著者
田中 伸彦 梶田 佳孝 平沢 隆之 髙橋 美里 霜田 孝太郎 中村 麟太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.245-249, 2023-09-07 (Released:2023-09-07)
参考文献数
12

日本の地方におけるMaaSシステムの高度化を念頭において、高知県室戸地域の9市町村を対象に、「ある地域の来訪目的地(destination)と宿泊地(accommodation)の集積状況は地理的に異なる部分がある」という操作仮説を置いて、5×5フィルタリング法を用いた分析を行った。その結果、操作仮説は支持され、両者のメッシュ得点の相関係数は0.041と低い値になることを示すことができた。ただし、この相関関係の低さは、宿泊地(accommodation)の集積地は来訪目的地(destination)の集積地と対応するが、逆は真ならずという関係性にあることに起因することが示唆された。つまり、地方におけるMaaSを高度化するためには、導線としての二次交通(transportation)について、この様な地理的分散に配慮した計画が必要であるということが提言できた。
著者
平沢 隆之 小笠原 誠 石川 ひとみ 山口 憶人 丸山 貴平 梶田 佳孝
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.205-210, 2015

国内各地で世界文化遺産登録の報告が相次ぐ一方で大都市圏環状道路の整備が進み,訪日インバウンド観光促進にはますます追い風の状況と言える.本研究では,交通・物流・観光の要衝である静岡県御殿場市を対象に実施した,大規模集客施設訪問帰りの近隣観光施設への追加立ち寄り観光誘引の一連の実験と,大型イベント開催日の交通実態簡易調査の結果に基づき,豊かな地域観光資源の魅力をアピールし,データに基づいた周辺観光誘引の推進に有効な簡易ICT の要求機能を提案する.
著者
八尋 和郎 外井 哲志 梶田 佳孝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.37-42, 2011

近年、都市に人を集める産業としてプロ野球観戦が注目されており、その特性を把握することは有益であると考えられる。本研究では、福岡ソフトバンクホークス(野球チーム)の観戦者に対するアンケート調査によって、観戦者の特徴と観戦者がもたらす経済効果を分析し、以下のことが明らかになった。(1)遠方からの来場者や、1人で来た来場者は消費単価が高い。(2)試合観戦前後に、来場者は福岡ドーム(野球場)以外の場所にも立ち寄っており、都市の賑わいに貢献をしている。(3)プロ野球観戦に直接関係がない産業にも大きな需要が創出されている。(4)交通費は集客に対して大きな影響を与えている。以上より、福岡ソフトバンクホークスは都市に無視できない大きな影響を与えていることが分かった。
著者
秋本 福雄 阿部 正隆 梶田 佳孝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.871-876, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
31
被引用文献数
4

地域計画は英国に登場し、1920年代、アメリカ及び英国で都市計画法の中に制度的に組み込まれた。日本へは、飯沼一省が1923年の米欧外遊の後、紹介したが、都市計画法は、今日なお、地域計画に関する条項を持たない。この研究の目的は、その理由を日本における地域計画の導入期を解析することにより明らかにすることにある。飯沼は、地域計画という用語にアメリカで遭遇し、英国で地域計画の概念を把握し、ハワードの田園都市、C. B. パーダムの衛星都市の図式の強い影響を受けた。飯沼は都市計画法の都市計画区域を批判したが、都市計画法を根本的に組み立て直すには至らなかった。
著者
吉武 哲信 梶田 佳孝 出口 近士 寺町 賢一 梶原 文男
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、都市計画にもとづくまちづくりのウェイトが低下し、都市じまい的なまちづくりを志向する地方小規模自治体が存在することを、都市計画マスタープラン(都市MP)策定の意義に対する自治体の認識を調査・分析することによって明らかにしたものである。九州、中国、四国地方を対象とした調査の結果、都市MP未策定においてもデメリットがないものの、都市計画事業の実施に都市MPを関連づけて策定することが多いこと、一方で新規の都市計画事業や民間開発が想定できない状況では、都市MPを充実させるインセンティブは働かず、総合計画や区域MPで都市の将来像を緩やかに示すことを望む自治体が存在することが明らかになった。
著者
角 知憲 外井 哲志 大枝 良直 梶田 佳孝 松永 千晶 小林 敏樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

九州地方の中小都市を対象に、高齢化と人口減少がもたらす都市の閑散化・低密度化と高齢者の日常的な交通の実態を調査した。さらに、将来の年齢構成に基づいて交通需要を予測し、それを支える交通システムと都市の改造の方向性を検討した。その結果、軽便な軌道交通システムと進歩した情報システムを用いた効率的な公共交通網とそれに沿って住宅やショッピングセンターなどを適切に再配置する必要と、そのために都市の土地利用を誘導し規制する方策が求められることが判明した。