著者
田中 賢一 下村 輝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.437-445, 1994-08-25
参考文献数
9
被引用文献数
6

計算機ホログラムに対してラスタ走査を用いる誤差拡散法に関する報告は既にいくつかある.しかしながら,ペアノ曲線を適用した影響についてはほとんど知られていない.この理由は,ペアノ曲線が最近ようやく関連応用分野で有効であることがわかり始めたことによる.本論文では,ペアノ曲線を用いる誤差拡散法を計算機ホログラムでの再生像の改善に対して詳細に検討した.その結果,雑音領域と像の明るさの制限のもとで,本方法はラスタ走査を用いる誤差拡散法と比較して優れた再生像を与えることを示す.
著者
田中 賢一 梶原 豊 下村 輝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06

シミュレーティッドアニーリング (Simulated Annealing: SA) は, 組合せ最適化問題の一解法として, LSIの回路設計, キノフォームの位相最適化, 計算機ホログラムへの応用などに適用されてきた. SAは, 統計力学的概念を用い, 温度によって決まる確率をもって改悪を許すことにより, 局所解に陥ることを防ぐものである. ディジタルハーフトーン処理は濃淡画像をレーザプリンタに代表される2値出力装置に出力する際に不可欠な技術である. 本報告では, ディジタルハーフトーン処理にSAを適用し, その有効性について示す.
著者
岡田 華子 田中 賢一 福本 辰巳 皆川 鉄雄 大越 悠数 浜根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.51, 2012 (Released:2014-06-10)

ブラウン鉱を主要鉱石鉱物とする変成マンガン鉱床から産するアルカリ角閃石の化学的検討を行った。秩父帯南帯下払鉱床からはKに富むrichterite - arfvedsoniteのMn3+置換体を見出した。三波川帯の古宮鉱床からもKに富むrichterite-winchite系列に属する角閃石と、BサイトにおけるNa+Caの値がほぼ1 - 1.5の範囲を示す角閃石はottoliniiteあるいは ferri-ottoliniiteのMn3+置換体と推定される。田野畑鉱山産の黄褐色角閃石はkozulite – arfvedsonite - Na3(Mn2+, Mn3+)5Si8O22(OH)2 の3種の端成分組成からなる。
著者
田中 賢一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.53, pp.23-26, 2001-08-31

本報告では, 印象派芸術とりわけ点描画における技法から現在研究開発されている立体映像技術へどのような関わり合いを持っているかを考察する.まず, 印象派芸術の代表的存在ともいえる点描の技法と, 印刷技術や写真技術との関係について述べる.次に, 現代において点描の技法は, 擬似中間調処理を媒介として計算機ホログラフィなどの3次元画像表現, 更には, ホログラフィックアートの根底にある思想に至るまで多岐にわたり応用されていることを示す.
著者
山本 明 吉田 哲也 安楽 和明 稲葉 進 井森 正敏 上田 郁夫 音羽 真由美 折戸 周治 木村 誠宏 佐貫 智行 鈴木 純一 田中 賢一 西村 純 野崎 光昭 槇田 康博 松永 浩之 松本 浩 元木 正和 矢島 信之 山上 隆正 吉村 浩司 Golden Robert Kimbell Barbara Mitchell Jon Ormes Jonahtan Righter Donald Streitmatter Robert
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.103-119, 1996-03

