著者
湯川 尚一郎 加門 由理 木川 祐菜 田中 蓮華 横田 桃子 大島 誠之助 古川 敏紀 仲 克己
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.27-31, 2018-04-10 (Released:2018-05-18)
参考文献数
23

ドッグフードへのサルモネラ属菌の混入に注目し、日本国内で販売される犬用ドッグフードを対象に調査を行った。方法は「愛玩動物用飼料等の検査法(27消技第1051号)」に従った。対象製品は27社の犬用ドライフードから選択した国産フード63製品、輸入フード47製品とした。輸入フードの原産国の内訳は米国14製品、オランダ7製品、タイ・カナダ・フランスが6製品、オーストラリア5製品、スウェーデン2製品、チェコ1製品であった。その結果、サルモネラ属菌は、今回調査した、すべての製品で陰性であった。
著者
湯川 尚一郎 湯浅 美那 江塚 楓奈 湯川 元美 山崎 勝利 仲 克己
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.22-26, 2021-04-10 (Released:2021-04-15)
参考文献数
23

海外では、イヌ用ペットフードへのサルモネラ属菌混入が原因であるヒトサルモネラ症の発生事例が報告されている。このことから、本邦においてイヌ用ウェットフードへのサルモネラ属菌混入の有無を明らかにするために日本国内で販売されているイヌ用ウェットフードからサルモネラ属菌の検出の有無を調査した。イヌ用ウェットフードは国内23社の国内産20製品と中国産24製品、オーストラリア産14製品、タイ産と米国産が各4製品そしてニュージーランド産2製品を供試した。サルモネラ属菌の検出方法は「愛玩動物用飼料等の検査法 (27消技第1051号) 」に従った培養法により行った。その結果、サルモネラ属菌は、すべての製品から検出されなかった。このことから、日本におけるイヌ用ウェットフードのサルモネラ属菌混入に関するヒト及びイヌの健康被害のリスクは低いと考えられた。
著者
湯川 尚一郎 藤本 知美 湯川 元美 浅川 冨美雪 嶋田 照雅 久保 喜平
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.73-78, 2016-10-21 (Released:2016-11-07)
参考文献数
15

目的:動物看護師を対象とする,小動物診療施設内での放射線防護と放射線教育についての報告はなされていない.よって現職の動物看護師を対象に放射線に関する基礎的な知識・理解,放射線防護を正しく理解し実施できているかについて調査を実施した.対象と方法:各種動物看護師向けセミナー会場において,本研究の趣旨に協力の意思を示した現職の動物看護師255名を対象とした.最終的に230名を解析対象とした(有効回答率:90.9%).結果:「X線撮影補助時に被曝の影響に不安を感じるか」に対し,「不安を感じる」と回答した者は45%であった.「放射線と放射能の違い」「放射線の種類」という放射線の基礎的な知識についての質問に半数以上が「理解していない」「知らない」と回答した.「個人線量計を毎回着用している」と回答した者は半数に満たず,「個人線量計で自分の被曝量を把握している」と回答した者は30%未満であった.考察:動物看護師を対象に行われた今回の調査で,放射線の知識・理解不足等が認められた.また放射線防護に関する管理体制については早急な対策が必要である.今後,動物看護師に対してさらに詳細な調査を行い,対策を検討し,小動物診療施設における産業保健活動のより一層の向上を目指す必要がある.
著者
大村 浩一郎 山本 奈つき 寺尾 知可史 中嶋 蘭 井村 嘉孝 吉藤 元 湯川 尚一郎 橋本 求 藤井 隆夫 松田 文彦 三森 経世
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.310a-310a, 2012

Myelin basic protein(MBP)は神経ミエリン鞘を形成する主要なタンパクであるが,関節リウマチ(RA)において,myelin basic proteinに対する自己抗体が高率に認められることを我々は以前報告した(PLoS One 2011; 6: e20457).ヒト脳由来抽出タンパクを抗原として用いた場合,抗MBP抗体はRAの約65%に認められ,特異度は膠原病患者を対照として83%であり,またその対応抗原は主にMBPタンパク自身ではなく,シトルリン化MBPに対する抗体であることも明らかにした.一方,MBPは神経系に発現するclassic MBPと神経系のみならず血球系にも発現するGolli-MBPのアイソフォームがあり,それぞれにまたいくつかのアイソフォームが存在する.RAで認められる抗MBP抗体の対応抗原がclassic MBPなのかGolli-MBPなのかは不明であったことから,classic MBPおよびGolli-MBPのrecombinantタンパクを作成しin vitroでシトルリン化し,ELISAで抗MBP抗体を検出したところ,その感度,特異度に差は認められなかった.現在Golli-MBPのアミノ酸配列(304アミノ酸)を15種類の25アミノ酸ペプチドでカバーし,それぞれのペプチドをシトルリン化して抗原とし,12人の抗MBP抗体陽性RA患者血清を用いてELISAにてエピトープマッピングを行っている.<br>