著者
皆川 鉄雄 佐野 栄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.515-531, 2017-07-15 (Released:2017-08-03)
参考文献数
58

愛媛県四国中央市関川は,全国でも珍しい岩石や鉱物が採集できるフィールドとして知られている.関川上流域の赤石山系には,東赤石かんらん岩体や五良津緑簾石角閃岩体などに付随して,三波川帯の中でも最高変成度の変成作用により形成されたエクロジャイトやざくろ石角閃岩など国内でも珍しい岩石が産出する.本巡検では,関川上流から運搬され,河原に堆積された三波川変成岩類及びその中に含まれる鉱物の観察と採集を行う.さらに,関川河口付近では,三波川変成岩類が河川により運搬・砕屑され,さらに波の作用により濃集したざくろ石や砂鉄からなる漂砂鉱床の観察を行う.
著者
福本 辰己 皆川 鉄雄 濱根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.237, 2010 (Released:2011-04-06)

ブラウン鉱鉱床の脈石として、また、赤色石英片岩の主要構成鉱物として産する緑簾石族鉱物は紅簾石,紅簾石-Sr,マンガニ紅簾石-Sr,マンガニ紅簾石,緑簾石-Sr,緑簾石などを端成分とする複雑な固溶体を形成していると考えられる。本研究では四国三波川帯、秩父帯に分布するブラウン鉱鉱床、赤色石英片岩(いわゆる紅簾片岩)中に主要鉱物として産する緑簾石族鉱物の同定を目的に行った。
著者
冨田 宣光 皆川 鉄雄 大越 悠数 田中 崇裕
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.56, 2012 (Released:2014-06-10)

NordenskiöldineとはBrögger(1887)により報告されたCaとSn4+のBoratesである。三方晶系に属する。本邦では未報告であったが、Vonsenite, hulsiteなどのboratesの産出で知られる宮崎県千軒平スカルン鉱床から見出した。Nordenskiöldineは無色透明, 葉片状あるいは板状集合体を成している。得られた実験式は(Ca0.94Fe2+0.02)Sn1.02(BO3)2であり、ほぼ端成分組成である。
著者
古本 里菜 福本 辰巳 皆川 鉄雄 浜根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2014-06-10)

愛媛県岩城島のエジリン閃長岩中に,新鉱物であるsugilite [KNa2(Fe,Mn,Al)2Li3Si12O30]、kataya-malite[KCa7(Ti,Zr)2Li3Ca7Si12O36(OH,F)2] 等が(Murakami et al., 1976 ; Murakami et al., 1983)nにより発見されている.今回、本邦初産であるekanite(K0.27Na0.08Ca0.17)∑0.52(Ca1.94Ce0.06)∑ 2.00(Th0.99 U0.04)∑1.03(Si8 Al0.04) ∑ 8.04O20 ,Sogdianite  K1.03(Na0.57□0.43) ∑2.00 (Zr1.47Fe3+0.49Al0.14Th 0.01)∑2.01 Li3(Si12O30 )が発見されている.Ekaniteは, aegirine中に観察される. Sogdianiteはzirconと密接に共生している.Pectoliteの格子定数a = 7.74(3), b = 6.89(4), c = 7.07(5), α = 83.8°(7), β= 96.2°(4), γ = 101.0°(6)に基づくとNa が Liに置換されたと考えられる.
著者
岡田 華子 田中 賢一 福本 辰巳 皆川 鉄雄 大越 悠数 浜根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.51, 2012 (Released:2014-06-10)

ブラウン鉱を主要鉱石鉱物とする変成マンガン鉱床から産するアルカリ角閃石の化学的検討を行った。秩父帯南帯下払鉱床からはKに富むrichterite - arfvedsoniteのMn3+置換体を見出した。三波川帯の古宮鉱床からもKに富むrichterite-winchite系列に属する角閃石と、BサイトにおけるNa+Caの値がほぼ1 - 1.5の範囲を示す角閃石はottoliniiteあるいは ferri-ottoliniiteのMn3+置換体と推定される。田野畑鉱山産の黄褐色角閃石はkozulite – arfvedsonite - Na3(Mn2+, Mn3+)5Si8O22(OH)2 の3種の端成分組成からなる。
著者
冨田 宣光 皆川 鉄雄 浜根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2013年年会
巻号頁・発行日
pp.75, 2013 (Released:2018-06-07)

