著者
新山 新 加治 建 田原 博幸 下野 隆一 林田 良啓 高松 英夫
出版者
特定非営利活動法人日本小児血液・がん学会
雑誌
小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 (ISSN:03894525)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-5, 2008-02-29

過去21年間に5例の甲状腺癌を経験した.発症時年齢は10歳8か月から14歳3か月(平均12歳1か月),男児1例,女児4例であった.病悩期間は2か月から3年1か月(平均6.7か月),4例がT2,1例がT3,病理組織学的には全例乳頭癌であった.術後観察期間は6年11か月から9年3か月(平均8年0か月)で,2例が有病生存(肺転移),3例が無病生存中である.小児甲状腺癌の予後は良好だが,肺転移の治療が重要であると思われる.
著者
石綿 翔 高木 均 星野 崇 長沼 篤 坂本 直美 小板橋 絵里 相馬 宏光 乾 正幸 工藤 智洋 小川 晃 田原 博貴 金古 美恵子 岡本 宏明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.624-629, 2012 (Released:2012-04-05)
参考文献数
11

症例は70歳代女性.全身倦怠感,肝機能障害(ALT 2565IU/l)を主訴に入院.A,B,C型肝炎,EBV,CMV,自己免疫性肝炎は否定.2カ月ほど前から摂取し始めた菊芋によるDLSTで陽性を示し,薬物性肝障害(診断スコア8点)と診断された.その後保存血清でHEV-RNA陽性と判明し,E型肝炎と診断された.DLSTには偽陽性があり薬物性肝障害診断にHEV screeningの導入が必須と考えられた.
著者
伊東 明彦 千田 恵 田原 博人
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.473-482, 2007-07-01
被引用文献数
2

教員養成系学部の大学生を対象として,1976年に実施した「天文基本調査」とほぼ同じ調査を2006年に実施し,大学生の天文に関する知識が30年間にどのように変化したのかを検討した.その結果,月の満ち欠け,太陽光のあたり方の季節変化など,ほとんどすべての調査項目について,大学生の知識は有意に低下していることが明らかとなった.また,自由記述式の設問の回答を分析した結果,月の満ち欠けが,月,地球,太陽の相対的な位置に関係すると考えている学生は40%程度であり,月の満ち欠けの仕組みを正しく説明できた学生は約10%に過ぎないことも分かった.
著者
向井 基 高松 英夫 野口 啓幸 田原 博幸 加治 建 矢野 常広 坂本 浩一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.579-584, 2003
被引用文献数
1

【目的と方法】当科で経験した小腸原発消化管重複症7例の患者背景,症状,診断・治療,重複症の形態的特徴を示し,症状と形態的特徴との関連を中心に考察を加える.【結果】年齢は1ヵ月から4歳で,性別は男児4例,女児3例であった.合併異常を認めた症例はなかった.重複腸管は全例が回腸にあり,そのうち3例が回腸末端に存在した.形態は7例とも嚢腫型であった.腸間膜との位置関係は重複腸管を腸間膜側に認めた症例が4例,反腸間膜側に認めた症例が3例であった.固有筋層を共有しなかった症例は1例のみであった.異所性胃粘膜は検索可能な6例中4例でみられた.重複症の形態的特徴と,症状との関連の検討では,重複腸管が回腸を圧迫し比較的早期より通過障害を認めた2例では重複腸管と回腸の固有筋層が共有されていたが,年長時まで通過障害をきたさなかった1例では,固有筋層の共有はみられなかった.また,乳児期早期に腸重積で発症した症例では,重複腸管が反腸間膜側にみられ,回腸内腔に突出していた.【結論】消化管重複症は発生部位により臨床像が異なるが,今回の小腸原発症例のみの検討からも重複腸管の形態の違いにより,症状とその発現時期が異なることが予想された.