著者
岩田 あきほ 川島 寛乃 河野 慎 中澤 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.4I4GS7e01, 2021 (Released:2021-06-14)

本研究ではフィギュアスケートの動画からステップシークエンスのエレメントの自動判別に取り組む.フィギュアスケートにおいて,全ての演技の採点は一つ一つのエレメントの判定と出来栄えの評価によって構成されており,審判の目視によってすべて行われている.しかし,エレメントの判定と評価を同時に行うことは審判にとって負担となっている.そこでエレメントの判別を自動で行うことで審判の負担が軽減し,審判は出来栄えの判定に注力できる.本研究ではエレメントの判別を動画の分類問題として定式化し取り組む.そのためにデータセットを作成する必要があるが,フィギュアスケートの特性上,望ましくない性質をもってしまう.そこで、この性質を扱う手法を適用した畳み込みニューラルネットワークを用い,エレメント認識を行う.実験では,フィギュアスケートデータセットにおける手法の有効性を検証し,その結果を報告する.
著者
栄元 優作 江頭 和輝 河野 慎 西山 勇毅 大越 匡 米澤 拓郎 高汐 一紀 中澤 仁
雑誌
研究報告高齢社会デザイン(ASD) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2017-ASD-9, no.16, pp.1-7, 2017-08-17

近年,食習慣の悪化による肥満が社会問題となり,継続的な食習慣の改善手法が求められている.継続して日々の習慣を変えるには動機の維持向上が重要であり,ユーザの同期を持続させる手法として,ゲームのメカニズムを用いたゲーミフィケーション手法が提案されている.ゲーミフィケーション手法の 1 つである 「競争手法」 は,歩数などのユーザの行動量を可視化し,他者との優劣を意識させることで,動機の維持向上を促す.しかし食事分野では,食事指標として知られるカロリー値の正確な算出が難しく,計算には労力がかかるため,競争の適用が困難である.本研究では本問題を解決するために,ユーザ間で食事の健康度合いを競わせるシステム 「HealthFight」 を構築し有効性を評価する.本システムは食事画像を共有するソーシャルメディアであり,投稿した食事画像の 「ヘルシーさ」 をユーザ間で競わせる.競争相手は食事ごとに更新されるため,ユーザは食事ごとに違った楽しさを感じられ,継続した利用が見込める.本システムによる食習慣の変化を評価するため,7 人の被験者に対して 20 日間の実験を行った.その結果,他者の評価を気にしやすい被験者の食生活は,健康的になる傾向が見られた.
著者
河野 慎 植田 一博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-E_1-8, 2017-01-06 (Released:2017-01-20)
参考文献数
23

People collect and use information about real world from internet to help their daily activities. In particular, the number of users in microblog such as Twitter is so large that users can get a diversity of information. They can elicit not only the information which they need from microblog posts but also the location which is indicated by the contents posted in microblog. While previous approaches apply corpus-based or machine learning that require various prior knowledge such as natural language processing and feature engineering, our approach is able to estimate the location without those requirements with extension of long-short term memory (LSTM). In our experiment, we apply our approach to geo-tagged tweets posted in Twitter and show that this approach is effective in outperforming corpus-based and previous works that use support vector machine (SVM) with bag-of-words (BoW).
著者
河村 和紀 池之内 颯都 石川 峻弥 村上 綾菜 河野 慎 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2G4OS21d04, 2023 (Released:2023-07-10)

本論文では、グラフで表される環境において事前知識を有効に活用して最適な方策を求めるための世界モデルに基づく強化学習手法を紹介する。ゲームや交通ネットワーク、知識グラフ、社会ネットワーク、通信ネットワークなど、仮想世界や現実世界においてグラフで表される環境は多い。これらの環境で最適な方策を求めるための手法はいくつかあるが、既存の研究においては、類似した環境下で獲得した事前知識を新たな方策を学習する際に活用できていない。そこで、本研究ではグラフで表される環境に対する事前知識を獲得した状態でより良い方策を学習する手法を提案する。また、グラフで表される迷路ゲームをシミュレーションし、提案手法が事前知識を用いない単純な強化学習モデルよりも性能が良いことを示す。
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.328-332, 1996-03-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

