著者
青木 孝義 谷川 恭雄 中埜 良昭 湯浅 昇 岸本 一蔵 丸山 一平 高橋 典之 松井 智哉 濱崎 仁 迫田 丈志 奥田 耕一郎
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、2009年にイタリアで発生した地震により被害を受けた文化遺産建築の被害調査を実施して、被害状況と応急処置方法を系統的に整理し、1970年代以降に文化遺産建築に対して行われたRC補強の効果を検証し、モニタリングにより補強前、補強途中の構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、また、関連する国内外の文化遺産建築の調査を通して、文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法に関する海外学術調査を実施したものである。
著者
森 博嗣 谷川 恭雄
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
vol.374, pp.1-9, 1987-04-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
3 2

The purpose of the present paper is to establish a simulation method of the behavior of fresh concrete at its mixing, placing, consolidating, etc. As one of the method to estimate the flow and deformation of fresh concrete, a method of visco-plastic finite element analysis is proposed, and some analytical results are shown in this paper. In the analysis, slip resistance force between boundary surface and fresh concrete can be considered, and the dynamic behavior can be analyzed by calculation of the retardation of velocity change. The results of simulations are in good agreement with those calculated by simple theoretical equations about some examples such as flowing in pipe, parallel-plates plastometer, slump test, and the adequacy of the proposed analytical method is confirmed.
著者
谷川 恭雄 森 博嗣
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.4-16, 1987
被引用文献数
2

コンクリート施工のロボット化を初めとする新工法の開発や, 流動化コンクリート, 繊維補強コンクリート, 水中コンクリートなどの各種コンクリートの開発にともない, フレッシュコンクリートの流動性をより科学的な視点に基づいて評価することの必要性が高まってきている。本稿では, 現在フレッシュコンクリートのコンシステンシー判定法として広く利用されているスランプ試験について, レオロジー的な観点からの見直しを行うことを目的として, スランプ試験のメカニズム, スランプ試験によって測定される値の物理的意味, フレッシュコンクリートの流動シミュレーション方法, スランプ試験を拡張してレオロジー定数を推定する方法などに関する研究の現状を紹介する。
著者
李 建哲 谷川 恭雄 森 博嗣 黒川 善幸 三島 直生
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.70, no.588, pp.7-12, 2005

In this study, the rheological properties of fresh mortar and concrete were investigated experimentally by shear box test. The pore water pressure in fresh mortar and concrete was measured as an influence factor of rheological properties of fresh concrete. The cohesion and the coefficient of dynamic internal friction were represented from pore water pressure and shear stress measured in the experiment. As the result, it was clarified that the rheological properties is affected by the pore water pressure in fresh mortar and concrete. Moreover, the correcting method of shear stress in case of shear box test was obtained, and the cohesion and the coefficient of dynamic internal friction were quantified.
著者
畑中 重光 谷川 恭雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.14-24, 1995-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
51
被引用文献数
1 1

生コンプラントで発生するスラッジ水の多くは, 脱水ケーキ化された後, 多額の処理費を伴って管理型の産業廃棄物として埋め立て処分されるかプラント内外で適宜処理されているのが実状である。また, 管理型廃棄物の処分場を将来にわたって確保・増設していくことは, 極めて困難であり, スラッジの再利用や処理方法の検討が望まれている。本稿は, 生コンスラッジの発生と処理の現状を概観したのち, 生コンスラッジに関する既往の研究を取りまとめたものである。
著者
谷川 恭雄 森 博嗣
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.4-16, 1987-05-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
44
被引用文献数
2

コンクリート施工のロボット化を初めとする新工法の開発や, 流動化コンクリート, 繊維補強コンクリート, 水中コンクリートなどの各種コンクリートの開発にともない, フレッシュコンクリートの流動性をより科学的な視点に基づいて評価することの必要性が高まってきている。本稿では, 現在フレッシュコンクリートのコンシステンシー判定法として広く利用されているスランプ試験について, レオロジー的な観点からの見直しを行うことを目的として, スランプ試験のメカニズム, スランプ試験によって測定される値の物理的意味, フレッシュコンクリートの流動シミュレーション方法, スランプ試験を拡張してレオロジー定数を推定する方法などに関する研究の現状を紹介する。
著者
森 博嗣 谷川 恭雄
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
vol.374, pp.1-9, 1987
被引用文献数
15 2

The purpose of the present paper is to establish a simulation method of the behavior of fresh concrete at its mixing, placing, consolidating, etc. As one of the method to estimate the flow and deformation of fresh concrete, a method of visco-plastic finite element analysis is proposed, and some analytical results are shown in this paper. In the analysis, slip resistance force between boundary surface and fresh concrete can be considered, and the dynamic behavior can be analyzed by calculation of the retardation of velocity change. The results of simulations are in good agreement with those calculated by simple theoretical equations about some examples such as flowing in pipe, parallel-plates plastometer, slump test, and the adequacy of the proposed analytical method is confirmed.
著者
森 博嗣 谷川 恭雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.30-40, 1994-12-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
74
被引用文献数
5

