著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 栗原 聡
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-36, 2018-03-14

東日本大震災や熊本地震において,Twitterなどのソーシャルメディアが重要な情報源として利用された.一方,デマ情報のような誤った情報の拡散も確認されており,デマ情報の抑制手法の確立は災害大国日本において急務である.しかし,デマ情報がどのように拡散するかは明らかになっておらず,そのため有効な抑制手法も確立されていない.本稿では,これまでに提案した口コミに着目した情報拡散モデルにおいて「人の生活パタン」および「複数の情報源からの情報発信」を考慮した新たな情報拡散モデルを提案する.本モデルを用いて,これまで再現性に課題のあった実際のデマ情報を再現し,本モデルの妥当性を確認した.また,デマ情報の抑制手法の検討および評価もあわせて行った.その結果,デマ情報を否定する訂正情報をより多く拡散させるための手法が明らかになった.
著者
池田 圭佑 岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 風間 一洋 野田 五十樹 諏訪 博彦 篠田 孝祐 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.14, pp.1-6, 2015-02-23

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災において,Twitter を利用して避難情報や被災地の情報が発信され,重要な情報源となった.しかし,Twitter で発信された情報は,急速に不特定多数の人に広まることから,誤った情報が発信されると瞬時に広がるというデメリットも存在する.そのため,デマ情報を早期収束させる方法を確立する必要がある.そこで,我々は Twitter における情報拡散メカニズムを探るため,新たな情報拡散モデルを提案する.提案モデルは,Twitter ユーザを趣味嗜好の概念を持つエージェントとして定義するさらに,同一ユーザが複数回つぶやくことと,情報経路の多重性を考慮する.提案モデルを用い,東日本大震災時に確認されたデマ情報拡散の再現実験をし,実際のデマ拡散の再現性について検討を行う.
著者
白井 嵩士 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1C3OS121, 2018-07-30

<p>ソーシャルメディアでは多くのユーザーが活発な情報交換を行っており、情報が短時間で拡散するという特徴がある。しかし、これらの中にはデマ情報も含まれており、デマ情報の拡散が問題視されている。本研究ではTwitterにおけるデマ情報およびデマ訂正情報の拡散に焦点を当て、これらの拡散の様子を解析するとともに、感染症の伝播モデルを応用した拡散モデルを提案し、早急なデマ拡散の収束を目的とする方策を検討する。</p>
著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 風間 一洋 野田 五十樹 諏訪 博彦 篠田 孝祐 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.NFC-C_1-13, 2016-01-06 (Released:2016-09-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1

During the 2011 East Japan Great Earthquake Disaster, some people used social media such as Twitter to get information important to their lives. However, the spread of groundless rumor information was big social problem. Therefore, social media users pay attention to prevent wrong information from diffusing. The way to stop the spread of a false rumor is needed, so we have to understand a diffusion of information mechanism. We have proposed information diffusion model which is based on SIR model until now. This model is represented by the stochastic state transition model for whether to propagate the information, and its transition probability is defined as the same value for all agents. People ’s thinking or actions are not the same. To solve this problem, we adopted three elements in our model: A new internal state switching model, user diversity and multiplexing of information paths. In this paper, we propose a novel information diffusion model, the Agent-based Information Diffusion Model (AIDM). We reproduce two kinds of false rumor information diffusion using proposed model. One is “single burst type false rumor spread ”, and another is “multi burst type false rumor spread. ”Proposal model is estimated by comparing real data with a simulation result.
著者
鈴木 凱亜 大知 正直 榊 剛史 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1B302, 2018 (Released:2018-07-30)

ソーシャルメディア上でユーザのコミュニティが形成・発展する背景には,ユーザ同士の性格的な相性が関わっていると思われるが,その影響を定量的に捉えた研究は少ない.本研究では,Twitterユーザの投稿テキストから推定された性格スコアと,会話ネットワーク上のコミュニティの分析指標との相関を分析することで,性格とコミュニティ形成の関係を考察した.また,Homophilyと呼ばれる「類は友を呼ぶ」現象が見られるような性格はないか,確認した.本研究により得られる知見は,よりユーザの効用やチームパフォーマンスを向上させるようなSNSプラットフォームの設計などへの応用が期待される.
著者
鳥海 不二夫 榊 剛史
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1287-1299, 2017-06-15

