著者
宗森 純 宮内 絵美 牟田 智宏 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2584-2594, 2001-11-15
被引用文献数
8

PDA(携帯情報端末)は小型軽量で移動が容易なため,位置情報が新たな情報のパラメータの1つとなる.位置情報を携帯電話やPHSとGPSとを組み合わせて知らせるサービスは多数あるが,クライアント双方が動き回り,相手の位置情報などをクライアント自体で画面に出せるサービスは今まであまりなかった.そこでPDAとGPSそれに携帯電話とを用い,この形態のサービスを実現する電子鬼ごっこ支援グループウェアを開発した.そして位置情報の座標を変換し,お互いに離れている遠隔地間で行う鬼ごっこを含む4種類の電子鬼ごっこ実験と,比較のための従来の鬼ごっこ実験とを2カ所の大学で24回行った.これらの実験の結果から下記のことが分かった.(1)サービスを工夫するとGPSなどの機器を用いた電子鬼ごっこは,機器を使わない鬼ごっこより評価が高くなり,GPSによる相互の位置情報は鬼ごっこには有効であった.(2)電子鬼ごっこにおいてGPSの精度を下げた表示方法をとると,捕まるまでの時間は通常の精度の場合より延びたが,機器を用いない鬼ごっこよりは短い時間で捕まえることができた.(3)遠隔地からの電子鬼ごっこへの参加が実現したが,相手が近寄ってくる前兆や,捕まるときの実感を表す機能が必要であることが分かった.PDA (Personal Digital Assistant) is highly portable,and the positioning data will become important data for a PDA.There are many location-aware services.But most of services using PDAs and GPSs are one-way services.So, we should develop two-way interaction services.That is, the services that clients of the system should move freely and get and present location information of other clients easily.We have developed the electronic playing tag support groupware.The system consists of a PDA, a GPS and a mobile phone.We performed five types of experiments at two universities 24 times.Four types are the electronic playing tags and the remainder is a conventional playing tag.One of the experiments can realize participation between remote universities.The results of experiments were showed below.(1) The devised services based on the electronic playing tag support groupware were better estimation than that of the conventional playing tag.The mutual positioning information using a GPS was effective for the playing tags.(2) If the accuracy of a GPS decrease, we spend a little more time to catch.But the time did not exceed the playing time of the conventional play tag.(3) We can realize the electronic playing tag between remote universities.But we should add the realty using the remainder of five sense for lack of seriousness.
著者
鎌田 清孝 土井 俊哉 尾形 久直 賀戸 久 湯ノ口 万友 白樂 善則
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4_2, pp.867-870, 2000 (Released:2007-02-26)
参考文献数
10

Environmental magnetic noises change with time influence biomagnetic measurements. There are two types: artificial magnetic noises, and those caused by natural fields For example, the former are caused by the movement of objects composed of magnetic materials, such as cars or trains, elevators, and fan-pumps of air conditioners, on the other hand, the latter are caused by natural fields, such as volcanoes or solar wind. The magnitude of geomagnetism is about 10 -4 T, and that of movements of cars or trains, elevators, and fan-pumps of air conditioners are 10-6 ∼ 10 -10 T. By contrast, the magnitude of magnetoencephalogram or magnetocardiogram is 10-12 ∼ 10 -14 T. Although they are, very weak, environmental magnetic noises cannot be ignored we measured the temporal vertical component of geomagnetic changes with a SQUID (Superconducting Quantum Interference Device) magnetometer in the vicinity of the crater of the Mount Sakurajima volcano for about 40 days. taken, By comparing our data taken by SQUID with the data of by the magnetic observatory of the Japan Meteorological Agency, we confirmed that our data are convincing. The influence of magnetic fluctuation caused by volcanoes on biomagnetic measurement is also discussed.
著者
福留 麻理恵 玉利 陽三 湯ノ口 万友
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成22年度電気関係学会九州支部連合大会(第63回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.243-244, 2010 (Released:2012-02-24)

