著者
小松﨑 敏光 江川 峻哉 池田 賢一郎 櫛橋 幸民 池谷 洋一 浜崎 泰佑 古川 傑 水吉 朋美 浅野 雅世 小林 一女 嶋根 俊和
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.247-251, 2016-10-30 (Released:2016-11-17)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

今回われわれは,原発性肺癌疑いの精査でCT検査を行ったところ甲状腺に腫瘍を認め,穿刺吸引細胞診の結果悪性腫瘍と診断し,摘出術を行った。病理組織学的結果は,肺癌からの転移性甲状腺癌と診断した症例を経験した。転移性甲状腺癌は進行すると,呼吸や摂食に関係し,その後患者のQOLを著しく低下させるため,原発腫瘍の治療状況,全身状態,PS,腫瘍を摘出してその症例のQOLが向上するかどうかを総合的に判断して治療にあたるべきと考えられた。本症例のように急激な増大を認める症例もあり摘出時期を逸しないことも重要と考えられた。
著者
山﨑 永理 砂川 正隆 沼口 佳世 時田 江里香 池谷 洋一 北村 敦子 世良田 紀幸 石川 慎太郎 中西 孝子 久光 正
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.107-113, 2012 (Released:2012-10-24)
参考文献数
30

目的:ポリフェノールの一種であるロズマリン酸は,抗アレルギー作用,抗酸化作用,抗炎症作用などを有することが報告されている.本研究では,アレルギー性鼻炎 (AR) に対するロズマリン酸の有効性について検討した. 方法:TDI 誘発による AR モデルラットを作製し,ロズマリン酸を投与した.鼻過敏症状の観察ならびに,アレルギー症状の誘発に関与する鼻汁中の Substance P (SP), calcitonin gene-related peptide (CGRP), nerve growth factor (NGF) の濃度を測定した. 結果:ロズマリン酸の投与により鼻過敏症状は有意に抑制された.また鼻汁中 NGF の分泌には影響はなかったが,神経ペプチドである SP, CGRP の分泌は有意に抑制された. 結論:ロズマリン酸が AR に対して有効であり,そこには SP, CGRP の分泌抑制が関与していることが示唆された.
著者
志村 智隆 小宅 功一郎 粟倉 秀幸 池谷 洋一 野垣 岳稔 小林 斉 小林 一女 大氣 采女 大谷 友里恵 工藤 健人 郡司 寛之 甘利 泰伸 泉本 彩 井上 由樹子 今泉 直美
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.77-81, 2021

<p>今回,溶連菌感染後反応性関節炎(post-streptococcal reactive arthritis:PSReA)の1症例を経験したのでここに報告する。症例は39歳女性。X月Y–17日,発熱・咽頭痛を主訴に当院救急外来を受診した。口蓋扁桃への膿栓付着を認め細菌性扁桃炎の診断でアモキシシリン内服処方にて帰宅指示となっていた。X月Y日,1週間前からの発熱・咽頭痛の持続と全身的な関節痛を主訴に当科を受診した。口蓋扁桃への膿栓付着は消退し,一般採血所見はWBCの軽度上昇のみでCRP値・ASO値の上昇は認めず溶連菌迅速検査も陰性であった。咽頭痛や関節痛の症状が強く,急性リウマチ熱(acute rheumatic fever:ARF)を視野に補体価を含めた採血を提出し鎮痛薬の処方としていたが,X月Y+5日,耐え難い咽頭痛・頸部痛の出現あり当科を再診した。採血ではWBCの軽度上昇のみで赤沈値は陰性であったがASO値の上昇を認め,溶連菌感染後約10日後の関節症状出現という経過からPSReAの診断となった。PSReAはARFに類似した検査所見や症状を示すとされるが,血液検査における炎症反応の上昇や赤沈値の亢進は目立たない場合が多いとされる。ARFとは異なった疾患として分類され心合併症は起こらないものとされるが,溶連菌性扁桃炎・咽頭炎を日常診療で頻回に扱う我々耳鼻咽喉科医としては留意しておくべき病態と考えられる。</p>
著者
石川 慎太郎 久保 哲也 村田 健三郎 池谷 洋一 中西 孝子 砂川 正隆 久光 正
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.527-534, 2011 (Released:2011-11-15)
参考文献数
38

[Objective] Perspiration is almost only heat radiation mechanism under high temperature environments. And sudoriferous water is supplied from blood. Blood flow is determined by blood fluidity, blood volume and the cardiovascular system. It was reported that strong stress decreased blood fluidity.In this experiment, we investigated the relation between blood fluidity and water supply in rats loaded with forced exercise in high temperature environment.[Methods] SPF male Wistar rats weighing 250g were used. All animals were put in high temperature environment (Wet Bulb Globe Temperature; WBGT: 28°C) through whole experimental period. The rats were divided into four groups randomly; Suitable temperature environment-Exercise-Non water intake (SEN), High temperature environment-Exercise-Non water intake (HEN), High temperature environment-Exercise-Water intake (HEW) and Baseline (BL). In a group of water supply, distilled water was served before and later exercise by sonde forcibly. The blood was collected before or later of exercise and blood and erythrocyte suspension fluidity were measured.[Results] In the HEN, hydroperoxides, blood sodium, lactic acid and adrenaline increased while blood and erythrocyte suspension fluidity were decreased significantly compared with the BL. In addition, the hematocrit did not increase even if water equivalent to 4% of body weight lost it.[Conclusion] We speculate that exercise in high temperature environment decreases blood fluidity. However, the water supply in exercise that might not be sufficiently improve blood fluidity.