超伝導マグネット・スペクトロメーターを用いた宇宙粒子線観測・気球実験(Balloon Borne Experiment with a Superconducting Magnetic Rigidity Spectrometer)は,宇宙起源反粒子探索及び宇宙粒子線の精密観測を目的とする日米・国際共同実験として推進されている[1-7]。NASAおよび宇宙科学研究所を相互の代表機関とし,東京大学,高エネルギー物理学研究所,神戸大学,ニューメキシコ州立大学が研究に参加している。日本側グループがスペクトロメーター本体を準備し,アメリカ側グループが気球の飛翔,制御を担当している。この実験計画は,1980年代にNASAを中心に検討されたASTROMAG計画の準備研究に於て,ソレノイド型超伝導マグネット・スペクトロメーターの構想を提案し,基礎開発を行なった事から,その第一段階となる気球実験としてスタートした[8-9]。この実験協力が1987年にスタートして以来6年の準備期間を経て,1993年に第一回の気球飛翔実験に成功した。1994年には第二回,1995年には第三回・気球飛翔実験に成功した。実験は,北磁極に近いカナダ北部のマニトバ州リンレークからアルバーター州ピースリバーにかけて実施され,合計約50時間の科学観測に成功し,実験機器も無事回収されている。これまでにBESS93の気球飛翔実験についてデータ解析を完了し,運動エネルギー500MeV以下の運動エネルギー領域で,反陽子を4イベント検出した[10-12]。この結果は,低エネルギー領域(<500MeV)での初めての明確な宇宙線反陽子の観測として評価を受けている。BESS93&acd;95の総合的なデータ解析からは,途中経過として,運動エネルギー<1.2GeVに於て,合計&acd;50イベントの反陽子候補を検出している。また反ヘリウムの探索については,1993年&acd;1995年のデータを合わせ,従来の観測よりも一桁高い感度での存在上限値(反ヘリウム/ヘリウム比=8×10^<-6>,@95%CL)を得ている[13-15]。実験は,結果が現われ始めた段階であるが,経過と現状を報告する。
著者
山本 明 安部 航 泉 康介 板崎 輝 大宮 英紀 折戸 玲子 熊沢 輝之 坂井 賢一 志風 義明 篠田 遼子 鈴木 純一 高杉 佳幸 竹内 一真 谷崎 圭裕 田中 賢一 谷口 敬 西村 純 野崎 光昭 灰野 禎一 長谷川 雅也 福家 英之 堀越 篤 槙田 康博 松川 陽介 松田 晋弥 松本 賢治 山上 隆正 大和 一洋 吉田 哲也 吉村 浩司 Mitchell John W. Hams Thomas Kim Ki-Chun Lee Moohyung Moiseev Alexander A. Myers Zachary D. Ormes Jonathan F. Sasaki Makoto Seo Eun-Suk Streitmatter Robert E. Thakur Neeharika
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.81-96, 2008-02

本研究は,南極周回超伝導スペクトロメータによる宇宙線観測(BESS-Polar 実験)を通して,『宇宙起源反粒子,反物質の精密探査』を目的としている.地球磁極領域に降り注ぐ低エネルギー宇宙線に注目し,反陽子スペクトルを精密に測定して,衝突(二次)起源反陽子流束の理解を深めるとともに,『原始ブラックホール(PBH)の蒸発』,『超対称性粒子・ニュートラリーノの対消滅』等,初期宇宙における素粒子現象の痕跡となる『宇宙(一次)起源反粒子』を精密探査する.反ヘリウムの直接探査を通して,宇宙における物質・反物質の存在の非対称性を検証する.同時に陽子,ヘリウム流束を精密に観測し,これまでのカナダでの観測(BESS実験,1993-2002)の結果と合わせて,太陽活動変調とその電荷依存性について系統的に観測し,宇宙線の伝播,相互作用に関する基礎データを提供する.本研究では,これまでのBESS 実験で培われた超伝導スペクトロメータによる宇宙線観測の経験をもとに,低エネルギー領域での観測感度を高め,南極周回長時間飛翔を可能とする超伝導スペクトロメータを新たに開発した.2004年12月13日,南極(米国,マクマード基地)での観測気球打ち上げ,高度37km での9日間に及ぶ南極周回飛翔に成功し,9億イベントの宇宙線観測データを収集した.運動エネルギー0.1〜1.3GeV の範囲に於いて,これまでの約4倍の統計量でエネルギースペクトルを決定した.結果は,衝突(二次)起源モデルとよく整合し,一次起源反陽子の兆候は観測されていない.太陽活動が極小期にむけた過渡期にあたる2004年の観測として予想に沿った結果を得た.反ヘリウム探索は,これまでのヘリウム観測の総統計量を2倍以上に高め,反ヘリウム/ヘリウム比の上限値を2.7×10^<-7>にまで押し下げた.本報告では,BESS-Polar(2004年)の成果を纏め,次期太陽活動極小期(2007年)における第二回南極周回気球実験計画を述べる.