著者
末本 誠 朴木 佳緒留 伊藤 篤 松岡 広路 津田 英二
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

<目的>本研究は、現代GPプログラムとして取り組んだ「アクションリサーチ型ESDの開発と推進」で得た成果(平成)19~21年度)を、日本国内外に普及、交流するための実践・研究的な方法の探求を課題にしている。<成果>(1)今年度は早稲田大学、東京農工大学等、日本国内でESDに取組む主要な大学を尋ね、ESD理解、カリキュラム、地域社会との関わり、ステークホルダーの役割などについての実地調査を行ったことにより、国内の主要な大学でのESDに関する具体的な取り組みの実態が把握された。また、神戸大学での取組みとの異同を議論することにより今後の実践研究的交流の基盤を構築することができた。(2)カナダモントリオール大学、同ケベック大学モントリオール校を尋ね、同上の点についての調査を行ったことにより、同上の成果を得たほか、国際的なESD研究を交流するための関係を構築した。(3)これらの調査活動で収集した資料を、データベース化した。これらは、その存在をweb上で公開し広く活用されるようにする予定である。(5)22年3月にフランスからライフヒストリーの研究者を招いて、ESDの国際シンポジウムを開催した。これにより価値観や生活態度を変えるというESDの課題に応える、具体的な教育方法論を開発する理論的な根拠を深めることができた。(6)神戸大学を会場として開かれた、平成22年9月の日本社会教育学会の研究大会において、「会場校企画」として「持続可能な社会作りと社会教育の再構成」をテーマにしたシンポジウムを開催した。これにより、大学でのESD実践・研究を社会教育の領域で展開する可能性が明らかにすることができた。
著者
横須賀 俊司 松岡 克尚 津田 英二
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

害者ソーシャルワークを実践していくには、まず、今のソーシャルワーカーが自分自身を自己変革していく必要がある。その次に、ソーシャルワーク理論における現在の到達点である交互作用モデルを拠り所にしながら、人と環境という二元論的とらえ方を改め、人と環境を一元論的にとらえていくことが求められる。そのために、障害者の身体を交互作用が生じる場としてとらえていかなければならない。さらに、これまでとは異なるオルタナティブな障害者ソーシャルワーク専門職を実現するために、科学化・アカデミックな理論を必ずしも求めるのではなく、障害者の経験知に基づく活動を支えていき、ソーシャルワーカー自身が相対化できる視点や知識を形成していかなければならないのである。
著者
津田 英二
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度はこの研究助成の最終年度であり、3年間の研究成果をまとめ、次のステップにつなげる努力をした。第一に、この研究機関中に整備した研究フィールド(特に神戸大学大学院総合人間科学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究センターのサテライト施設のびやかスペースあーち」)において、インフォーマルサービスの形成過程とその支援のあり方について実践的研究を遂行し、データの獲得と分析を行なった。第二に、インフォーマルサービスの充実に向けた先駆的実践について、継続して情報収集と分析し、研究ネットワークの形成を行った。第三に、2006年9月に群馬大学で行われた日本特殊教育学会での口頭発表、同月にイギリスのオープンユニバーシティで行われた研究集会で口頭発表を行なった。第四に、研究論文として『Brithish Journal of Learning Disabilities』誌や『福祉教育ボランティア学習学会年報』、神戸ヒューマンコミュニティ創成研究センター編『人間像の発明』などに研究成果を発表した。第五に、理念や概念の検証、実践的研究に関するデータ、先駆的実践の整理や分析などを整理し、口頭発表や研究論文発表などをふまえて3年間の研究成果を『インクルーシヴな地域社会をめざす拠点づくり』という冊子にまとめ、刊行した。