著者
大澤 剛士 三橋 弘宗 細矢 剛 神保 宇嗣 渡辺 恭平 持田 誠
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2105, (Released:2021-10-31)
参考文献数
56

Global Biodiversity Information Facility(GBIF)日本ノード JBIFは、体制を刷新した 2012年以降、国内における生物多様性情報に関わる活動の拠点として、生物多様性に関わるデータの整備や公開、それらの支援、普及啓発等の活動を行ってきた。日本は 2021年 6月をもって GBIFの公式参加国、機関から外れることが決定しているが、 JBIFは引き続き同様の活動を継続していく。本稿は、 JBIFのこれまでの主な活動をまとめると同時に、国内における生物多様性情報が今後進むべき方向、課題について意見を述べ、日本の生物多様性情報の発展について今後必要と考える事項について提案する。
著者
川島 逸郎 渡辺 恭平
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.49, pp.67-83, 2020 (Released:2020-03-31)

名古屋市博物館所蔵の「吉田翁虫譜(小塩五郎写本・四巻仕立て)」(原本は、尾張藩士で「嘗百社」の幹部でもあった吉田高憲(平九郎, 号雀巣庵, 1805–1869)の作)のうち、第一巻に含まれる「蜂(はち)譜」(二十二丁)について、現代の視点から詳細な解析および同定を行った。その結果、概して写実的に描かれてはいるものの、全形図133 個体(部分図や巣、巣材、獲物などを除く)のうち、種レベルでの同定が可能なものは33 個体30 種であった。各種の生活や習性については詳しい記述がなされている一方、その配列や呼称などには規則性はみられず、西洋での系統分類のような視点は存在していない点が窺えた。描かれた種構成からは、当時の尾張から三河地方における、平野から丘陵地にかけてのハチ相や生息環境(里山)の一端も読み取れる。
著者
渡辺 恭平 郷右近 勝夫 前田 泰生
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.49-57, 2023-06-25 (Released:2023-06-28)
参考文献数
14

島根大学に標本が収蔵されている日本産コンボウヤセバチ類の寄主,訪花植物および分布を報告した.オオコンボウヤセバチGasteruption japonicum Cameron, 1888の寄主としてスミスメンハナバチHylaeus(Nesoprosopis)floralis(Smith, 1873),ヨーロッパメンハナバチH.(N.)pectoralis Förster, 1871,ニッポンメンハナバチH.(N.)transversalis Cockerell, 1924)(ムカシハナバチ科)およびオオジガバチモドキTrypoxylon malaisei Gussakovskij, 1933(ギングチバチ科)を初めて記録した.ヒメコンボウヤセバチG. boreale(Thomson, 1883)の寄主としてスミスメンハナバチとニッポンメンハナバチを初めて記録した.ミナミヒメコンボウヤセバチ(新称)Gasteruption sinicola(Kieffer, 1924)を西表島産の標本に基づき日本から新たに記録した.日本から5例目となるクボミコンボウヤセバチG. oshimense Watanabe, 1934を島根県から記録した.12科19種の植物を日本産コンボウヤセバチ科の訪花植物として記録した.日本産コンボウヤセバチ科の生態について考察した.
著者
渡辺 恭平
出版者
Kanagawa Prefectural Museum of Natural History (Kanagawa Prefectural Museum)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.52, pp.7-44, 2023-03-28 (Released:2023-03-28)

