著者
川原 圭博 瀬崎 薫 浅見 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.91, pp.41-46, 2008-09-18

ネットワークサービスを継続的に提供するためには,サービスを提供するコンピュータおよびネットワーク機器をモニタし,必要に応じて制御を行うネットワーク管理機構が必要不可欠である.ところが現在では,一つのネットワークサービスの構成要素が複数の事業者によって構成されることも稀ではなく,運用情報の交換自体が難しくなっている.一般ユーザにとっては, 「なぜかサービスが使えない」 ことしかわからず,誰に解決を求めれば良いかもわからないといった状況が発生する.本稿では, Web サービス連携技術である REST アーキテクチャスタイルに基づいた管理 API について示す.これにより HTTP を介したリソース指向の管理情報の交換と制御が可能になり,ドメインをまたがったサービスの構成要素の管理情報にプログラムからアクセスしやすくなると期待できる.Network management mechanism is one of the most essential elements for service providers to maintain the network services consistently. However, a single networked service sometimes consists of different service providers. As a result, it is difficult to share management information across the service providers and network domains. If a service fails in such a situation, the user of the service will not know why the service is unavailable now; He can't even detect the right person to ask for fixing it. In this paper, we introduce a management API based on REST architectural styles. This resource oriented management API allows software programs to access to management information across the domains over the Internet.
著者
小松 邦紀 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.409, pp.1-6, 1997-11-27
参考文献数
11
被引用文献数
30

本論文では, 可逆的離散コサイン変換を提案する. 提案方式では, 変換と逆変換が簡単な数式で表わされるために計算量が非常に少なく, 丸めを無視すると完全にDCTに一致する. また, 変換点の密度は1 (行列式が1) であるので変換領域での冗長性は発生しない. さらに, 正規化もされているためにダイナミックレンジが不均一であるという問題は避けられる. 静止画像のロスレス/ロッシー統一符号化への応用を考慮して, ロスレス再生時とロッシー再生時における圧縮効率が求められる. ロスレス再生時の圧縮効率が可逆的ウェーブレット変換とほぼ同じであり, ロッシー再生時の圧縮効率が可逆的ウェーブレット変換及び離散コサイン変換とほぼ同じであることが示される.
著者
引地 謙治 森野 祐直 福田 一郎 松本 壮樹 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.268-278, 2003-02-01
被引用文献数
18

現在,実時間メディアのネットワーク伝送において,ネットワークの状況に適応したサービス品質の提供が問題となっている.音声・動画像メディアにおいては,インターネットにおけるネットワークQoS(Quality of Service)の劣化に対する制御,また劣化がユーザに与える影響などの研究が多く行われている.一方,ネットワークを通じた仮想空間共有システムにおいて触覚をユーザに提示することが可能となっている.しかしながら,このような触覚を含む仮想空間共有システムにおいて,ネットワーク品質の劣化がユーザに与える影響についての検討はほとんど行われていなかった.そのため,本論文ではネットワークの状況に適応的制御が可能な触覚を含む仮想空間共有システムを提案する.本システムにおいては,ネットワークにおける遅延,パケット損失に対する対策を行い,量子化・符号化により伝送情報量を低減させる.また,触覚を含むシステムの評価手法を定め,それに基づいてネットワークにおける遅延,パケット損失,また量子化による情報損失に対する特性を測定することにより,システムに必要とされるQoSパラメータの導出を試みる.
著者
小松 邦紀 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.429-436, 1995-03-25
被引用文献数
51

