著者
松田 武美 マツダ タケミ Matsuda Takemi 森 由香子 モリ ユカコ Mori Yukako 柴田 絹子 シバタ キヌコ Shibata Kinuko
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-51, 2015-03

A介護老人保健施設での介護事故反復事例を使い,介護事故防止に対する研修を行った.その結果,研修開始時,参加者が関連させた情報から生活状態を解釈する力と研修終了時のアセスメント力及び研修後の理解度と研修後の変化について確認した.研修終了時の記録から根拠の記載があり,利用者の健康状態→心身機能・身体構造→活動に目を向けていること,次に起こることを予測している表現が見られること,根拠をもって実践を行う必要性が理解できていた.研修終了後の自己の変化について,「情報収集の必要性」「アセスメントの必要性」「介護の基本の大切さ」「連携」「学ぶ必要性」「仕事の心構え」「自身の意識の変化」について7つの学びの変化が見られた.
著者
星 真行 難波 樹央 高橋 寿和 板垣 光子 佐々木 恵子 江森 由香 渡部 美聡 長橋 育恵 宮坂 美和子 相澤 裕矢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.66-73, 2019 (Released:2019-10-07)
参考文献数
26

【目的】 二次予防対象者に介護予防事業を取り組み,介入前後での身体の痛みの軽減,および痛みの有無による影響について検討することである。【方法】 対象は二次予防対象者164名であり,脱落者及び最終評価を実施できなかった者を除外した148名(男性32名,女性116名)を解析対象とした。週 2 回(全21回)のプログラム介入を行い,介入前後で身体機能評価を実施した。痛みの評価は,Numerical Rating Scale(以下,NRS)を用い,終了時にアンケート調査を実施した。【結果】 NRS得点による介入前後の比較では,痛みの軽減が認められた(p <0.01)。疼痛部位は,膝47%,腰26%の順に多かった。また,介入前後における身体機能の改善が示唆され,痛みによる群間比較において, ファンクショナルリーチ,長座位体前屈では交互作用も認められた。【結論】 介護予防事業に理学療法士が関わることにより,身体の痛みの軽減を図ることが可能であり,痛みの程度によって身体機能の改善にも影響がみられた。
著者
樋口 広芳 長谷川 雅美 上條 隆志 岩崎 由美 菊池 健 森 由香
出版者
公益財団法人 自然保護助成基金
雑誌
自然保護助成基金助成成果報告書 (ISSN:24320943)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.69-75, 2020-01-10 (Released:2020-01-10)

八丈小島は外来種であるイタチや野ネコがいない島として,典型的な伊豆諸島の食物連鎖系が残された唯一の島である.しかし昭和44年全島民が離島の際に残されたノヤギが増加し植生被害が顕在化したため,本研究会がノヤギの駆除を提言し,東京都と八丈町が2001年~2007年に計1137頭のノヤギを駆除した.その後,植生は回復していったが,駆除後の生態学的調査は行われていなかったため,今後の保全と活用に資するための基礎査として本研究を行なった.植物においては,希少種であるハチジョウツレサギ,カキラン,オオシマシュスランが駆除後はじめて確認され,爬虫類では準固有種であるオカダトカゲが他の島と比較してより高密度で生息していることが確認された.鳥類では2013年には準絶滅危惧種のクロアシアホウドリが飛来し,2016年-2017年には2個体,2017-2018年には7個体が巣立ち,同種の繁殖北限地となった.イイジマムシクイやアカコッコ,ウチヤマセンニュウなどの希少種が観察されたほか,準絶滅危惧種のカラスバトも高密度で生息していることが確認され,本島が伊豆諸島において貴重な生態系を有することが示唆された.