著者
勝俣 道夫 瀧川 雅浩 杉浦 丹 田中 信 古川 福実
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.803-809, 2000-12-01
参考文献数
6

脂漏性皮膚炎の治療には,従来からステロイド外用剤が広く用いられてきたが,外用抗真菌剤であるケトコナゾールクリーム(商品名;ニゾラール<SUP>&reg;</SUP>クリーム)は海外において高い評価を得ており,また国内で実施された治験においても改善率は70~80%であることが報告されている。今回我々は,顔面に病変部を有する脂漏性皮膚炎患者54例において,ケトコナゾールクリームと非ステロイド系抗炎症外用剤であるイブプロフェンピコノールクリーム(商品名:スタデルム<SUP>&reg;</SUP>クリーム)との比較検討を行った。その結果,両群の治癒率および改善率&middot;有用性は,ケトコナゾールクリーム投与群ではそれぞれ59%,93%,93%,イブプロフェンピコノールクリーム投与群ではそれぞれ8%,56%,56%であり,両群間には有意な差が認められた。ケトコナゾールクリームは,脂漏性皮膚炎に対してイブプロフェンピコノールクリームより有用性が高いと考えられた。