従来の濃淡静止画像の可逆的なサブバンド符号化に用いられる1次元フィルタバンクにおいては,高域信号が,予測のために両側の画素のうち片側の画素しか用いられていない外挿予測誤差信号,あるいは両側の画素が用いられてはいてもレベル数が入力信号の4倍である内挿予測誤差信号であった.そこで,本論文では,高域信号のエントロピーを小さくして圧縮効率を高くするために,レベル数が入力信号の2倍である内挿予測誤差信号を高域信号とする1次元フィルタバンクを用いる可逆的なサブバンド符号化を提案する.更に,予測を上下左右の4画素により行う非可分型方式の設計も行う.複数の実画像を用いた圧縮効率の比較では,提案方式は従来の可逆的なサブバンド符号化よりエントロピーが0.1〜0.5bits/pel小さいこと,提案方式のうちのいくつかは可逆的な予測符号化より圧縮効率が高いこと,可分型の提案方式は非可分型の提案方式より圧縮効率の高い場合が多いことが示される.また,可分型の提案方式を用いた縮小画像の品質の評価では,低域フィルタのタップ数を大きくすることにより折返しひずみが抑制されることが示される.
著者
桑子 純一 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08
被引用文献数
6

ネットワーク上でデータの送受信を行う場合, 遅延の揺らぎ等により送信側で規定されていた各メディアでの時間相互関係が受信側で崩れてしまい, 結果としてサービス品質(QoS)が劣化してしまう。そこで崩れた時間関係を修復する動作である, 「メディア同期」が必要となる。従来ネットワークで扱われるメディアは画像・音声が中心であったため, これまでのメディア同期の研究においては, メディアとして画像・音声を前提とした研究が行われてきた。しかし将来におけるマルチメディアサービスの多様化を考慮した場合, メディアとして単なる画像・音声という区分では積極的な制御等は困難であり, サービスの内容にまで立ち入った検討が必要となる。本研究では, カテゴリー分類された各サービスに対して遅延が与える影響を定量化し, メディア同期に必要となる品質を, 遅延の絶対値という点から, 画像・音声という分類を超えサービス内容まで立ち入り明らかにする。
著者
有本 勇 引地 謙治 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.662, pp.25-29, 2003-02-21

現在,我々は共有仮想空間において触覚インタフェイスを用いた実時間協調作業を行うシステムの研究を行っている.触覚インタフェイス同士での協調作業の研究は多くなされているが,触覚インタフェイスと非触覚インタフェイス間においての協調作業についての研究はほとんどなされていない.本稿では,非触覚インタフェイスとしてマウスを用いたクライアントと,触覚インタフェイスPHANToMを備えたクライアント間において,実時間協調作業を実現するシステムを提案する.本システムでは,触覚インタフェイスのように非触覚インタフェイスであるマウスにおいても仮想的な力を算出し,その力により仮想オブジェクトを操作することによって,両クライアントで違和感のない協調作業を実現した.また,本システムを用いて仮想オブジェクトの配置タスクを行うことにより,マウスにおける仮想的な力の生成手法の検討,および各クライアントの作業効率の評価を行った.
著者
角田 忠信 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.423-428, 2009-02-24

アドホックネットワーク上でLBSを提供するシステムを構築するためには,ネットワーク中に存在する位置依存データを適切に発見・共有する手法を考案する必要がある.データの更新頻度が高い場合は,位置依存データの配信源(移動端末)付近にデータを局所的に配置する手法が有効であると考えられるが,ユーザのクエリをマッチするデータが存在する配信領域まで適切に転送させる必要がある.本稿で提案する手法では,R-Treeの階層構造とデータの構造を利用してルーティングテーブルを作成・配置し,GPSRを利用してテーブルに記述された目的領域までクエリを適切に転送させることにより,ユーザの要求する地点に近いデータを発見することを可能にする.ネットワークシミュレータで評価したところ,既存手法と比較して本手法は,わずかなメモリ消費,トラフィック負荷のオーバーヘッドで効率的にクエリにマッチするデータを発見することが可能になることを確認した.
著者
寺田 真介 三好 匠 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.299-302, 2008-02-28

アドホックネットワークにおいて,ノードの位置情報を利用して同報配信を行うジオキャストは,経路制御や情報配信時のトラヒック削減に有効である.従来のジオキャストルーチングプロトコルの多くは,単一のジオキャストエリアを宛先として情報配信を行っている.そのため,複数のジオキャストエリアに情報配信を行う場合,効率的な伝送経路を構築することができない.本稿では,複数のジオキャストエリアに対して共有フォワーディングゾーンを用いることで,ネットワークトラヒックを抑制するとともに効率的に情報を配信するための手法を提案する.