著者
清水 節
出版者
金沢工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

オレゴン大学ナイトライブリーのスペシャルコレクションズに所蔵されている「ウッダード文書」の史料を調査した。この史料を用いて、従来、GHQの宗教政策史において基礎的な文献とされてきたウッダードの著作『The Allied Occupation of Japan 1945-1952 and Japanese Religions』(E. J. Brill 1972)を再検証した。これにより、本書の成立過を解明した。また、未掲載に終わった部分の解明と分析により、ウッダードの真意を理解する上での重要な手がかりを得ることができた。
著者
清水 節
出版者
金沢工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、日米の史料を用いて「宗教法人法」の起草過程を分析したものである。GHQの民間情報教育局宗教課、文部省宗務課、宗教界指導者の各見解と議論された論点を明らかにした結果、日米の文化的・歴史的背景に起因する法観念の相違や、各々の理想とする宗教法人像の相克が顕在化し、対立と妥協の末に本法が生み出されたことが解った。また、本研究の一環で「国有境内地処分法」の起草過程も明らかにした。
著者
山崎 康男 増田 昭夫 清水 節夫
出版者
工業化学雑誌
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1323-1326, 1969

硫酸存在下でのトルエンとアセトアルデヒド(Baeyer反応,以後B反応と略す)またはアセチレン(Reichert-Nieuwland反応,以後R-N反応と略す)の反応における生成物は,1-(o-トリル)-1-(p-トリル)エタン(OPD)および1,1-ジ(p-トリル)エタン(PPD)であるが,これらの生成比は両反応においてまったく逆になっている。すなわちB反応ではOPD:22%,PPD:78%であるのに対し,R-N反応ではOPD:73%,PPD:27%(反応温度はいずれも15℃)。そこで,この相違がいかなる反応段階にあるかを明らかにするために,反応の中間生成物がB反応ではメチルトリルカルビノール(MTC)類,またR-N反応ではビニルトルエン(VT)類であると考え,各段階にわけて,生成物の異性体組成を測定した。その結果,両反応におけるOPDとPPDの生成比の逆転はB反応ではMTC類,そしてR-N反応ではVT類が生成される段階にあることがわかった。これはR-N反応において,触媒として用いられる硫酸水銀が配向性に対して特異な影響を与えているために生じたものと考えられる。