著者
三村 守 大坪 雄平 田中 秀磨 後藤 厚宏
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

「目grep」とは,バイナリファイルから人間の目で文字列を検索するGREPコマンドをエミュレートするスキルである.本稿では,畳み込みニューラルネットワークを用いて「目grep」を再現し,未知の悪性文書ファイルを検知するいくつかの手法を提案する.畳み込みニューラルネットワークは,画像認識の分野において革新的であり,従来のモデルよりも顕著な成果を挙げている.さらに,実際の悪性文書ファイルからデータセットを作成し,Precision,RecallおよびF値を算出して提案手法を評価した.その結果,悪性文書ファイルから「目grep」によってシェルコードを発見できる可能性があることを確認した.
著者
田中 秀磨 滝澤 修 山村 明弘
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.147-155, 2005 (Released:2011-03-10)
参考文献数
6

ディスプレイなどの映像端末からノイズとして放射される漏洩電磁波を傍受することにより,表示画面を再現する実験を行った.パーソナルコンピュータを対象とし,以下の三つの手段を用いて表示画面の傍受を試みた.(1)近磁界プローブを端末に接触させた場合.(2)離れた場所からアンテナを用いた場合.(3)端末の電源ケーブルにインジェクションプローブをはさんだ場合.(1)の結果から,画面傍受が可能なだけでなく,ビデオ信号の同期周波数に関する個体ごとの僅かなばらつきによって,ターゲットの弁別が可能であることを示す.(2)の結果から,VCCIで規制対象となっている1GHz以下の周波数でもターゲットから4m離れた場所から画面傍受ができること示す.(3)の結果から,ACアダプタとプローブの位置関係が実験に影響を与えることを明らかにし,ターゲットから30m離れた電源ケーブルから画面傍受ができることを示す.
著者
田中 秀磨 王 立華 市川 隆一 岩間 司 小山 泰弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.8, pp.1913-1924, 2013-08-01

情報の発信源の特定や物流の経由地点など,位置情報の利用が普及拡大している.またクラウド環境においては,ユーザ認証やアクセス制御にこれまで以上の安全性が要求され,位置情報や時刻など物理的な情報を組み合わせる手法も検討されている.このように位置情報を利用する場面が多々出現している状況であるが,位置情報とは座標であり不変的な情報のため,発信者の主張を信用するのみで信頼性が乏しいという問題がある.更に位置を詐称していることをネットワークプロトコルで見破ることは難しい,という欠点もある.そこで位置情報そのものの正当性を示す認証方式が必要である.本論文では準天頂衛星及び地上放送の電磁波を利用して,準同型暗号による位置情報を認証するプロトコルを2種類提案する.
著者
山岡香苗 岩井啓輔 田中秀磨 黒川恭一
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.623-624, 2014-03-11

近年,兵器割当問題に関してさまざまなアプローチによる解法が提案されている.兵器割当問題とは,敵国による複数攻撃に対して,自国の保有する武器を最適に割り当てる問題である.本稿では,時間の経過とともに,敵国の攻撃機と自国の武器の残存数,互いの距離による武器の射撃範囲や命中率など刻々と変化していくダイナミックな問題を取り扱う.この時, T機の攻撃機に対してW箇所に配置した武器を割り当てるT×W個のバイナリニューロンから成るホップフィールド型のニューラルネットワークを用いて,戦況に応じた武器の割当を決定するアルゴリズムを提案し,シミュレーションにより最適解を評価する.
著者
王 立華 WANG Licheng CAO Zhenfu 満保 雅浩 SHAO Jun 青野 良範 BOYEN Xavier LE Trieu Phong 田中 秀磨 早稲田 篤志 野島 良 盛合 志帆
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

従来の公開鍵暗号システムは量子計算機の発展に伴い安全性が揺らぎつつあるため、Lattice暗号と非可換暗号の研究によって、量子攻撃に耐えられる新しい暗号の構築を目指している。一方、クラウドコンピューティングというネットワーク環境が発展するにつれて、利便性が要求されると同時に、安全面やプライバシー保護への需要も高まってくる。そこで、この需要に応じる代理再暗号(PRE)や準同型暗号など暗号プリミティブとLattice、Braidなど非可換代数構造のプラットフォームを結合して、量子攻撃に耐えられ、クラウドなど新な応用環境に適応する長期利用可能な新しい暗号方式を設計することが本課題の目的とする。
著者
石井 周志 田中 秀磨 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.509, pp.27-33, 2000-12-08

KASUMI暗号は松井によって提案されたMISTYをベースに設計された64ビットブロック暗号である。本論ではKASUMI暗号に大して高階差分攻撃による強度評価を行った。高階差分攻撃とは選択平文攻撃であり、高階差分値が鍵に依存しないことを利用した攻撃法である。高階差分攻撃の階数は、F関数の次数や、選択する平文に依存する。我々は効果的な平文の探索を行い、4段のKASUMIは2階差分で攻撃可能であることが分かった。本攻撃には2^<6.2>個の選択平文と2^<93.2>の計算量が必要である。