著者
斎藤 博之 山内 五郎 高井 健一 菅原 宣義 林 幸成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.342-348, 1998-03-25
被引用文献数
1

無線アンテナ等の通信装置に雪氷が付着して通信回線に問題が生じることがある.これを未然に防ぐためにはっ水材料の実用化が期待されている.本論文では, 高性能の塗料型はっ水材料による着雪氷の防止性能, 着氷が電波反射に及ぼす影響の軽減について検討を行った.結果は以下のとおりである.(1)水の接触角が150度, 氷の付着力が0.1kgf・cm^-2の新しいはっ水材料を開発した.(2)このはっ水材料を塗装したアルミニウム板では+1.5℃でも雪が明確な摩擦角を示した.(3)試料に着氷が生じている間, 電波反射には影響がなかった.(4)試料上の着氷が融解する際に, アルミニウム板やエポキシ樹脂を塗装したアルミニウム板では電波の反射強度は減少するが, はっ水材料を塗装したアルミニウム板では反射強度は減少しない.
著者
高橋 修平 佐々木 正史 大橋 鉄也 川村 彰 榎本 浩之 鈴木 聡一郎 高橋 清 亀田 貴雄 菅原 宣義 堀 彰 舘山 一孝 中山 恵介
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

研究課題について次のような成果を得た。(1)知床半島は海氷の流れに対して「せき止め効果」を持ち、北海道で最も長く海氷が接岸する。(2)知床峠の山間部では吹き払いによる無雪区間と5m以上の吹きだまり区間と地形に依存する積雪特性が得られた。(3)知床半島で陸生動物も入った栄養塩循環が確認された。(4)送電線がいしに海塩汚損と着氷による電力障害を観測し、低温実験室内でも再現できた。(5)雪氷環境と人間社会に関する様々な課題が研究された。
著者
小林 一義 佐々木 敦 菅原 宣義
出版者
釧路工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

送電線用碍子の絶縁特性は、その設置場所の気象条件や環境条件によって大きく変化する。その気象条件は地域による特徴があり、北海道東部の太平洋沿岸では、春から夏にかけて、北上する黒潮暖流と南下する親潮寒流のぶつかりによって、特有の海霧が出現し、また、秋には台風崩れの温帯低気圧の通過による海塩汚損がある。本報告書においては、大気中塩分の測定から海塩汚損の影響を調べ、また、海霧の影響を検討するために、タイムラプスビデオ装置を用いて海霧の出現・動向の観測を行った。その結果から、碍子の海塩汚損状況、その汚損と碍子の絶縁特性との関係、海霧の出現・動向、および、海霧が碍子の絶縁特性に及ぼす影響について述べている。結果を要約すると以下の通りである。(1)碍子の漏洩抵抗は、気温によって変化する湿度の影響が大きい。(2)濃霧の出現で湿度が高くなり、それで碍子表面が湿ると漏洩抵抗は低下する。(3)雨洗効果が働く前は、碍子表面の海塩付着が多く、そこへ濃霧が出現すると、その湿りによって漏洩抵抗は著しく低下する。
著者
川村 武 菅原 宣義 柏 達也 田口 健治
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

暴風雪悪視界下の車両のナビゲーションシステムをUHF帯RF-IDシステムを用いて構築することが本研究の目的であった。まずRF-IDタグをアスファルト道路中に埋めるための埋設方法を検討し,実用に供するに足る埋設方法を開発した。またUHF帯RF-IDタグの埋設間隔などのシステムの構築方法を屋外の計測実験より導き,実験道路にRF-IDタグを埋設し,実験を行った。誘導用のGraphical User Interface(GUI)をWindows Xp上に作成し,誘導実験を行った。またシステムに用いるアンテナの数を1個から2個に増やし,これに対応するGUIも作成した。屋外実験において,視界の良い天候でも,暴風雪悪視界の状況を再現するために実験車両の運転席前面のウィンドウにビニール製発泡梱包材をはり,前方が見にくい条件下で走行実験を行った。その結果,発泡梱包材をはった悪視界下でも車両を良好に誘導できた。700MHz帯でのRF-IDシステムの対応に備えて,同周波数の交差点等での電波伝搬に関するシミュレーション実験を行い同周波数帯の交信に関する知見を得た。