日本産のハエヒメバチ亜科Orthocentrinaeの9 属22 種について、分類学的および動物地理学的研究をおこなった。Apoclima Förster, 1869と亜属Dicolus Förster, 1869をそれぞれ日本新産属および亜属として記録した。4 新種、エゾチビハエヒメバチApoclima brevicauda sp. nov.、オナガチビハエヒメバチApo. longicauda sp. nov.、ニッポンヒラタハエヒメバチHemiphanes japonicum sp. nov.、ムナコブオナガハエヒメバチProclitus tuberculatus sp. nov.を記載し、学名と標準和名を命名した。8日本新産種、バイカルハエヒメバチAniseres baikalensis Humala, 2007、クボミヒラタハエヒメバチH. gravator Förster, 1871、オオクシアシナガハエヒメバチMegastylus (Dicolus) excubitor (Förster, 1871)、フタヒダアシナガハエヒメバチM. (Dic.) impressor Schiødte, 1838、スネボソアシナガハエヒメバチM. (Dic.) pectoralis (Förster, 1871)、キョクトウアシナガハエヒメバチM. (Megastylus) kuslitzkii Humala, 2007、モトグロオナガハエヒメバチProclitus ganicus Sheng & Sun, 2013、ミヤマオナガハエヒメバチPr. praetor (Haliday, 1838)を記録し、標準和名を命名した。これらに加えて、既知の10種、タイリクツヤハエヒメバチ(標準和名新称)Aperileptus albipalpus (Gravenhorst, 1829)、ムネヒダツヤハエヒメバチ(標準和名新称)Ape. vanus Förster, 1871、クナシリハエヒメバチ(標準和名新称)Eusterinx (Divinatrix) kurilensis Humala, 2004、ジュズヒゲハエヒメバチE. (Holomeristus) tenuicincta (Förster, 1871)、トゲスジハエヒメバチ(標準和名新称)E. (Ischyracis) bispinosa (Strobl, 1901)、ムネツヤヒラタハエヒメバチ(標準和名新称)H. erratum Humala, 2007、モモボソアシナガハエヒメバチ(標準和名新称)M. (M.) cruentator Schiødte, 1838、モモブトアシナガハエヒメバチ(標準和名新称)M. (M.) orbitator Schiødte, 1838、ハラボソハエヒメバチNeurateles asiaticus Watanabe, 2016、ツヤハラコハエヒメバチ(標準和名新称)Pantisarthrus lubricus (Förster, 1871) についても新分布記録を報告した。旧北区東部産Apoclimaと全世界産のHemiphanesの種への検索表を提供した。
著者
渡辺 恭平
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.50, pp.55-136, 2021

日本産のチビトガリヒメバチ亜科の 28 属 61 種について、分類学的および動物地理学的研究をおこなった。7 日本新産属、<i>Diaglyptidea</i> Viereck, 1913、<i>Micraris</i> Townes, 1970、<i>Surculus</i> Townes, 1970、<i>Bentyra</i> Cameron, 1905、<i>Isadelphus</i> Förster, 1869、<i>Megacara</i> Townes, 1970、<i>Tropistes</i> Gravenhorst, 1829 を記録した。これらのうち、<i>Micraris</i> と <i>Surculus</i> は旧北区初記録でもある。17 新種、タテスジマメトガリヒメバチ <i>Acrolyta japonica</i> <b>sp. nov.</b>、リュウキュウマメトガリヒメバチ <i>Micraris ryukyuensis</i> <b>sp. nov.</b>、ホソミマメトガ リヒメバチ <i>Surculus japonicus</i> <b>sp. nov.</b>、キマダラマメトガリヒメバチ <i>Bentyra ryukyuana</i> <b>sp. nov.</b>、イシガキスジトガリヒメバチ <i>Paraphylax elegans</i> <b>sp. nov.</b>、イズミノガトガリヒメバチ <i>Pa. politus</i> <b>sp. nov.</b>、ヨコスジトガリヒメバチ <i>Pa. transstriatus</i> <b>sp. nov.</b>、ヤクシマスジトガリヒメバチ <i>Pa. yakushimensis</i> <b>sp. nov.</b>、オキナワスジトガリヒメバチ <i>Pa. yambarensis</i> <b>sp. nov.</b>、ニホンマメトガリヒメバチ <i>Hemiteles japonicus</i> <b>sp. nov.</b>、スミイロマメトガリヒメバチ <i>H. kuro</i> <b>sp. nov.</b>、ハネモンマメトガリヒメバチ <i>H. maculipterus</i> <b>sp. nov.</b>、ハラアカマメトガリヒメバチ <i>H. yamatonis</i> <b>sp. nov.</b>、オマガリチビトガリヒメバチ <i>Isadelphus nigrus</i> <b>sp. nov.</b>、サメハダチビトガリヒメバチ <i>Lochetica japonica</i> <b>sp. nov.</b>、タチチビトガリヒメバチ <i>Tropistes shimizui</i> <b>sp. nov.</b>、ウチダチビトガリヒメバチ <i>Uchidella toichii</i> <b>sp. nov.</b> を記載し、学名と標準和名を命名した。9 日本新参種、ヒゲブトマメトガリヒメバチ <i>A. flavicoxis</i> Sheng & Sun, 2014、キムラマメトガリヒメバチ <i>A. rufocincta</i> (Gravenhorst, 1829)、フサヒゲマメトガリヒメバチ <i>Diaglyptidea conformis</i> (Gmelin, 1790)、ヨリメマメトガリヒメバチ <i>Bathythrix margaretae</i> Sawoniewicz, 1980、トムソンマメトガリヒメバチ <i>Ba. thomsoni</i> (Kerrich, 1942)、シェンクサカゲロウトガリヒメバチ <i>Dichrogaster nitida</i> Sheng & Sun, 2014、オオズチビトガリヒメバチ <i>Megacara similis</i> Sheng, 1999、カミキリチビトガリヒメバチ <i>Orthizema semanotae</i> Sheng & Sun, 2014、フトヒゲハラアカオナシヒメバチ <i>Mesoleptus laevigatus</i> (Gravenhorst, 1829) を記録し、標準和名を命名した。イネマメトガリヒメバチ <i>Bathythrix narangae</i> Uchida, 1930 をクワナマメトガリヒメバチ <i>Ba. kuwanae</i> Viereck, 1912 の新参異名とした。ツヤアブトガリヒメバチ <i>Ethelurgus politus</i> Townes, 1983 をホソヒラタアブトガリヒメバチ <i>E. episyrphicola</i> Kusigemati, 1983 の新参異名とした。アブトガリヒメバチ <i>Ethelurgus sodalis fuscipes</i> Townes, 1983 をケヒラタアブトガリヒメバチ <i>E. kumatai</i> Kusigemati, 1983 の新参異名とし、さらにタイリクアブトガリヒメバチ <i>E. sodalis</i> (Taschenberg, 1865) の亜種とした。国内における新分布記録と、<i>Acrolyta</i>、<i>Bathythrix</i>、<i>Paraphylax</i>、<i>Ethelurgus</i>、<i>Rhembobius</i>、<i>Aclastus</i>、<i>Hemiteles</i>、<i>Isadelphus</i>、<i>Lochetica</i>、<i>Gnotus</i>、<i>Uchidella</i> の日本産種への検索表を提供した。
著者
渡辺 恭平
出版者
Kanagawa Prefectural Museum of Natural History (Kanagawa Prefectural Museum)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.49, pp.29-66, 2020 (Released:2020-03-31)

