著者
片田 彰博
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.101-106, 2006-12-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1
著者
片田 彰博
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.55-62, 2014-03-31 (Released:2014-08-20)
参考文献数
27

口腔アレルギー症候群 (oral allergy syndrome: OAS) は, 特定の食物を摂取した直後から口唇, 口腔, 咽頭粘膜に腫脹, かゆみ, ヒリヒリ感などの症状が出現する症候群である. OAS は花粉やラテックスの感作が成立した後に, 感作抗原に対して交差反応性のある抗原を含む食品を摂取することで発症する. そのため花粉症に合併することが多い. 診断には食物特異的 IgE とプリックテストが有用であり, 治療は原因食物を摂取しない抗原回避が第一である. 一方, 喉頭アレルギーは喉頭粘膜でI型アレルギー反応が起こる疾患であり, 主な症状は咳嗽と咽喉頭異常感である. 臨床症状が類似しているため喉頭アレルギーと OAS は混同されやすいが, 両者の病態はまったく異なっている.
著者
野村 研一郎 片山 昭公 高原 幹 長門 利純 岸部 幹 片田 彰博 林 達哉 原渕 保明
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.58-63, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
6

Video-Assisted Neck Surgery(以下 VANS 法)は,前胸部外側に作成した皮膚切開部から皮弁を吊り上げることでワーキングスペースを作成し,内視鏡補助下で甲状腺切除を行う術式である。創部が衣服で隠れるため,若年女性にとって有益な術式であるが,特殊な手術器具を要するため,小児での報告は少ない。当科で2009年から VANS 法で手術を行った210例のうち15歳以下の小児 3 例を認めた。よって,これらの症例の治療経過と小児甲状腺結節に対する手術適応についての検討を行った。全例甲状腺に約 3 cm 大の充実性の結節性病変を認めており,全例合併症なく成人と同様に手術を行うことが可能であった。3 例とも摘出病理は良性の結果であったが,濾胞腺腫と思われた一例で,実際は濾胞癌であり,術後半年後にリンパ節転移を認めたため,手術を含めた追加治療が行われた。成人同様,3 cm を超えるような甲状腺結節の際には手術治療を念頭におく必要があると考えられ,VANS 法は小児にも適応可能であった。
著者
関根 一郎 岸部 幹 高原 幹 片田 彰博 林 達哉 原渕 保明
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.169-174, 2021 (Released:2021-07-20)
参考文献数
21

神経内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma; NEC)は頭頸部では比較的稀である。また,遠隔転移しやすい腫瘍としても知られている。2003年から2020年までに当科で経験した鼻・副鼻腔に発生した神経内分泌細胞癌について検討した。症例は7例で,男性4例,女性3例であり,年齢中央値は60歳(45歳~79歳)であった。原発部位は上顎洞3例,篩骨洞2例,蝶形骨洞1例,鼻腔1例であった。治療は化学放射線療法が中心で,手術治療が行われたのは2例のみであった。7例中1例は1次治療が奏功せず原病死となった。他の6例は全例で1次治療が奏功した。1次治療が奏功した6例のうち,2例が5年無病生存となったが,3例が遠隔転移をきたし原病死し,1例は他病死となった。鼻・副鼻腔原発のNECは手術や化学放射線療法による局所制御は比較的良好であるが,遠隔転移をきたす症例が多く,遠隔転移の制御が予後に関与すると考えられた。
著者
国部 勇 野村 研一郎 野澤 はやぶさ 片田 彰博 今田 正信 小林 吉史 野中 聡 原渕 保明
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.1005-1009, 2002-10-01

著者最終原稿版44歳男.以前に長管骨だけでなく頭蓋骨にも病変が及ぶことを報告したが,対象は同一家系内に発症した難聴をはじめとする多発性脳神経麻痺を呈したEngelmann症であった.主訴は難聴で右耳は伝音難聴,左耳は感音難聴を示していた.右耳においては所見上外耳道狭窄や中耳滲出液は認められず,耳小骨病変が難聴の主な原因であると考えられた.左耳ではCT所見で内耳道の直径が約2.5mmと右耳の4mmと比較して著明に狭窄していた.本症例の左感音難聴は内耳道狭窄が主な原因と考えて矛盾ないと考えられたが,SISIテストではリクルートメント陽性を示しており,内耳病変も少なからず関与している可能性も示唆された
著者
野澤 はやぶさ 國部 勇 柳内 充 片田 彰博 林 達哉 野中 聡 原渕 保明
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.9-13, 2003-01-01
被引用文献数
1

Anti-phospholipid syndrome (APS) was first reported by Harris in 1985 as one of a variety of clinical features associated with episodes of arterial or venous thrombosis. We report a rare case of acute sensorineural hearing loss due to APS. A 40-year-old woman complained of acute sensorineural hearing loss. She had been diagnosed with APS because of positivity for serum anti-phospholipid antibody and 3 episodes of natural abortion. The hearing loss was improved by treatment with predonisolone, but after 4 months, hearing loss recurred. Since she refused steroid therapy and anticoagulation therapy, continuous administration of aspirin was performed. Six months later, her hearing had recovered. If a patient presents with sudden sensorineural hearing loss, it is important to suspect APS and inquire into histories such as thrombosis and recurrent abortion.