生体磁気刺激は神経細胞を刺激する方法の一つであるが、局在刺激が困難であった。そこで円形コイルを二つ組み合わせて8の字コイルにすることで局在性がある程度向上した。しかし、これらのコイルでは刺激電流分布を変更することができず、コイルを動かすことなく刺激部位を自由に変更することができない。本研究室では大小2つの8の字コイルを組み合わせたeyeコイルを用い、コイル電流を制御することで刺激部位を0.5cm程度移動できることを報告済みである。そこで本研究ではeyeコイルを構成する小コイルのコイル径を左右で異なる大きさにし、コイル電流によって刺激電流分布を制御し、刺激部位の範囲をさらに広げる手法を提案する。
著者
外園 洋輝 湯ノ口 万友 塗木 淳夫
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.521-521, 2013

本研究では,バーチャル環境による新たな知見から運動制御の解明を目指している.そこで我々は,触覚デバイスとバーチャルリアリティを用い,運動に重要な情報である視覚と触覚の計測が可能なバーチャル環境による立体視把持運動システムを構築した.視覚の遅延が把持と重さの知覚へ及ぼす影響を調査した.視覚遅延把持運動実験から,視覚遅延が物体を重く感じさせる事が分かった.しかし,把持力,把持力の変化率に変化は見られなかった.これは,重さの知覚と把持運動は別々に制御されていることを示唆している.
著者
川端 俊一 川畑 匠朗 山田 正文 柳田 聖香 塗木 淳夫 湯ノ口 万友 Rothwell John
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.110, no.399, pp.121-124, 2011-01-20

人間は感覚情報をもとに外界からの刺激を感じ取り,自覚的な体験として処理する.この処理の際に,視覚や聴覚といった個々の感覚のみで処理するのではなく,感覚同士が必然的に相互作用し合って総合的に処理している.つまり,人間の認知処理の仕組みの解明に当たっては個々の感覚だけでなく感覚の相互作用の解明も重要であることが言える.本研究では,視覚刺激に触覚刺激と聴覚刺激を加え,視覚情報の認知に触覚と聴覚がどのような影響を及ぼすのかを調べた.その結果,それぞれの感覚の提示の種類や,提示時間によって,感覚の相互作用に差が生じることがわかった.
著者
宗森 純 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.67, pp.15-22, 2000-07-21
被引用文献数
4

発想支援グループウェアGUNGEN-Spiralを開発した.GUNGEN-Spiralは,アイディアの収集,アイディアの保存,アイディアの共有,発想支援,アイディアの再利用を支援する.本システムは,PDA(Personal Digital Assistant)上で動作するGMemo,マルチメディアデータベースWadaman (Whole mediA DAta MANagement system),アイディア共有システムWWWW (World Wide Web Wadaman,以下W4)および発想支援グループウェア郡元で構成されている.利用者はGMemoを利用した手書き文字入力で,いつでもどこでもアイディアを収集できる.収集されたアイディアは,Wadamanを経由し,W4を利用して,インターネットを介してメンバー全員で共有される.また,それらの手書きのアイディアは郡元で直接利用することできる.郡元の結果のアイディアは,次のアイディアとしてさらに再利用することができる.本稿では,GUNGEN-Spiralの開発とその試用について述べる.We have developed an idea generation support system, called GUNGEN-Spiral. GUNGEN-Spiral supports collecting ideas, saving ideas, sharing ideas, getting their ideas in shape and reusing ideas. The system consists of GMemo running on a Personal Digital Assistant (IBM WorkPad), Wadaman (Whole mediA DAta MANagement system), WWWW (World Wide Web Wadaman, W4) and GUNGEN (GroUpware for a New idea GENeration support system). Users can collect and input ideas in free handwriting using GMemo immediately anytime and anywhere, and the ideas are saved in Wadaman and shared all together using W4 on the Internet. Moreover, participants use those ideas as data for GUNGEN directly. We can reuse the results of GUNGEN as topics for further ideas. We have applied this system on a trial basis.
著者
吉野 孝 宗森 純 湯ノ口 万友 泉 裕 上原 哲太郎 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.2382-2393, 2000-09-15
被引用文献数
19

