著者
河野 浩之 橋本 洋一郎 平野 照之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.594-601, 2021 (Released:2021-09-28)
参考文献数
34
被引用文献数
1 5

新型コロナウイルスに対するアデノウイルスベクターワクチンであるバキスゼブリア®(アストラゼネカ社)の副反応として,血小板減少症を伴う血栓症(特に脳静脈血栓症)が報告されるようになり,欧州医薬品庁は「非常にまれな副反応」として記載すべき病態と結論づけている.ヘパリン起因性血小板減少症と類似した病態といわれている.頻度は少ないものの,本病態が疑われる場合は,ヘパリン投与や血小板輸血を避け,高用量免疫グロブリン静注療法やヘパリン以外の抗凝固薬投与など,関連知見に基づいた最善と思われる治療を速やかに提供すべきである.本病態は新しい概念でありエビデンスは確立していないが,現状で報告されている内容をまとめた.
著者
河野 浩之 西尾章治郎 長谷川 利治
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.54, pp.1-8, 1987-07-24

ランダム多重アクセス方式における通信プロトコルとして,近年提案された木型アルゴリズムは安定したスループット特性を示すものとして注目され,幅広い研究が行われている.また,スループット特性を改善するために予約機構を取り入れた木型アルゴリズムもいくつか提案されている.本稿では,各端末のアドレスに基づいた決定的木型アルゴリズムを再送アルゴリズムとして用いた予約機構付きTREE-DTA方式を新たに提案し,その性能を評価する近似解析式を求める.さらに,端末数,トラヒック量,一つのメッセージを構成するパケット数などを主要なパラメータとするシミュレーション実験により,予約機構付きTREE-DTA方式の性能を評価する.さらに,システムエラーに対する強靭性についても論ずる.In random multiple-access communication systems, it has been shown that tree type collision resolution algorithms excel in the channel stability. Recently, several tree type algorithms employing reservation mechanisms have been proposed for achieving higher channel throughput. In this paper, extending the algorithm of Tsybakov and Berkovskii, a new tree type algorithm with message reservation function is proposed. This algorithm is based on the Q-ary (address-based) deterministic tree algorithm. The throughput-delay performance of the proposed scheme will be apploximately analyzed under finite population model, and the superiority of our algorithm will be shown under the simulation experiments. The robustness against system error will be also discussed.
著者
羽藤 英二 朝倉 康夫 山本 俊行 森川 高行 河野 浩之 倉内 慎也 張 峻屹 高見 淳史 井料 隆雅 佐々木 邦明 井上 亮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

プローブ技術を援用したデータフュージョン理論による総合的行動調査の高度化に向けて、1)行動文脈の自動識別アルゴリズムの開発、2)プローブデータを基本とした交通調査・管制システムの開発、3)これらを組み込んだモビリティサービスの実装研究を行ってきた。時系列に同一個人の行動データの蓄積が可能なプローブ技術を用いた総合的行動調査の可能性を示すと同時に、様々な交通施策評価や交通管制の効率化に向けたプローブ技術とデータフュージョン理論の可能性を明らかにすることができた。特にセンサー情報を利用した行動判別アルゴリズムでSVMにAdaboostアルゴリズムを組み合わせることで、大幅な精度向上が可能になり、加速度センサーを有するスマートフォンによって95%以上の確率で交通行動の自動収集判別を可能にすることに成功した.こうした技術とPT調査を組み合わせた総合的な調査プラットフォームを構成することで,従前のワンショット型の交通調査からAlltheyear型の交通調査への移行と,総合的調査技術を用いた交通計画の可能性を示した.