著者
柏端 達也 美濃 正 篠原 成彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

以下のことを遂行することにおいて課題に関するいくつかの成果を得た。すなわち、(1)色彩の存在論における投影説的見解に対する評価。(2)聴覚対象および嗅覚対象の存在論に対する、出来事意味論の観点からの、また共同知覚の観点からの検討。(3)いわゆる「共同注意」に関する体系的な哲学的概念分析。(4)知覚対象と知覚経験に関する可能世界的意味論に基づく理論化可能性の検討と評価。(5)知覚に関する表象説(志向説)のさまざまなヴァージョンに対する理論的評価。
著者
岡崎 文明 一ノ瀬 正樹 小浜 善信 伊集院 利明 谷 徹 榊原 哲也 杉田 正樹 日下部 吉信 須藤 訓任 赤井 清晃 柏端 達也 塩路 憲一 古田 智久 三浦 要 菊地 伸二
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究の課題は<西洋古代から現代に至る二千六百年に及ぶ哲学史の統一的理解・再構築は可能か?>である。我々は共同研究を通じて再構築は可能であると結論することができた。これは「実存的歴史観」(vde.渡邊二郎『歴史の哲学-現代の思想的状況-』講談社、1999)によって支えられる。その具体的な姿は本研究グループの各メンバーによって各に示される。研究代表者の見解を要約すれば、西洋哲学史には2伝統、即ち古代ギリシア哲学(=ヘレニズム=善の優位性の思想)の伝統と西洋中世以降の哲学(=ヘブライズム=存在の優位性の思想)の伝統とが存存する。両伝統における「万有の根源の解釈」は根本的に異なる。しかし両者は新プラトン主義(原型)の第2段階「存在者-生命-知性」(三一)を或る仕方で共有することによって相互影響を受け、中世以降に新たな思想を生む。その結果、中世では存在論が、近世では認識論が、現代では生命論、新たな認識論と存在論がそれぞれ中心となった新しい哲学生まれる。中世から現代に至る諸哲学は1セットとして、ギリシア哲学に対峙し得る。その内容は下記の研究成果に示される。我々の研究成果の一部はまず第1の共同研究成果論文集『西洋哲学史の再構築に向けて』(1999)に示される。この外にもメンバー21人の各の研究論文等においても示される。その成果総数は学術論文209本、國内外の学会・研究会口頭発表87回、図書(単著)9冊である。更に平成15年中に第2の共同研究成果論文集『西洋哲学史観と時代区分』を公刊しようとしている。続く第3の共同論文集『現代の哲学-二千六百年の視野において-』は平成15年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)に申請中である。さらに第4の共同論文集『西洋哲学史再構築試論』も平成16年度科究費(研究成果公開促進費)に申請する予定である。以上が研究成果概要である。