- 著者
 
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             向井 基
             
             高松 英夫
             
             野口 啓幸
             
             田原 博幸
             
             加治 建
             
             矢野 常広
             
             坂本 浩一
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.39, no.4, pp.579-584, 2003 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             1
             
             
             
          
        
 
        
        
        【目的と方法】当科で経験した小腸原発消化管重複症7例の患者背景,症状,診断・治療,重複症の形態的特徴を示し,症状と形態的特徴との関連を中心に考察を加える.【結果】年齢は1ヵ月から4歳で,性別は男児4例,女児3例であった.合併異常を認めた症例はなかった.重複腸管は全例が回腸にあり,そのうち3例が回腸末端に存在した.形態は7例とも嚢腫型であった.腸間膜との位置関係は重複腸管を腸間膜側に認めた症例が4例,反腸間膜側に認めた症例が3例であった.固有筋層を共有しなかった症例は1例のみであった.異所性胃粘膜は検索可能な6例中4例でみられた.重複症の形態的特徴と,症状との関連の検討では,重複腸管が回腸を圧迫し比較的早期より通過障害を認めた2例では重複腸管と回腸の固有筋層が共有されていたが,年長時まで通過障害をきたさなかった1例では,固有筋層の共有はみられなかった.また,乳児期早期に腸重積で発症した症例では,重複腸管が反腸間膜側にみられ,回腸内腔に突出していた.【結論】消化管重複症は発生部位により臨床像が異なるが,今回の小腸原発症例のみの検討からも重複腸管の形態の違いにより,症状とその発現時期が異なることが予想された.