- 著者
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赤堀 侃司
中山 実
柳沢 昌義
- 出版者
- 東京工業大学
- 雑誌
- 萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2005
目的:本研究の目的は,アバタ自体が休息,もくしはリラックスすることにより,作業者がそれをみただけで癒されるたり,あるいは休息行為を促されるためのインタフェース作りである.これに必要なアバタの見かけや動作を開発・実装し,効果についてアンケート調査を行う.方法:MSオフィスアシスタント(以下MSアシスタント)と同等のサイズのキャラクター(癒しキャラ)を1個作成した.癒しキャラには背伸びなど全8動作を行わせた.これに対して,10個のMSアシスタント(犬,イルカなど)から各8動作,計88動作を抽出した.これらの癒し効果について,Web上でアンケート調査を行った.アンケートは7段階評価であり,分析的項目(5つ)と包括的項目(3つ)から構成された.手順:Web上のアンケートサイトにて,被験者1人あたりMSアシスタント2個と癒しキャラの計3個を評価させた.なお,MSアシスタントはランダムに割りふった.各キャラクターの被評価人数は約30名であった.結果:癒しを促進するキャラクターと行動を明らかにするために,評価項目ごとに,癒しキャラとMSアシスタントの88種類の行動について一元配置分散分析を行った.その結果,全体的な傾向として,犬とイルカの行動が,他のキャラクターに比べ,より癒しを促進していることが明らかになった.考察:花や貝殻など癒しイメージが感じられるものや,火炎放射器を使うなど意外性・非日常性が感じられる行為に癒し効果が認められた.また,キャラクターの「かわいさ」も重要な要因であることがわかった.今後の癒しキャラ開発では,作業者が日常とっている行動との関連や,キャラクターの影響を考慮する必要がある.また,作業者自身が休息行為を行うことによる癒し効果や,脳科学の知見の検証にも展開させていきたい.<スケジュール>平成19年3月日本教育工学会研究会における成果発表