著者
大澤 義明 鈴木 敦夫 白波瀬 佐和子 古藤 浩 田村 一軌 大津 晶 宮川 雅至 古藤 浩 田村 一軌 大津 晶 宮川 雅至 尾崎 尚也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では, 高速道路や新幹線など空間的に線的に伸びる社会基盤施設整備に関して, 選挙民が投票で集団意志決定する場合, 施設がどこにどれだけ配置されるのかを空間的に導出し, どの程度経済的に効率的なのかあるいは公平なのか, を考察した. 投票ゲームによる配置と社会的な最適配置とを比較するなどを通して, 投票という集団意志決定がどの程度経済的に悪化させるのか, そして不公平にするかを理論的に評価した. さらには, 道路という社会基盤建設では, ステークホルダーは多様である. ゲーム理論のナッシュ均衡, 多目的計画問題でのパレート最適, 地理ネットワーク評価での地理値を用いて, 高速道路建設の影響を均衡という複眼的見地から理論的に論じた.
著者
田村 一軌 腰塚 武志 大澤 義明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第38回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.25, 2003 (Released:2003-12-11)

本研究の目的は,移動効率および通過量から一方通行規制を評価することである.一般に,一方通行規制によって移動の平均距離は大きくなるものの,都心部の交通量を減らす効果もある.そこで本論文ではに目的空間を用いて一方通行規制を評価する.はじめに格子状道路網での距離分布および通過量分布を解析的に導出し,次に交互通行規制が時計回り規制に比べ効率的であることを示す.最後に,新宿一丁目の道路網において,平均距離と通過量の標準偏差との間のトレードオフを分析する.
著者
田村 一軌 韓 成一 戴 二彪
出版者
公益財団法人 アジア成長研究所
雑誌
東アジアへの視点 (ISSN:1348091X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.37-46, 2015 (Released:2020-03-03)
参考文献数
20

日本で毎年様々な祭りが国内各地で開催されている。日本の祭りは,従来は宗教色の強い伝統行事というイメージが強かったが,1980 年代以降,都市コミュニティの連帯感を増強するために,多くの市民の参加を引き付ける娯楽性を重視する祭りが増えた。近年では,少子高齢化が進むなかで地方圏都市の商業・飲食サービス業の低迷状況が続いており,観光や商業振興の起爆剤として祭りの経済的な役割にも期待が集まっている。地方自治体は地域活性化における祭りの役割を重視しつつあるが,自治体の財政事情が厳しくなるなかで,祭り運営に対する積極的な関与が財政状況の悪化に繋がるリスクがあるとも懸念されている。 本研究は,北九州市における祭りの歴史と近年の開催動向,祭り運営の取り組みを紹介したうえで,同市の都市振興戦略における祭り開催の位置づけとその実際の効果を考察する。また,北九州ならびに類似の地方都市における祭り運営のあり方について若干の提言を行う。