- 著者
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佐々木 剛
猿渡 敏郎
渡邊 精一
- 出版者
- 日本水産増殖学会
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.141-150, 2003
遡河回遊型ワカサギの産卵生態を調べるために, 1995年から1998年の産卵期に閉伊川において調査を実施し, 河川の水温, 水量等の環境要因, 体サイズ, 性比に関して考察した。調査の結果, 水温が約10度を越えると遡上が開始し, 遡上のピークは常に雪融けによる濁り水が治まってから始まった。その後, 半月周期的にピークが確認された。4年間にわたり, 性比は雄に偏っているが, 雌が多くなるのは新月の前後であった。体サイズは年変動し奇数年は大きく, 偶数年は小さい。これに対し, 遡上期間は奇数年が短く, 偶数年は長い。また, 体サイズが大きい年は雌の体サイズは雄より大きいが, 体サイズが小さい年は雄雌の差は認められなかった。