携帯情報端末(PDA)上で動作し,発想一貫支援グループウェア郡元のデータ収集部分を担当するGMemoを開発した.GMemoは,思いついたときに,いつでも,どこでも,また,入力もれなく使用できるよう開発したソフトウェアである.GMemoの特徴は,手書きデータを郡元で利用可能な情報として直接利用していることである.PDAを用いたデータ収集の実例として,和歌山大学システム情報学センター教職員にPDAを携帯してもらい,思いついたときに,自由にメモやアイディアを記入する実験を行った.約5カ月間にわたって収集されたメモやアイディアは大きく分けて,センター業務の改善に関するものと,利用したGMemoの改善についてであった.収集された手書き入力のアイディアを直接利用して,郡元を用いてKJ法を実施した.それらの結果から,PDAによるデータ収集は有効であることを示す.We have developed data collecting software, called GMemo (GUNGEN Memo), running on a Personal Digital Assistant (PDA). GMemo is a piece of input equipment for GUNGEN. GUNGEN is a groupware for a new idea generation consistent support system. Users can collect data for the KJ method using GMemo easily with no omission, and input ideas in free handwriting. We thought that such sudden ideas need to be stored in anytime and anywhere. The feature of GMemo is using handwriting data as input data for GUNGEN directly. We requested members of the Wakayama University Information Science Center to use GMemo regularly. They have used GMemo for about five months. The kinds of collected data were about the improvement of centers works and the improvement of GMemo.We carried out KJ method using handwritten data collected by GMemo. In this paper, we describe the result of the data collection using GMemo and the result of KJ method using handwritten data collected by GMemo. Furthermore, we show the effectiveness of the data collection using PDA.
著者
湯ノ口 万友 辻村 誠一 塗木 淳夫 塗木 淳夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年、有訴者の症状で肩こりや腰痛は上位を占めるけれども、医療機関を受診する頻度は極端に低い現状である。そのため、申請者らはこの点に注目して、手軽に行える温熱と磁気刺激を組み込んだ筋疲労回復装置の開発を試みた。そして、筋疲労に対する温熱磁気刺激の回復効果を明確にすることを目指し、その結果、試作した温熱磁気刺激装置により、筋疲労の回復を促進させることが出来ることを確認した。測定には血流量、最大発揮筋力、皮膚温度および積分筋電図などのパラメータを用いた。温熱磁気刺激により血流量、最大発揮筋力、皮膚温度は増加傾向あり、一方積分筋電図の増加は抑制された。これらの結果は、温熱磁気刺激が筋疲労回復に有効であることを示唆している。これらの成果は、2編の論文と、7件の口頭発表にまとめた。
著者
古木 正芳 八十 政夫 辻村 誠一 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.644, pp.45-48, 2005-01-22
被引用文献数
1

人は1日の約3分の1を寝て過ごす.睡眠は機能的な面からみても人にとって大切なものである.近年、国民の5人のうち1人が睡眠に不安を持つといわれている中で[1].ストレスや24時間の交代勤務などにより心地よい起床が困難な場合がある.またREM睡眠時の脳は機能的に覚醒の状態に近い.そのためREM睡眠時での起床はnonREM睡眠時での起床と比べると不快感を伴いにくいといわれている.本研究では心拍計から得られるデータを用い, REM睡眠時に現れる心拍数の変化を捉えリアルタイムにREM睡眠を検出した。またREM睡眠時に起こす起床システムの評価を行った.
著者
宗森 純 宮内 絵美 牟田 智宏 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.32, pp.25-30, 2001-03-22

PDAとGPSそれに携帯電話を用いた電子鬼ごっこ支援グループウェアを開発し,4種類の電子鬼ごっこ実験を2ヶ所の大学でおこなった.本実験の結果から位置情報は鬼ごっこを集中して行なうためには重要であるが,相手が見えない画面上の仮想的な位置表示だけでは緊張感に欠けることがわかった.この結果は他の電子会議などのリアルタイムグループウェアと類似している.We have developed the electric playing tag support groupware. The system consists of a PDA, a GPS and a mobile phone. We applied it to the four types of playing tag at two universities. The results of experiments showed that the positioning information was very important for playing tag, but the virtual positioning information of playing tag occurred lack of seriousness without real world. This result seems to be almost the same as other realtime goupware, especially an electronic conference system.