カリフォルニア産あきたこまち,コシヒカリ,ササニシキの食味を,国内産米の同一品種を比較対照として,調査した.その結果,次のことが認あられた.(1) 理化学的特性においてカリフォルニア産米は,玄米の整粒が少なく,精白米の透光度が低く,タンパク質含量が低く,ヨード呈色度が大きかった.(2) カリフォルニア産米は精白米と炊飯米の外観が悪く,香りが悪く,粘りが弱く,その結果,総合評価が悪かった.(3) 供試したカリフォルニア産米の食味評価が低かった原因は栽培条件にあると考えられた.
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.95-104, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

機器分析による米の食味評価法が開発され実用化されている。しかし, 機器分析による米の食味評価が官能試験の食味評価に換えて利用できるか, それぞれの機器で得られた食味評価に相関があるか, などの客観的データに少ない。そこで, 近赤外分光法を利用した3機種と電磁波を利用した1機種を用い, 61種類の米の機器分析と官能試験とを行った。機器分析による食味評価と官能試験の総合評価との相関は低かった。したがって, これらの機器は食味評価として数値を示すほどの精度はなく, 食味別に米をグループ分けすることに用いるのが適当であった。各機器の食味評価値の間に互換性はなかった。機器分析法による米の食味評価の今後の発展のためには食味評価尺度の統一が不可欠である。
著者
河野慎 米澤拓郎 中澤仁 川崎仁嗣 太田賢 稲村浩 徳田英幸
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-69, no.3, pp.1-6, 2013-12-12

近年 GPS が搭載されたスマートフォンや SNS の普及によって,ユーザがリアルタイムに位置情報を付加させた情報を発信できるようになってきた.これらの位置情報付き発言を収集・解析することで,人々が集まって形成されるソーシャルイベントを検出することが可能となる.ソーシャルイベントを検出するには発見と分類の 2 段階の過程があり,本研究ではイベントが発見された後の分類手法を提案する.イベントには特徴・性質として内容・規模・大衆性の 3 つがあると考え、分類軸として大衆性に着目する.位置情報を付与させて発言しているイベント参加者のフォロー関係を解析することで大衆性の推定をし,イベントの分類を目指す.本研究ではリアルタイムに解析を行えるツールを設計・実装し,大衆性の推定手法について考察を行った.
著者
河野 慎 米澤 拓郎 中澤 仁 川崎 仁嗣 太田 賢 稲村 浩 徳田 英幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.72-82, 2015-01-15

近年,GPSを搭載したスマートフォンとSNSの普及によって,リアルタイムに位置情報を付加させた発言をユーザが投稿する機会が増加している.この機会によって投稿された発言の中には実世界イベントに関する情報が含まれており,その一部はユーザが体験したり,目撃したりしたことに関するものであることが多い.これらの発言を収集し,解析することで実世界で実際に起きている社会イベントを検出することが可能となる.イベントを検出するために必要な発見と分類という2つの工程のうち,本研究ではイベントの分類に着目し,イベント参加者を利用したイベント分類手法を提案する.イベント参加者の多様性を意味する大衆性という新しい分類軸を定義し,イベント参加者がフォローしているユーザの解析によるイベントの分類を目指す.本研究では解析ツールの設計と実装をし,ツールを用いてあらかじめ実際のデータをもとに発見された社会イベントの解析を行い,分類を行った.Yahoo!クラウドソーシングにおいて一対比較法を用いて大衆性に基づき分類した結果を取得し,本手法を適用した解析結果と比較・考察を行った.その結果,大衆性に関してクラウドソーシングを用いた調査結果と回帰分析による提案手法の分析結果に一定の相関性があることを示した.