惠一 井黒 佳穂子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-16, 2015-10-16

●メッセージ「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」への期待●研究ノート仁和寺旧蔵古活字版『魁本大字諸儒箋解古文真宝(後集)』について近代茨城のジャーナリスト・長久保紅堂の「発見」――連携研究「大震災後における文書資料の保全と活用に関する研究」と茨城史料ネット――「国文学論文目録データベースの、あまりよく知られていないこと●トピックス第8回日本古典文学学術賞受賞者発表第8回日本古典文学学術賞選考講評文部科学省における当館大型プロジェクトの展示第39回国際日本文学研究集会日本学術会議と公開シンポジウムを共催第1回日本語の歴史的典籍国際研究集会「可能性としての日本古典籍」総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況
著者
林 望
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.78, no.15, pp.294-302, 2000-12
被引用文献数
1
著者
藤原 由紀子 町田 治彦 田中 功 福井 利佳 平林 望 白石 くみ子 岸田 弘美 森 恵美子 増川 愛 上野 惠子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1166-1172, 2010 (Released:2012-04-21)
参考文献数
10

背景および目的: 64列multidetector-row CT(MDCT) 心臓検査は, 非侵襲的に冠動脈の詳細な形態評価が可能であるが, 放射線被曝による発癌リスクの増加が問題視されている. これに対し, 被曝低減技術の活用と画質劣化の回避のため, しばしば, β遮断薬経口投与による心拍数の低減が図られる. 今回, われわれは, 本検査の安全性の評価と合理的なワークフロー確立のため, β遮断薬投与後の心拍数の経時的変化と検査前後の血圧変動について検討した.方法: 対象は, β遮断薬経口投与下に64列MDCT心臓検査前を施行した連続551例. 投与前, 投与後15~90分, 撮影直前の心拍数と投与前と撮影直後の血圧を測定し, 投与前心拍数に応じた最低心拍数到達時間, 心拍数, および血圧低減率, ならびに心拍数40bpm以下の高度徐脈, 急激な血圧低下に伴うショックなどの重篤合併症の出現頻度を検討した.結果: β遮断薬投与後, 心拍数は経時的に低下し, 最低心拍数到達時間は, 投与前心拍数80bpm未満で60分, 80~89bpmで75分, 90bpm以上で90分であり, 心拍数低減率(最低心拍数)は, 投与前心拍数70bpm未満で16.4%(54.9bpm) , 70~79bpmで20.3%(58.2bpm), 80~89bpmで24.4%(62.9bpm), 90bpm以上で27.7%(69.5bpm)であった. 血圧低減率は, 収縮期血圧において, 80bpm未満で4.3%, 80~89bpmで5.0%, 90bpm以上で4.8%, 拡張期血圧においては70bpm未満で0.7%, 70~79bpmで1.5%, 80~89bpmで1.0%, 90bpm以上で2.8%であった. また, 本剤投与による重篤な合併症はなかった.結論: β遮断薬経口投与下MDCT心臓検査は安全に遂行可能であった. また, 投与前心拍数に応じた心拍数の経時的低減効果が判明し, 検査の流れの予測が可能となった. 今後, これらを踏まえ患者の不安の軽減や待機時間の短縮などに生かしていきたい.
著者
斎藤 豊 松田 尚久 中島 健 坂本 琢 山田 真善 斎藤 彰一 池松 弘朗 和田 祥城 岡 志郎 河野 弘志 佐野 寧 田中 信治 藤井 隆広 工藤 進英 浦岡 俊夫 小林 望 中村 尚志 堀田 欣一 堀松 高博 坂本 直人 傅 光義 鶴田 修 樫田 博史 竹内 洋司 町田 浩久 日下 利広 吉田 直久 平田 一郎 寺井 毅 山野 泰穂 金子 和弘 山口 裕一郎 玉井 尚人 中野(丸山) 尚子 林 奈那 岩館 峰雄 石川 秀樹 吉田 茂昭 The Japan NBI Expert Team (JNET)
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.2314-2322, 2016 (Released:2016-11-20)
参考文献数
14

現時点で日本から提唱されている大腸NBI拡大分類(佐野分類,広島分類,昭和分類,慈恵分類)の臨床研究の結果から,大腸病変における質的・量的診断に対して,NBI拡大観察の有用性が数多く報告されている.また欧米と日本の共同グループから非拡大でも使用可能な分類としてNICE分類が提唱された.学会・研究会で討論を重ねるに従い,ⅰ)同一類似所見に対して複数の定義呼称が存在する,ⅱ)拡大内視鏡分類におけるSurface patternの必要性の有無,ⅲ)隆起型,表面型病変におけるNBI所見の相違などの問題点が議論されるようになった.2011年,この問題を解決するべく,大腸拡大NBI統一分類作成を目的とするThe Japan NBI Expert Team(JNET)が吉田茂昭先生の声かけのもと結成され,国立がん研究センターのがん研究開発費の班会議で検討が行われた.まずワーキンググループが結成され,JNET分類の元となるスケールが形成され,会議で了承を得た.このJNETスケールを元にWeb-baseでVessel pattern, Surface patternの診断精度を検討し,単変量・多変量解析の結果を基に議論を重ねたのち,2014年6月大腸拡大NBI統一分類がmodified Delphi methodによるコンセンサスを得て提唱されるに至った.JNET大腸拡大NBI分類はVessel pattern, Surface patternのカテゴリーからなるType 1,2A,2B,3の4分類に分類される.Type 1は過形成性ポリープ,Type 2Aは腺腫~低異型度癌(Tis),Type 2Bは高異型度癌(Tis/T1a),Type 3は高異型度癌(T1b~)の病理所見に相関する.所見の目合わせに関して現在班会議,日本消化器内視鏡学会附置研究会において議論を重ねている段階である.