著者
木村 穣 梶原 景正 坂部 貢 大塚 正人
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

有機リン等の被爆が主原因とされるシックハウス症候群の患者単球においてNeuropathy Target Esterase(以下NTE)の活性が健常者に比べて高いことを2013年に報告した。有機リンが結合したNTEが化学変化を起こすと遅延性のOPIDN(organophosphate-induced delayed neuropathy)を引き起こすとも言われ、有機リン関連疾患の発症機構解析と疾患モデル開発のために、NTEをコードする遺伝子PNPLA6を導入したマウスを作製し、その性状を明らかにすると共に、NTE遺伝子導入細胞での有機リン感受性を検討した。複合体検出系も開発中である。
著者
城 智彦 勝谷 隆 猪子 嘉生 大塚 正 鹿内 喜佐男 高橋 睦子 豊島 照雄 森川 修次
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.88-99,170-171, 1964
被引用文献数
2

広島県下のかきのむき身業者の間に近年喘息様疾患が多発している.私どもはこれにかきの打ち子喘息と命名して研究し, 次の結果をえた.1.本症は1951年頃より発生して以後年々増加する傾向があり, 県下全域の養殖場にひろく分布し, 各地域とも20%をこえる発生率を示した.打ち子の年令, 性別は本症の発生と関係なく, 発病までの従業期間は5年以内のものが過半数をしめた.2.本症の症状はかき打ちに従事した場合にのみ発生し, かき打ちの季節外や, 作業を休んだ時には無症状である.症状により4型をわけたが, 2型, 3型, 4C型, 4D型などの病型に属するものが多く, 1型, 4A型, 4B型などは少なかった.また発病後の経過年数の短かいものには軽症型, 長いものには重症型が多かった.Spirometryでは発作時に一般の喘息同様, 閉塞性の呼吸障害の存在がうかがわれた.3.本症患者はホヤ抗原液に対して特異的に高い皮膚反応性を示し, その一部では同抗原液の吸入により喘息様症状が誘発された.また本症患者血清による.P-K反応は陽性であった.これらのことから本症はホヤ体液による吸入性, アレルギー性喘息であると推定される.4.ホヤ類(特にシロボヤ, エボヤ)の付着状況と本症発生状況の間には密接な関係がある.戦後筏式養殖法が普及し, かき殻にホヤの付着をみるようになったことが, 近年になって本症の発生をもたらした原因と考えられる.5.蕁麻疹の既往のあるもの, 血族に喘息のあるものは, そうでない者に比して本症にかかりやすい.6.かき打ちに際して眼あるいは皮膚に〓痒感を訴えるものがあった.7.本症の治療にはホヤ抗原液による減感作が全症例において有効で, 一般の喘息剤も対症的には有効であった.8.ホヤ体液の吸入を防止すれば, 本症の発生は相当程度防げるものと思われる.
著者
及川 充 大塚 正男 森 邦宏 佐藤 昌美 小口 正信
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.416-419, 1995-08-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We statistically studied several problems related to critical flicker fusion frequency (CFF), which was used to design the interlaced scanning method of television systems. Since CFF values closely depend on the physical and mental state of the observer, statistical treatment of data is essential. We studied the difference between up and down discrimination threshold series and the coincidence between CFF values for equal energy colors, mainly by adapting a variance method analysis.
著者
小谷 章夫 朝井 宣美 中村 安久 大塚 正章 密山 幸男 尾上 孝雄
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.115(2004-HI-111), pp.63-70, 2004-11-12

近年、携帯電話などのモバイル端末が文字情報流通の主役となりつつあり、モバイル端末の小さな筐体に組込まれた低解像度表示デバイス上に限られたドット数で可読性の高い文字を表現することが求められている。そのためには個々の表示デバイスにあわせた専用フォントの開発が不可欠であるが、主観に頼らざるを得ないフォントの開発では,多大な工数がかかることが問題となっている。本研究では、フォントの読みやすさを決定する要因として最も重要な「文字重心」に注目し、文字輪郭を用いた重心位置評価手法を提案する。これにより、主観評価による文字重心位置を計算によって特定することができ、フォント開発工数の大幅な短縮が可能になる。
著者
猪子 英俊 岡 晃 遠藤 高帆 大塚 正人 良原 栄策 平山 令明
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

