著者
田中 裕也 坂本 龍之介 矢野 由香 佐野 史歩 井口 智浩 久我 貴之
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1652-1657, 2019 (Released:2020-03-31)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

症例は69歳,男性.心窩部痛と食欲不振を主訴に受診.上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に全周性の隆起性病変を認め,生検にて未分化多形肉腫と診断された.明らかな遠隔転移はなく,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後2.5カ月で施行したCT検査にて,肝転移と局所再発を指摘された.Doxorubicin投与を開始したが,病状が悪化し術後5.5カ月で永眠した.未分化多形肉腫の好発部位は四肢や後腹膜であり,十二指腸原発の報告例はこれまでに6例のみである.文献的考察を加えて報告する.
著者
松岡 友実 五十嵐 公嘉 齋藤 智之 高田 希望 橋本 玲奈 一條 聖美 小林 悠 田中 裕也 川本 俊輔 宮里 紘太 秋谷 友里恵 小林 洋輝 堀越 周 馬場 晴志郎 高島 弘至 逸見 聖一朗 功力 未夢 岡本 裕美 阿部 雅紀
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-6, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
8

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において透析患者は重症化リスクが高く,COVID-19流行初期は,原則として全例入院加療で対応していた.しかし,東京都においては受け入れ可能な入院施設は限定され,新規陽性患者数の急増により,入院調整が困難な状況に陥っていた.そのため,東京都は2021年12月中旬に透析患者の受け入れが可能なCOVID-19透析患者の収容施設として,旧赤羽中央総合病院跡地を活用した酸素・医療提供ステーション(東京都酸素ステーション)を開設した.2022年1月1日~8月31日まで,酸素ステーションで受け入れたCOVID-19透析患者の現況を報告する.入所患者は211人,平均年齢は65歳,転帰は,自宅退院194例(92%),転院16例(7.5%)(そのうち肺炎の疑い13例(6.1%)),死亡1例(0.5%)であった.当施設は東京都のCOVID-19透析患者の入院待機者数の減少および病床ひっ迫の緩和の機能を果たし,また,治療の介入により重症化や入院を予防しており,施設の運用は有効であった.
著者
田中 裕也
出版者
同志社大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

今年度の研究実施状況を下記に、三点に分けて報告する。1、昨年度に投稿し、ジャッジメントを経ていた「三島由紀夫「親切な機械」の生成-三島由紀夫とニーチェ哲学-」が「日本近代文学」第84集(2011年5月)に掲載された。主に、三島が事件資料をどのように選別し執筆を行ったのかを検討した。また三島が同時代の「主体性」を巡る論争自体を無効にするために、流動的で統一されない「主体」を主張するニーチェ哲学を援用していると論じた。2、昨年度から継続して調査・研究していた「青の時代」(1950年12月)を論文化し、「三島由紀夫「青の時代」の射程-道徳体系批判としての小説-」として、「昭和文学研究」第64集(2012年3月)に掲載された。三島は「アプレゲール」の代表的人物と見なされていた、山崎晃嗣に関する資料を収集しつつも、クレッチマーやニーチェ哲学を用いて主人公を描いていることを明らかにした。また戦後言説空間では「道徳」という言葉が国家再建の理念と密接に結びついていたが、一方で反社会的で秩序に当てはまらない若者たちを、「不道徳」な「アプレ-ゲール」として排除していく流れがあった。「道徳」と「不道徳」が一見対立する概念に見えながらも、この二つの概念は共犯関係的なものであることを、三島がニーチェ哲学を援用して「青の時代」の中で批判的に描いていることを明らかにした。3、山中湖文学の森・三島由紀夫文学館」において二回(各四日間・計八日)の草稿調査・研究を行った。主に「愛の渇き」(1950年6月)の草稿400枚弱について調査・研究を行った。「愛の渇き」の草稿には、二つの大きな改編箇所があることが分かった。今後研究内容をまとめ論文化する予定である。
著者
榎原 博之 田中 裕也 石川 琢士
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-05-10

自然界には粘菌という単細胞生物が存在する.粘菌は森の土の中などに数多く存在しており,採餌行動の際には自分自身の体で栄養を運ぶネットワークを構築する.本研究では,粘菌の採餌行動のシミュレーションプログラムを元に,巡回セールスパーソン問題 (TSP) を解く粘菌アルゴリズムを提案する.まず,粘菌の作るネットワークをシミュレーションし,そこから巡回路を作成し,TSP に対応させる.最終的には 2-opt 法による局所探索法を用いて,解の改善を行う.ベンチマーク問題 (TSPLIB) を用いて計算機実験を行い,評価を行う.The slime mold is single-celled which exists in the natural world. It exists a lot in the soil of the forest etc. and in the foraging action it constructs the network in which nourishment is carried by own body. In this research, we propose a algorithm which solves the travelling salesperson problem (TSP) based on the simulation program of the foraging action of the slime mold. First,we simulate a network made by the slime mold, and make a TSP tour. Finally, in order to improve the solution, we use 2-opt which is the local search method. We experiment on the computer by using the benchmark problems(TSPLIB), and we evaluate the slime mold algorithm.
著者
宮崎 林太郎 塚原 裕常 西村 純 前田 直人 森 辰則 小林 寛之 石川 雄介 田中 裕也 翁 松齢
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.376-386, 2011 (Released:2011-02-08)
参考文献数
8

In order to achieve faceted search in net auction system, several researchers have dealt with the automated extraction of attributes and their values from descriptions of exhibits. In this paper, we propose a two-staged method to improve the performance of the extraction. The proposed method is based on the following two assumptions. 1) Identifying whether or not each sentence includes the target information is easier than extracting the target information from raw plain text. 2) Extracting the target information from the sentences selected in the first stage is easier than extracting the target information from the entire raw plain text. In the first stage, the method selects each sentence in a description that is judged to have attributes and/or values. In this stage, each sentence is represented a bag-of-words-styled feature vector, and is labeled as selected or not by a classifier derived by SVM. In the second stage, the extraction of attributes and values are performed on the cleaned text that does not contain parts of description irrelevant to exhibits, like descriptions for the postage, other exhibits, and so on. In the second stage, we adopt a sequential labeling method similar to named entity recognizers. The experimental result shows that the proposed method improves both the precision and the recall in the attribute-value extraction than only using second-stage extraction method. This fact supports our assumptions.