著者
宮本 真吾 石川 秀樹 若林 敬二 酒井 敏行 武藤 倫弘
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.29-33, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
25

要約:症例対照研究やコホート研究ではアスピリンの常用者は大腸がんの発生頻度が低いことが多数報告されている.ランダム化比較試験においても,アスピリンは大腸がんの前がん病変である腺腫の発生を予防することがメタ解析レベルで示されている.大腸がんに関しては,これまで明らかではなかったが,アスピリン介入試験の終了後,長期間追跡すると大腸がんの発生を抑制することが示された.以上は欧米のデータであるが,日本でもアスピリンを用いた大腸がん予防を目的とした2 つの二重盲検無作為割付試験が報告されており,現在ではアスピリンの実用化に向け,最適化に関する大規模試験が行われている.本稿では,アスピリンの大腸がん予防介入試験の現状を紹介するとともに,アスピリンの標的として可能性のある血小板と大腸がんとの関連性について考察する.
著者
石川 秀樹
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

(1)大規模集客施設の現状や催事の分析など、施設や催事への医療支援に関する事項近隣の大規模集客施設の医療対応状況を調査し、各施設での傷病者数とその内容、治療状況、施設ごとの特性(医寮対応能力など)を明らかにした。結果公開に同意を得た野球場の状況を論文にまとめた(KJM 2007;56:85-91)が、野球場の医療対応に関する論文は本邦初で海外でも稀少である。催事に合わせ開催場所近隣の医療機関に救急医療対応を文書で依頼する「慣習」を分析し、催事内容や主催者の医療に対する考え方を論文にまとめた(JJDM 2005;10:10-18)。Mass-gathering medicineをこのような観点で捉えた報告は国内外を通じ皆無で、催事参加者、とくに観客の安全担保が不十分な国内の催事事情が判明し、実効性のない文書のみの医療対応要請を廃して主催者/施設責任者と医療機関双方でより具体的な準備を行うための貴重な資料となった。(2)教育体制や医療従事者側の意識向上など、傷病者への医療対応に関する事項大規模集客施設の救急医療需要に対応する医療者側の意識向上も不可欠で、研究代表者所属機関で一層の院内教育充実を図り、新規入職者(医療職・事務職すべて)への災害医療講演、初期臨床研修医への災害医療に特化したoff-job training(OJT)、医学部学生への講義、などを実施した。とくに0JTは教育対象者から好評で、その内容を学会で発表した。(3)現時点での本研究に対する評価と今後の展開以上の研究姿勢が評価され、研究代表者は平成19年度から都医師会の救急委員を委嘱されたため、行政側・消防庁などの諸機関と一層の連携強化を図った。本研究の成果に今後の分析を加え、都が誘致中の2016年夏季オリンピックを含む、さらに大きな催事への医療対応システムの確立を目指し、国内で恒常的に開かれる催事での参加者の安全確保に努める。
著者
河野 敦子 石川 秀樹 中村 富予 河野 公一
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.422-446, 2010 (Released:2010-05-27)
参考文献数
118
被引用文献数
6 7

Enviromental factors have been consistently associated with colon cancer risk. In particular, consumption of Western-style diet including red meat is the most widely accepted etiologic risk factor. It has been reported that dietary factors change the proportion of intestinal flora, and it also affects the composition of fecal bile acids and the intestinal activity of some mutagens. In addition, it was suggested that modulating the composition of intestinal flora may reduce the occurrence of colorectal cancer. In this review, we present the clinical studies on the association between intestinal flora and the risk of colorectal cancer that have been carried out to date. The clinical studies of intestinal bacteria related to colorectal cancer risk have not shown consistent results so far, compared with the accomplishments of some basic studies. On the other hand, it was suggested in some clinical studies that lactic acid bacteria reduce the occurrence of colorectal cancer.
著者
斎藤 豊 松田 尚久 中島 健 坂本 琢 山田 真善 斎藤 彰一 池松 弘朗 和田 祥城 岡 志郎 河野 弘志 佐野 寧 田中 信治 藤井 隆広 工藤 進英 浦岡 俊夫 小林 望 中村 尚志 堀田 欣一 堀松 高博 坂本 直人 傅 光義 鶴田 修 樫田 博史 竹内 洋司 町田 浩久 日下 利広 吉田 直久 平田 一郎 寺井 毅 山野 泰穂 金子 和弘 山口 裕一郎 玉井 尚人 中野(丸山) 尚子 林 奈那 岩館 峰雄 石川 秀樹 吉田 茂昭 The Japan NBI Expert Team (JNET)
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.2314-2322, 2016 (Released:2016-11-20)
参考文献数
14