摂食障害は90年代後半より若年層を中心に急増した精神疾患であり、治療法や予後予測法の確立が待ち望まれる。我々は、マイクロサテライトを用いたゲノムワイドな相関解析法により新たに見出した拒食症感受性遺伝子群について、その分子機能解明の鍵となる多数の相互作用を同定するとともに、83アミノ酸から成る領域等、創薬ターゲットとして有望な機能ドメインを特定した。
著者
永松 朝文 大塚 正人 AJAYA Shretha R. 真銅 隆至 池内 百江 芦田 則之
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,細胞増殖機能調節に関わっている酵素のチロシンキナーゼを阻害して,腫瘍細胞増殖を阻害する新規抗腫瘍薬開発を目的に行った研究である。デアザフラビン類縁化合物に関して,抗腫瘍活性データとコンピューターを駆使した酵素へのドッキングデータよりバーチャルスクリーニング系を構築した。この系より得られた活性情報を基にデザインした新たな活性有効化合物を合成・評価する新しい高効率抗腫瘍活性化合物検索系を構築した。
著者
原田 篤 黒部 仁 大塚 正彦
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.66-69, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
18

症例は2歳6カ月,女児.数回の嘔吐,間欠的腹痛を主訴に来院した.腹部単純X線にて2個の連なる異物と小腸の拡張を認めた.異物誤飲を疑い,両親に詳細な問診を行ったところ,日常的に使っている磁器治療器(ピップエレキバン®)を誤飲した可能性が考えられた.異物が腸閉塞の原因となっていると判断し,緊急開腹手術を施行した.開腹すると2個のピップエレキバン®が結合しバンドを形成,同部位に小腸が嵌まり込む形で絞扼性イレウスをきたしていた.異物誤飲は乳幼児の開腹歴のないイレウスの鑑別疾患に挙げる必要があり,消化管穿孔の症状がなくても,絞扼性イレウスを呈することがあるため,緊急開腹手術をすべきと考えられた.
著者
芳中 一行 大塚 正弘 星野 昌人 菊池 憲治 河田 剛 滝 清隆
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 = Transactions of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.268-279, 2008-09-01
参考文献数
9

&nbsp;&nbsp;Fluorescent liquid penetrant test equipment, for testing welded parts of the evaporator for phosphate liquid waste generated by solvent waste treatment at Tokai Reprocessing Plant, was developed. It is composed of a CCD camera and UV light for observation, nozzles for fluorescent liquid, water for washing, and air for drying, and a positioning mechanism that can adjust the position of this equipment relative to the inspection object by three-axis operation, varying the insert length, bending angle and turn angle. Also, the equipment can be inserted by way of the nozzle for inspection, whose inside diameter is 60 mm, into the evaporator. It was confirmed that the standard faults, as defined in JIS, could be observed by the equipment. Then, a fluorescent liquid penetrant test of an evaporator that has treated phosphate liquid waste for 18 years with a heating temperature of about 105&deg;C was performed. The result of the test indicates the absence of faults in the evaporator.<br>
著者
岩切 雄二 大塚 正義 柏本 昭信
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.265-270, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
8

入口旋回抑制板が自動車用ターボチャージャの遠心圧縮機性能に及ぼす影響を調査した.入口旋回抑制板により,最高効率とチョーク流量を維持しつつ,ほぼ全ての運転条件でサージ限界流量が低減できる事を実験で示した.また,流れの数値解析(CFD)によりサージマージンが拡大するメカニズムを解明した.
著者
小浜 靖郎 内田 昭博 茅野 浩一 山本 和義 大塚 正幸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集 (ISSN:18849091)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.331-336, 1995-11-13 (Released:2011-06-27)
参考文献数
3

