著者
柴田 智広 為井 智也 岡田 洋平 和田 佳郎 小町 守
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

Assist-As-Needed原理に基づいた強化学習エージェントが個人適応的にヒトの運動学習を支援することにより,その運動学習を促進可能であることを科学的に示した.また姿勢異常を呈する疾患を持つ症例のための姿勢評価,フィードバックトレーニングシステムを開発し,めまい平衡系疾患およびパーキンソン病を対象に姿勢リハビリテーションに関する医工連携を進め,後者については,在宅における姿勢リハビリテーションの実施可能性および即時効果を確認した.
著者
岡平 正照 柴田 智広 池田 和司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, 2011-02-28

移動しつつセンサデータから周囲の地図を自動生成することは,自律移動ロボット研究の非常に重要な課題の一つである.既存の研究では,推定した自己位置と地図の不確かさをコスト関数として定義し,その事後分布を最小化する移動命令を逐次算出しながら地図を作成する方法が提案された.しかし,既存手法ではランドマークを点(座標)として定義していたため,ランドマークがサイズを持ちロボットにとって障害物となる環境には適応できなかった.そこで本稿では,コスト関数にランドマークのサイズを反映させることで,ランドマークが障害物となる環境においてその回避を考慮した経路計画を行う手法を提案し,シミュレーション実験によりその有効性を確認する.
著者
中村 彰宏 大林 千尋 柴田 智広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.51-56, 2011-05-06

我々は,自動掃除機^<TM>Roombaとのダンスを通じて部屋を掃除する社交ダンスシステムを提案する.本システムは,実時間で深度情報を得られるマイクロソフト社の^<TM>KinectとオープンソースライブラリOpenNIを用いて人間の動作を認識し,それに応じてRoombaの動作を制御する.制御に必要なRoombaの位置・姿勢はARToolkitのマーカーを用いて計測する.動作として社交ダンスを採用することで,Roombaでの掃除にエンターテイメント性を付加する.社交ダンスの振付は,パートナとの位置関係と男性の動作で示されるリードによって決定されるため,ユーザーがリードに関する知識を持つことで,Roombaをパートナーとしたダンスによる掃除が可能となる.本稿では,まずシステム構成及びダンス認識による掃除制御アルゴリズムを述べ,次に予備的な実験結果によりシステムの有効性を示す.
著者
藤居 宏平 柴田 智広 小林 亮太 北野 勝則 西川 郁子 池田 和司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.295, pp.31-36, 2010-11-11
参考文献数
13

本研究の目的は,四肢を用いたドラム演奏時における熟達者-非熟達者間の脳活動を比較することである.このように全身を用いた運動時の脳活動を非侵襲に計測するため,近赤外分光法(Near-infrared spectroscopy; MRS)を用いた.演奏課題としては,非熟達者にとっては演奏が容易でないが,熟達者にとっては容易である一小節のドラムパターンを用いた難課題と,いずれの被験者にとっても演奏が容易な一小節のドラムパターンを用いた易課題の2種類を用意した.解析の結果,熟達者では主に難易度が高いと前頭葉付近の活動が低下するのに対し,非熟達者では前頭葉付近や頭頂葉付近で活動が増加することが観測された.
著者
小松 洋治 益子 良太 土田 幸広 柴田 智行 伊藤 政美 目黒 琴生 小林 栄喜 吉澤 卓 能勢 忠男
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.654-659, 2001-10-20
被引用文献数
6

ウイリス動脈輪前半部未破裂脳動脈瘤クリッピンク手術の認知機能への影響および予後因子を, 連続40症例についてprospectiveに検討した.術前, 術後3カ月にMMSE, 仮名拾いテストを行い, 各検査単独, および総合評価である浜松方式簡易痴呆診断スケールにより認知機能を評価した.認知機能は多くの症例で温存されたが, 継続的障害が2.5〜5.0%に, 一過性障害が7, 5%にみられた.継続的障害に関与する危険因子はみられなかった.一過性障害を含めた検討では, 70歳以上の高齢が有意な因子であった.術前の浜松式非正常, 仮名拾いテスト不合格, 虚血性脳血管障害合併の3因子は, 予後との関連が示唆された.未破裂脳動脈瘤手術成績は, 認知機能の観点からは良好であるるが, 高齢者, 虚血性脳血管障害合併症例, 前頭葉機能低下例では, より慎重な対応が必要である.
著者
琴坂 信哉 柴田 智広 川人 光男
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.204-208, 2000

近年の脳神経系研究の進歩により,様々な脳神経系の持つ機能や役割が明らかになりつつある.しかしながら,単に一つの神経や器官の働きの解明を積み重ねるだけでは,その機能の全貌が把握できるわけではないことも理解されてきている.脳神経系の持つ学習や言語能力といった高次脳機能の仕組みを理解するためには,計算論的な立場からの研究を欠くことができない.著者らのプロジェクトでは,この考え方に基づき,モデルに基づく神経生理学的側面からの研究,非侵襲脳活動計測に基づく学習メカニズムの研究などと共に,ヒューマノイドロボットの開発,および運動学習や運動生成に関する研究への応用を行っている.本プロジェクトで開発したヒューマノイドロボットの紹介と,最新の研究トピックスに関して紹介する.