現時点で日本から提唱されている大腸NBI拡大分類(佐野分類,広島分類,昭和分類,慈恵分類)の臨床研究の結果から,大腸病変における質的・量的診断に対して,NBI拡大観察の有用性が数多く報告されている.また欧米と日本の共同グループから非拡大でも使用可能な分類としてNICE分類が提唱された.学会・研究会で討論を重ねるに従い,ⅰ)同一類似所見に対して複数の定義呼称が存在する,ⅱ)拡大内視鏡分類におけるSurface patternの必要性の有無,ⅲ)隆起型,表面型病変におけるNBI所見の相違などの問題点が議論されるようになった.2011年,この問題を解決するべく,大腸拡大NBI統一分類作成を目的とするThe Japan NBI Expert Team(JNET)が吉田茂昭先生の声かけのもと結成され,国立がん研究センターのがん研究開発費の班会議で検討が行われた.まずワーキンググループが結成され,JNET分類の元となるスケールが形成され,会議で了承を得た.このJNETスケールを元にWeb-baseでVessel pattern, Surface patternの診断精度を検討し,単変量・多変量解析の結果を基に議論を重ねたのち,2014年6月大腸拡大NBI統一分類がmodified Delphi methodによるコンセンサスを得て提唱されるに至った.JNET大腸拡大NBI分類はVessel pattern, Surface patternのカテゴリーからなるType 1,2A,2B,3の4分類に分類される.Type 1は過形成性ポリープ,Type 2Aは腺腫~低異型度癌(Tis),Type 2Bは高異型度癌(Tis/T1a),Type 3は高異型度癌(T1b~)の病理所見に相関する.所見の目合わせに関して現在班会議,日本消化器内視鏡学会附置研究会において議論を重ねている段階である.
著者
山崎 光悦 韓 晶 石川 秀樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.64, no.620, pp.1077-1083, 1998-04-26
参考文献数
11
被引用文献数
9 7

The crushing behavior of cylindrical shells subjected to an axial impact force is studied by FEM, and a comparison between numerical results and theoretical predictions as well as a qualitative comparison between numerical estimates and experimental results are made and discussed. Moreover, a crashworthiness maximization technique for shell structures is developed and applied to the axial crushing problem of cylindrical shell. In the program system presented in this study, an explicit finite element code, DYNA3D is adopted for simulating complicate crushing behavior of shell structures. The response surface approximation technique is applied to construct an approximated design sub-problem in the preassigned design space by using the technique of design-of-experiment. The approximated sub-problem is solved by the usual mathematical programming technique. These optimization processes is repeated until the given convergence conditions will be satisfied.
著者
石川 秀樹 大谷 悦久 梶山 正明 真梶 克彦 高橋 宏和 仲里 友一 濱本 悟志
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.61-81, 2002-03

氷河性海面変動に伴う更新統の海成層である千葉県北部の下総層群木下層(12 ~13 万年前)から寒流系および暖流系の貝化石が多産する。中学3 年の課題研究として、選択者に地層から貝化石を採集させ、化石に関する基本的な作業および考察を行わせた。 …
著者
森村 尚登 櫻井 淳 石川 秀樹 武田 宗和 泉 裕之 石原 哲 有賀 徹
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.9, pp.921-929, 2008-09-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
8

背景:市民が傷病の緊急性を判断するにあたり医学的な観点で看護師及び医師が24時間体制で相談に応じ,救急車要請適応の判断や症状に応じた口頭指導や受診科目・医療機関情報を提供するため,2007年 6 月に救急相談センター(受付番号#7119,以下救急相談センター)が開設された。目的:本研究の目的は,緊急度判断のプロトコールに基づく電話救急医療相談の現状と課題について検討することである。方法:予測し得る相談対象者の主訴ごとに90のプロトコールを作成した。緊急度のカテゴリーは,(1)救急車要請を必要とする病態(赤),(2)救急車要請の必要はないと判断できるが,少なくとも1時間以内の緊急受診を必要とする病態(橙),(3)6 時間以内を目安とした早期受診を必要とする病態(黄),(4)当日ないし翌日日勤帯の病院受診を必要とする病態(緑)の 4 段階とした。開始後 3 か月間の交信記録を集積して検討した。結果: 3 か月間の相談件数6,549件中プロトコール使用率は75.7%で,小児の発熱,小児の頭頸部外傷,異物誤飲の順に使用頻度が高かった。プロトコールに従った緊急度判断は,赤 24.6%,橙 29.4%,黄 23.7%,緑 22.4%であった。諸因子を勘案して最終的に赤と判断した925例中救急車搬送は786例で,うち病院初診時重症度が判明した673例中の30.9%が緊急入院していた。結論:赤カテゴリー以外の判断は結果として救急車需要増加の対応に寄与したと考えられ,他方赤カテゴリーと判断した症例のうち緊急入院を要した症例が存在したことから,プロトコールに基づく緊急度判断が緊急性の高い患者の早期医療機関受診に寄与したといえる。プロトコール導入によって対応が標準化され,相談者の受診行動に影響を与えたと考えられるが,今後はデータ集積を継続し更なる検討が必要である。