Miharasi tunnel located near the port Yokohama, is one of the typical OLD URBAN tunnel that needed reconstruction because of it's change to out of date from the recent traffic. However, for the sake of the geological conditions, the situation was hard to maintain the traffics during construction works. After various comparative examinations, a twin (couple) tunnel plan was successfully adopted with complicated constructive sequences. The total data obtained by long term and careful examination with the twin tunnelling, as well as the whole planning, would brought useful suggestion for another similar following plan.
著者
大塚 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.320, pp.81-84, 2011-11-19
参考文献数
9

場の考え方は古くから東洋にあるものである。場的思考の特徴は主客非分離、自他非分離にある。近代は、主観と客観とを異なる存在として把握し、また、自己と他者とは全く異なる存在であるとする。自由な主観が必然性のある客観を個物とその因果関係として理解し、他者は自己にとって客体となる。しかし、場の量子論や脳科学は、主観と客観とは明確に分離できるものではなく、また、自己と他者は深く結びついていることを明らかにしている。この主観と客観とが相互作用する場、自己と他者が相互作用する場がまず存在し、そこから主観と客観、自己と他者が生まれてくると考えるのが場的思考であり、これを基盤とする哲学が場の哲学である。人間と似たコンピュータを創るには場的思考に立脚する必要がある。
著者
大塚 正人 GURUMURTHY Channabasavaiah 三浦 浩美 佐藤 正宏 和田 健太 高橋 剛
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第108回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.P-83, 2015 (Released:2015-09-15)

【目的】近年,CRISPR/Cas9系を含めたゲノム編集技術の開発によって,簡便にノックアウト(KO)マウス等のゲノム編集マウスを作出できるようになってきた。現行法では,(1)過排卵処理を施した雌マウスを雄マウスと交配して受精卵を採取する,(2)CRISPR関連核酸を受精卵へ直接顕微注入する,(3)顕微注入処理した胚を偽妊娠マウスの卵管へ移植する,という3つのステップを経て作製する方法が一般的である。しかしながら,これらは熟練した技術とmicromanipulatorという高価な設備を必要とするため,誰もが容易に実施できる環境にある訳ではない。そこで我々は,採卵,顕微注入,移植の手間を省くことが可能な,新規ゲノム編集マウス作製法「Genome-editing via Oviductal Nucleic Acids Delivery (GONAD)法」を考案した。【方法】麻酔処置を施された妊娠雌マウスから2細胞期受精卵を有する卵管を体外に露出させ,ガラスピペットを用いてCRISPR関連核酸溶液を卵管内に注入し,その後,直ちに卵管全体に対し電気穿孔法を施す。術後,卵管を雌マウスの体内に戻し,そのまま発生させる。【結果】本手法の妥当性を確認するために,まず,本技術によってRNA導入が可能であるかを検証した。GONAD法を用いてeGFP mRNAの導入を試みたところ,卵管上皮細胞および着床前胚でのeGFPの発現が観察された。そこで,次にCRISPR関連RNA(Cas9 mRNAとsgRNA)の導入を試みた。その結果,着床前胚において複数の内在性遺伝子,およびeGFP遺伝子のKOに成功した。また,着床後胚においてもeGFP遺伝子のKOにも成功した。これらの結果から,卵管内の受精卵に核酸を直接導入することにより,採卵や顕微注入,移植という一連の高度であるが,煩雑な工程を全てスキップしてゲノム編集マウスを簡便に作製できることが示された。
著者
大塚 正人 和田 健太 佐藤 正宏 三浦 浩美
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

従来のゲノム編集マウス作製法では、(1)受精卵の回収、(2)CRISPR関連試薬の顕微注入、(3)注入卵の偽妊娠マウスへの移植、という熟練した技術と高価な設備を要する3つのステップが必須であった。今回、受精卵を有する妊娠メス卵管へのCRISPR関連試薬の注入、続く卵管全体へのin vivo電気穿孔を行うことで、上述した3つのステップ全てを省いてゲノム編集マウスが作製できる新手法「GONAD」の開発とその応用を進めた。