- 著者
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森 博嗣
谷川 恭雄
- 出版者
- 公益社団法人 日本コンクリート工学会
- 雑誌
- コンクリート工学 (ISSN:03871061)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.12, pp.30-40, 1994-12-01 (Released:2013-04-26)
- 参考文献数
- 74
- 被引用文献数
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5
フレッシュコンクリートの流動解析技術に関する研究は, ポンプ圧送性に関する一部の理論的研究を除けば, 最近10年間に行われたものがほとんどであり, 特に, 型枠内流動などを対象とした数値解析技術は, 国外では例を見ない。フレッシュコンクリートの流動現象は, 力学的に取り扱うことが非常に困難であったため, その定量的な解明は遅れていたが, 各種の数値解析手法の開発によって, しだいに明らかになりつつある。最近では高流動コンクリート, 高強度コンクリートなどをはじめとする新しいタイプのコンクリートが出現し, 施工の合理化や省労力化を実現する上で, フレッシュコンクリートの流動解析技術に対する期待が増している。しかし, フレッシュコンクリートの流動挙動や施工性を解析的に的確に予測することはむずかしい課題であり, この分野の研究者は数多くの問題に直面しているのが現状である。本稿では, フレッシュコンクリートの流動解析技術開発の最前線における課題を中心に, この研究分野における今後の展望を概説する。