フレッシュコンクリートの流動解析技術に関する研究は, ポンプ圧送性に関する一部の理論的研究を除けば, 最近10年間に行われたものがほとんどであり, 特に, 型枠内流動などを対象とした数値解析技術は, 国外では例を見ない。フレッシュコンクリートの流動現象は, 力学的に取り扱うことが非常に困難であったため, その定量的な解明は遅れていたが, 各種の数値解析手法の開発によって, しだいに明らかになりつつある。最近では高流動コンクリート, 高強度コンクリートなどをはじめとする新しいタイプのコンクリートが出現し, 施工の合理化や省労力化を実現する上で, フレッシュコンクリートの流動解析技術に対する期待が増している。しかし, フレッシュコンクリートの流動挙動や施工性を解析的に的確に予測することはむずかしい課題であり, この分野の研究者は数多くの問題に直面しているのが現状である。本稿では, フレッシュコンクリートの流動解析技術開発の最前線における課題を中心に, この研究分野における今後の展望を概説する。
著者
森 博嗣 黒川 善幸 谷川 恭雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、複合材料であるコンクリートの変形・破壊性状をミクロな立場から解析的に取り扱い、従来、実験的な情報の整理によってしか得られていないコンクリートの構成則を、理論的な立場から検討し、より汎用的な力学モデルを構築することを目的として、粘塑性サスペンション要素法を、粘弾塑性解析に拡張し、この新しい解析手法を用いた硬化コンクリートの変形・破壊性状のシミュレーションを行うとともに、実験的な検証によってその妥当性を確認した。本研究の成果は以下のようにまとめられる。1.粘弾塑性サスペンション要素解析手法の開発および拡張現有の2次元プログラムを3次元に拡張するとともに、細部に至る多数の境界条件を整備した。また、この結果を基づいて、多軸載荷・除荷、高速繰返し載荷、粗骨材の破壊、鉄筋による拘束などの条件にも適用可能な汎用的な機能をプログラムに付加した。2.入力データの整備1.で開発したプログラムに用いる入力データを得るために、既往の実験結果を整理した。3.コンクリートの応力-ひずみ曲線の解析および検証実験コンクリート円柱供試体の各種応力下における破壊挙動のシミュレーションを行た。また、小型の供試体を用いて同条件で実験を行い、解析結果と比較した。4.アコースティック・エミッション(AE)現象の解析および検証(谷川)1.および2の成果より、コンクリートの破壊過程で生じるAE弾性波の発生シミュレーションを行い、引張破壊とせん断破壊の差異、カイザー効果の機構などについて解析的な検討を行った。5.コンクリートの構成モデルの提案以上の研究結果を総括し、コンクリートの変形・破壊性状に与える影響要因を整理した上で、汎用的な力学モデルを構築するための基礎的な検討を行った。
著者
三島 直生 谷川 恭雄 森 博嗣 黒川 善幸
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.66, no.541, pp.31-35, 2001
被引用文献数
2 1

Bingham's model is generally used as a rheological model for fresh concrete. However, Bingham's model for homogeneous materials is not always adequate to express the behavior of composite material such as fresh concrete. In this study, the numerical analysis of the flow of fresh mortar is carried out by visco-plastic finite element method (VFEM) using the shear strain dependent viscoplastic model. It is shown that the analytical results are in good agreement with the experimental ones, and that this model is appropriate. Furthermore, the mechanism of blockage of fresh mortar is discussed analytically.
著者
谷川 恭雄 長谷川 哲也 黒川 善幸 森 博嗣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

平成7年度は、RC構造物の外壁仕上げ材の剥離調査のためのサーモグラフィー法および内部探査のための電磁波レーダ法に関して、以下のような研究を実施した。1)剥離調査のためのサーモグラフィー法の適用限界に関する実験および解析:人工空隙を有するコンクリート試験体の両面の温湿度を自動制御して一連の実験を行った。また、3次元有限要素法解析プログラムを用いて、実験結果の検証を行うとともに、各種環境条件下における適用限界および最適計測条件を明らかにした。2)内部探査の電磁波レーダ法に関する研究:構造体中の内部欠陥や鉄筋位置を探査するためのモデル実験を行うとともに、ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ・イスタンブル)の劣化度調査に本手法を適用した。その結果、本手法の有効性を明らかにするとともに、ハギア・ソフィア大聖堂の2階ギャラリー部において過去に報告されていなかった数本の補強材を新たに発見した。平成8年度は、RC構造物の外壁改修のための立体不織布・アンカーピン併用工法に関する研究に関して以下の2シリーズの研究を実施した。1)使用材料の選定実験:試験版体を作成し、版のせん断力試験、層間接着耐力試験、曲げ耐力試験などを行った。また、版とピンの接合耐力試験、アンカーピンの配置とワッシャー径の決定、負圧に対する検討などを行った結果、水平方向に負圧を受ける版体の最大耐力は、フィラーを含むモルタルの強度に依存すること、繊維を太く、亀甲状の網目部分の面積を大きくしたネットが有利であることなどが明らかとなった。2)改良繊維の検証試験:改良されたネットの性能を検証した結果、それらの改良効果を確認すると共に、下地層を設けることで、アンカーピンとの接合強度を向上させることができた。