日本産トガリヒメバチ亜科の12 属について、分類学的および動物地理学的記録を報告した。12 新種、ヤマトクロトガリヒメバチAritranis kuro sp. nov.、アナアキトガリヒメバチBuathra nipponica sp. nov.、ダイダイトガリヒメバチCryptus daidaigaster sp. nov.、オオツヤトガリヒメバチGlabridorsum japonicum sp. nov.、アマノトガリヒメバチGotra elegans sp. nov.、アショロトガリヒメバチHoplocryptus ashoroensis sp. nov.、キタトガリヒメバチH. ezoensis sp. nov.、セマルトガリヒメバチH. intermedius sp. nov.、ホクリクトガリヒメバチH. japonicus sp. nov.、ハネモントガリヒメバチH. maculatus sp. nov.、イズトガリヒメバチH. toshimensis sp. nov.、ヒゲジロマルムネトガリヒメバチTrychosis breviterebratus sp. nov. を記載し、学名と標準和名を命名した。ユウヤケトガリヒメバチHylophasma luica Sheng, Li & Wang, 2019 とツシマトガリヒメバチPicardiella melanoleuca (Gravenhorst, 1829) を日本から新たに記録した。前者は属レベルでも日本新産である。チャハマキトガリヒメバチIschnus homonae (Sonan, 1930) の属を記載時の所属であるGambrus に戻し、未知であったオスも含めて再記載を行い、本州と伊豆大島、八丈島、対馬から新たに記録した。九州からのみ知られていたミノウスバトガリヒメバチAgrothereutes minousubae Nakanishi, 1965 を本州と四国から新たに記録した。キスジトガリヒメバチCaenocryptoides convergens Momoi, 1966 のオスを新たに記載した。国内では北海道からのみ知られていたダイアナトガリヒメバチCr. dianae を本州から新たに記録した。ムネアカトガリヒメバチHo. pini の色彩変異を整理し、未知であったオスと併せて再記載を行い、三宅島、四国、九州および屋久島から新たに記録した。従来奄美大島で得られたホロタイプしか知られていなかったスミヨウトガリヒメバチHoplocryptus sumiyona Uchida, 1956 の2 個体目となる個体を徳之島から発見して報告した。Caenocryptoides、Cryptus、Gambrus、Gotra、Hoplocryptus、Picardiella、Trychosis の7 属について日本産種への検索表を提供した。