著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 島峯 ゆり 柳沢 昌義
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.47-55, 2008-12-05
被引用文献数
3

本稿では,携帯メールコミュニケーションにおける顔文字の機能について,コミュニケーションの相手との親しさの程度による影響を調べるため,女子大学生32名を被験者にした実験を行った.結果から,親しい間柄に対して送信した携帯メールで顔文字を使用する場合,顔文字以外の文字数が減る傾向が示された.また,相手に謝罪する場面で親しい間柄に送信した携帯メールでは,親しくない間柄に比べて,言葉で表された謝罪が有意に少なく,顔文字が謝罪の言葉に代替される傾向(メール本文代替機能)が示唆された.更に,親しい間柄に送信した携帯メールでは,親しくない間柄に比べてより多くの種類の顔文字を使う傾向(感情表現機能)が見られた.
著者
歌代 崇史 柳沢 昌義
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.93-107, 2009

相づちに代表される聞き手反応は対面コミュニケーションにおいて不可欠である.しかし,その形態や使用は言語・文化により異なるため,日本語学習者にとって聞き手反応の学習は,目標言語環境におかれたとしても,必ずしも容易ではない.聞き手反応を教授する試みはあるものの,聞き手反応の教授が日本語学習者にどのような効果を及ぼすか実証的に調査した研究は非常に少ない.そこで本研究は,聞き手反応の教授が日本語学習者に及ぼす効果を明らかにするため,22名の中・上級日本語学習者を聞き手反応を教える群(RT群)と教えない群(NRT群)に分け,それぞれの群に70分の教授を行い,教授の前(pre),直後(pos1), 1週間後(pos2)に母語話者との対面会話テストを実施した.さらに,学習面に関する効果を検討するため, pos2においてインタビューを行った.対面会話テストの分析の結果, RT群の適切な聞き手反応の使用に関して, pre-pos1間とpre-pos2間で統計的に有意な差があり,教授により学習者の聞き手反応の産出能力が向上することが示された.さらに,インタビューの分析から, RT群には教授後,母語話者の対面会話を意識的に観察するといった学習行動の変化が複数見られ,語用意識の向上が示された.これらの結果に基づき,聞き手反応の教授による日本語学習者の聞き手としての認知変容モデルを示した.
著者
伊藤 清美 柳沢 昌義 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.491-500, 2006
被引用文献数
7

eラーニングやコンピュータを使う授業などでは,Web教材を使った学習が使われている.しかし,それらの教材は主に学習者のディスプレイ上に表示されるため,教科書や印刷教材のように自由に書き込みを行うことができない.本研究では,学習者が印刷された教材に書き込むのと同様にWeb教材に書き込めるシステム,WebMemoを実現した.学習者はWeb教材にメモ・蛍光ペン・図などを自由に書き込み・保存・閲覧することができる.Webページに描画されたデータはシステム内のデータベースに保存され,次回参照時にも表示される.大学生を被験者とし,実際の授業で3種類の評価実験を行った.その結果,紙と同様にWeb教材に直接書込むことの有用性が評価され,Webへ書き込んだ内容を見直すことによる学習効果があることが明らかになった.また,紙への書き込みと比較した結果,直線,囲みなどといったインタフェースの改良の必要性が示された.
著者
赤堀 侃司 中山 実 柳沢 昌義
出版者
東京工業大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

目的:本研究の目的は,アバタ自体が休息,もくしはリラックスすることにより,作業者がそれをみただけで癒されるたり,あるいは休息行為を促されるためのインタフェース作りである.これに必要なアバタの見かけや動作を開発・実装し,効果についてアンケート調査を行う.方法:MSオフィスアシスタント(以下MSアシスタント)と同等のサイズのキャラクター(癒しキャラ)を1個作成した.癒しキャラには背伸びなど全8動作を行わせた.これに対して,10個のMSアシスタント(犬,イルカなど)から各8動作,計88動作を抽出した.これらの癒し効果について,Web上でアンケート調査を行った.アンケートは7段階評価であり,分析的項目(5つ)と包括的項目(3つ)から構成された.手順:Web上のアンケートサイトにて,被験者1人あたりMSアシスタント2個と癒しキャラの計3個を評価させた.なお,MSアシスタントはランダムに割りふった.各キャラクターの被評価人数は約30名であった.結果:癒しを促進するキャラクターと行動を明らかにするために,評価項目ごとに,癒しキャラとMSアシスタントの88種類の行動について一元配置分散分析を行った.その結果,全体的な傾向として,犬とイルカの行動が,他のキャラクターに比べ,より癒しを促進していることが明らかになった.考察:花や貝殻など癒しイメージが感じられるものや,火炎放射器を使うなど意外性・非日常性が感じられる行為に癒し効果が認められた.また,キャラクターの「かわいさ」も重要な要因であることがわかった.今後の癒しキャラ開発では,作業者が日常とっている行動との関連や,キャラクターの影響を考慮する必要がある.また,作業者自身が休息行為を行うことによる癒し効果や,脳科学の知見の検証にも展開させていきたい.<スケジュール>平成19年3月日本教育工学会研究会における成果発表
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 小林 まゆ 柳沢 昌義
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.31-39, 2006

本研究では,電子メールにおける顔文字の機能である,感情を相手に伝える役割に注目した調査を行った.具体的には,女子大学生24名に,163種類の顔文字を提示して,それぞれの顔文字から解釈される感情を尋ねた.この調査で得られたデータを用いて,それぞれの顔文字から解釈される感情の種類の数をカウントし,感情解釈の種類の多い顔文字と,感情解釈の種類の少ない顔文字の差異について,検討を行った.主な結果として,ポジティブ感情を表す顔文字の方が,ネガティブ感情を表す知見から,ポジティブ感情を表す顔文字の方が,感情的な誤解やすれ違いを生じにくい可能性のあることが示唆された.しかし,書き手の感情状態を表す役割として顔文字を捉えると,顔文字には,感情解釈の幅の広いものと限定的なものがあり,注意を要することも分かった.