近年,ソーシャルメディアにおいては,震災や選挙,炎上などの社会的イベントにより,特定の話題が大きく取り上げられるバースト現象が頻繁に発生している.そのような社会的イベントがどのように社会に受け止められているかを正確に理解するためには,バースト現象を分析し,どのような人々がどのような意見を表明しているかを明らかにするための技術が必要不可欠である.本研究ではバースト現象発生時に,(1)どのようなトピックが含まれるか,(2)各トピックがどのようなユーザによって拡散されているかを分析することで,バースト現象の詳細を明らかにする手法を提案した.まず,予備評価実験で,提案するトピック分類手法およびユーザ分類手法により適切な結果が得られることを示した.事例分析では提案手法を用いて炎上や自然災害など5つのバースト事例の分析を行い,それぞれの事例において,投稿数が多くかつ多様なユーザに語られていたトピック,投稿数が多いが一部のユーザのみに語られていたトピックを明らかにした.本提案手法は,必ずしも新しい手法ではなく,基本的には既存の手法の組合せによるものである.しかしながら,それによってバースト現象の詳細を分析することが可能であることを示した点が本論文における最も大きな貢献である.Recently, burst phenomena, which mean specific topics are referred widely, occur frequently on social media. Those are caused by some social events such as natural disasters, public election and flaming. To understand how such social events have been received by the society as a whole, we need a new method, which reveal who has what opinion by analyzing burst phenomenon. In this paper, we propose a method to reveal details of bust phenomenon by analyzing (1) what kinds of topics are included in a burst (2) who propagate each topics. In preliminary evaluation experiments, we show that it is possible to acquire appropriate results by the proposed method for topic clustering and use community detection. In detailed case analysis, we analyze 5 bust cases, including natural disasters and flaming, and uncover that some big topics are referred by various users and other big topics are referred by partial users in each cases. The proposed method basically consists of common techniques; those are not so new one technically. The contribution of this paper is to prove that it is possible to analyze burst phenomena in detail by the combination of existing simple methods.
著者
榊 剛史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.552-556, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
吉田 宏司 榊 剛史 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究では,ソーシャルメディアを用いた支持獲得に関して分析と提案を行う.Google+とAKB48を事例として取り上げ,ソーシャルメディアでの支持者の観測可能性に関する分析と,支持者の獲得状況を俯瞰する支持者の類似ネットワークと遷移ネットワークの構築を行う.また,支持者の遷移ネットワークを用いた支持者獲得先の競合ユーザの選択手法の提案を行う.提案手法をAKB48に適用し,その有用性を評価する.
著者
馬場 正剛 鳥海 不二夫 榊 剛史 篠田 孝祐 栗原 聡 風間 一洋 野田 五十樹 大橋 弘忠
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

災害時においては、避難場所等の情報を素早く得ることが重要である。ソーシャルメディアは新聞やテレビよりも素早く情報を得ることができ、その一つとしてTwitterがある。災害時では飛び交っている様々な情報の分類が必要がある。本研究においては、東日本大震災時にTwitterで共有された情報をネットワーク構造によって分類し、そのクラスタリングの評価を行った。
著者
松野 省吾 セーヨー サンティ 榊 剛史 檜野 安弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1D4OS3c01, 2021 (Released:2021-06-14)

企業におけるマーケティングコミュニケーションやニュースの発信など,様々な情報を幅広く伝達する上で,ソーシャルメディアによる情報拡散の影響は無視できなくなっている.特にエコーチャンバーやフェイクニュースの拡散などでは,ソーシャルメディアによる情報拡散が主要な役割を果たしていると言われている.本研究では,企業のPRやニュースの発信において,ソーシャルメディア上の情報拡散の規模がどのような要素が影響しているかを明らかにしていきたい.SNSにおいて社会に対して大きな影響力を持つ人物はインフルエンサーと呼ばれる.そこで,筆者らはインフルエンサーの性質を,1)投稿を拡散するユーザを多くもつユーザ.かつ,2)投稿数の多いユーザ(≅拡散を躊躇なくするユーザ)であると定義し,Twitterの記録から構築したソーシャルグラフを用いて投稿拡散への影響を検証した.その結果,いずれかの性質を持つユーザはランダムに選択したユーザよりも投稿の拡散される確率が高く,特に,プライベートグラフの中でフォロー/フォロワー数が少ないフォロワーを多く抱えるユーザの投稿は最も拡散される確率が高くなることが判った.