三波川帯古宮ブラウン鉱鉱床からSr rich K-richterite、fresnoite, taikanite, tausonite, norrishiteなどの含Sr、Ba鉱物や 含Li鉱物を見出した。これらはhollanditeを交代するbraunite層中に微細な柱状~粒状結晶をなし生成している。これらの鉱物学的性質につて報告する。
著者
浜根 大輔 皆川 鉄雄 大越 悠数
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.33, 2012 (Released:2014-06-10)

愛媛県高縄山から新鉱物・高縄石/Takanawaite-(Y)を発見したのでその概要を報告する。
著者
皆川 鉄雄 西尾 大輔
出版者
愛媛大学
雑誌
愛媛大学理学部紀要 (ISSN:09195203)
巻号頁・発行日
no.9, pp.17-68, 2004-03-22

Mineral species discovered from Shikoku as of December 2003, amount to 437, are listed in this paper together with ideal chemical composition, crystal system and mode of occurrence of these minerals, and photographs of 48 mineral species. They are consisted of 10 Native elements, 45 Sulfides, 5 Halides, 60 Oxides, 29 Carbonates, 3 Borates, 30 Sulphates, 5 Molybdates and Tangstates, 26 Phosphates and Arsenates, 225 Silicates and 5 organic matter. In Shikoku, 7 new minerals as follows: Takanelite, Sugilite, Tobelite, Katayamalite, Stronalsite, Potassic-sadanagaite and Potassic magnesiosadanagaite have been discovered, and Oyamalite, Hagatalite, Tosalite and Dosulite have been reported as varieties before now. This mineral list is a one of geological data collection which indicates the features of rocks in the area of Shikoku.
著者
佐藤 桂 皆川 鉄雄 加藤 丈典 平田 岳史 鈴木 和博
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.211, 2012 (Released:2014-06-10)

本研究では,西南日本内帯の山陽帯に属する後期白亜紀花崗岩体〔広島花崗岩(複合)体〕内部の鉱床の形成条件・年代を調べる事を目的として,研究を開始した。今回は予察的研究として,岩体の南端である瀬戸内海 芸予諸島東部の大三島の大三島鉱山の花崗岩質岩2試料の記載およびその内の1試料の薄片から見出したモナズ石のCHIME年代測定を行なった。その結果,山陽帯の広島花崗岩の既報の年代と調和的な83.4 +/- 6.6 Ma(N = 51,2 sigma誤差表記)の年代が得られた。
著者
大越 悠数 皆川 鉄雄
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.121-121, 2009

瀬戸内芸予諸島弓削島にはfluorite結晶の集合体が生じた閃長岩質脈が稀に認められる。放射状の濃紫色ハローションを伴うzircon, thorite、thorianiteが紫色fluorite中に認められた。これらの鉱物は密接に共生している。Thorianiteは一般にアルカリ花崗岩起源のペグマタイトやスカルン中から報告されているが、本邦からの産出はこれまで知られていない。Fluoriteに生じた紫色ハローションはTh-U鉱物による放射性ハロと考えられる。
著者
皆川 鉄雄 安岡 利津子
出版者
愛媛大学理学部紀要委員会
雑誌
愛媛大学理学部紀要 (ISSN:09195203)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.11-17, 2008

Calcian strontianite was newly found from Torinosu limestone distributed in the Nagano, Tokaji, Furuhata, and Nishiyama areas other than the Shimomitogi (MINAKAWA, 1955). It occurs as authigenic mineral in cavities in limestone and calcite veins, associated with calcite, dolomite, fluorite ,celestine, barite, quartz and oil. It is radial aggregates of acicular and short prismatic crystals up to 1cm length, colorless with vitreous luster. Chemical compositions of strontianite estimated by X-ray powder data of d(132)Å and EDS qualitative analysis varies from SrCO_3 75mol%, CaCO_3 25mol% to SrCO_3 85mol%, CaCO_3 15mol%. It is estimated that Sr derived from coral, calcareous algae and foraminifera which formed the coral reef.