著者
柏 達也 辻 寧英
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.3, pp.322-329, 2022-03-01

5G(第5世代)高速通信を支える基幹技術の一つとなるのが従来に比べ非常に高い周波数帯であるミリ波帯の利用である.また,5Gによる自動運転,遠隔医療,ローカル5Gの実用にはミリ波技術が重要となる.最近の3Dプリンタの急速な高性能化は従来の解析的な設計手法のみならず,トポロジー最適化といわれる素子構造最適化問題により得られた高性能素子の実用化を可能にしている.このトポロジー最適設計においては様々な手法が提案されているが,現在,最も注目を集めている手法は人工知能の一つである発見的最適化手法であり,それによる素子性能最適化に関する研究が重要である.従来の手法に比べ解析の高速化及び素子の高性能化の実現が重要なポイントとなる.本論文ではミリ波伝送線路の一つであるNRDガイドのトポロジー最適設計による素子性能向上について報告する.
著者
千葉 修 柏 達也 霜田 英麿 鏡 愼 深井 一郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.551-562, 1993-08-01
被引用文献数
23 4

3次元時間領域における音場解析は定常解だけでなく過渡解やパルス応答が容易に得られ、フィールド分布など系の特性把握に有効である。本論文では、この3次元時間領域音場解析の一つとして従来の差分法とは異なるリープフロッグアルゴリズムに基づく時間依存差分法による音場解析を試みた。ここでは、音場解析のための本手法の定式化を3次元空間について行った。次に、表面インピーダンスを持つ境界条件の定式化を行いその妥当性を確認した。また剛体角柱による散乱定常解析から本定式化の妥当性を確認した。更に、表面インピーダンスが仮定された角柱と剛体角柱による散乱過渡解析を行い、本手法の散乱解析への有効性を示した。
著者
打矢 匡 柏 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1122-1125, 2001-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
25

スーパコンピュータは数T FLOPS/数百GByteの性能をもつに至っている.本研究では, 汎用的電磁界解析法であるFDTD法についてMPIを用いて並列型スーパコンピュータに対応した並列化を行い, その実行性能を調べた.
著者
中西 崇 佐藤 元裕 細矢 良雄 柏 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.189, pp.97-104, 1997-07-24
参考文献数
13

約1OGHz以上の周波数帯を用いた無線通信方式においては, 降雨減衰による伝送品質の劣化が大きな問題であり, その定量的評価か必要である. そのためには1分間降雨強度分布を知る必要があるが, 一般には長い積分時間でしか測定されておらず, 従って, 実際に測定されているn分間降雨強度分布から1分間降雨強度分布を推定する方法を確立する必要がある. 日本においては, M分布を用いると60分間降雨強度分布から1分間降雨強度分布を精度良く推定できることが示されている. 本論文は, この推定法を世界的に適用する可能性を検討したものである. さらに, 各地の気象パラメータを用いることによって, 1分間降雨強度分布の推定精度を向上させることができることを示している.
著者
川村 武 菅原 宣義 柏 達也 田口 健治
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

暴風雪悪視界下の車両のナビゲーションシステムをUHF帯RF-IDシステムを用いて構築することが本研究の目的であった。まずRF-IDタグをアスファルト道路中に埋めるための埋設方法を検討し,実用に供するに足る埋設方法を開発した。またUHF帯RF-IDタグの埋設間隔などのシステムの構築方法を屋外の計測実験より導き,実験道路にRF-IDタグを埋設し,実験を行った。誘導用のGraphical User Interface(GUI)をWindows Xp上に作成し,誘導実験を行った。またシステムに用いるアンテナの数を1個から2個に増やし,これに対応するGUIも作成した。屋外実験において,視界の良い天候でも,暴風雪悪視界の状況を再現するために実験車両の運転席前面のウィンドウにビニール製発泡梱包材をはり,前方が見にくい条件下で走行実験を行った。その結果,発泡梱包材をはった悪視界下でも車両を良好に誘導できた。700MHz帯でのRF-IDシステムの対応に備えて,同周波数の交差点等での電波伝搬に関するシミュレーション実験を行い同周波数帯の交信に関する知見を得た。