著者
竹原 直美 矢野 環
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-5, 2011-05-14

本研究では,音楽療法士により記述された質的事例報告を対象とし,臨床における多様な相互関係の中から,「セラピストはクライエントの何をみてきたか?」 という点を,計量言語学的に明らかにするための基礎研究を行った.In this research, we studied qualitative case reports written by music therapists and carried out basic research using quantitative linguistics method to answer the question "What have the therapist checked for when treating their client ?" from the various correlation in clinical practice.
著者
矢野 環 岩坪 健 福田 智子 ヤノ タマキ イワツボ タケシ フクダ トモコ Yano Tamaki Iwatsubo Takeshi Fukuda Tomoko
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.27-51, 2013-11

資料(Material)竹幽文庫蔵『源氏千種香』は、『源氏物語』五十四帖にちなんだ五十四種類の組香の作法を記した伝書である。安永二年(一七七三)の自叙をもつ。菊岡沾涼著『香道蘭之園』所収本は、元文二年(一七三七)頃の成立だが、桐壺香・夢浮橋香がない。そこで、箒木香・梅枝香・玉鬘香・若菜下香について、さらに両者を比較したところ、組香の方法は、蘭之園本に比べ、竹幽本の方が総じて複雑になっていることがわかった。また、物語の内容と合わない箇所が少なくない蘭之園本に対し、竹幽本は、物語に合わせて手直ししていることが認められる。すなわち、蘭之園本は、『源氏小鏡』(第一系統)を参照して作成されているようであるが、竹幽本は、『源氏小鏡』(第二系統)、あるいは『源氏物語』そのものに拠っていると考えられるのである。
著者
武井 和人 三村 晃功 矢野 環 末柄 豊 小川 剛生 久保木 秀夫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

(1)以下の機関・個人に所蔵される十市遠忠・実暁自筆古典籍の実地調査・写真撮影を行った。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵自筆詠草類(再調査)東京大学史料編纂所蔵『一人三臣詠鈔』(天文8年遠忠書写奥書本ノ転写本)国文学研究資料館蔵遠忠関連典籍マイクロフィルム(陽明文庫蔵『五社百首』他)(2)報告書に翻刻を収載する予定の資料を選定し、担当者を決め、翻字作業に入った。新たに翻刻する資料として、以下の典籍を定めた。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵『千首和歌』『三百六十首和歌』『五十番自歌合』他島原図書館松平文庫蔵『百五十番自歌合』(3)以下の遠忠自筆、および、鳥養流の能書家である鳥飼宗慶自筆短冊資料を蒐集した。鳥飼宗慶自筆短冊(京都・思文閣書店より購入)十市遠忠自筆短冊(軸装、京都・思文閣書店より購入)遠忠、及び鳥養流諸家の書蹟鑑定に際し、基礎的な資料として活用した。(4)下記の如き研究会を開催した。【第1回研究会】平成17年8月19日・於:埼玉大学八重洲ステーションカレッジ武井・石澤一志・高橋育子「<遠忠自筆資料>の筆蹟について」末柄豊「文亀四年二月九条尚経亭月次和歌会懐紙について」井上宗雄「勅撰作者部類の編者藤原盛徳(元盛法師)について」(5)本研究の概要・経緯を、日本歴史学会の依頼により、武井が『日本歴史』(第692号、2006・1)に報告した。
著者
酒井 文雄 江頭 信二 小池 茂昭 水谷 忠良 竹内 喜佐雄 奥村 正文 長瀬 正義 矢野 環
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

(1)研究代表者酒井文雄は射影平面の巡回被覆の第1ベッチ数に関するザリスキーの定理を代数曲面の巡回被覆で被覆次数が素数べきで、分岐曲線が可約の場合に拡張した。また、奇数次の平面曲線で単純特異点のみを持つものの総ミルナ-数の評価を改良する結果を得た。(2)研究分担者奥村正文は複素射影空間に埋め込まれたCR次元(n-1)/2のCR-部分多様体のスカラー曲率について調べ、この部分多様体が奇数次元の球2個の直積のS商多様体であるための十分条件をスカラー曲率に関する不等式で与えた。(3)研究分担者竹内喜佐雄はモジュラー群SL_2(Z)の部分群Γで符号(o;e_1,e_2,e_3)を持つものをすべて分類し、各Γに対して、その標準生成系を具体的に行列の形で与えた。(4)研究分担者小池茂昭は制御集合が状態に依存する場合のBellman方程式の解の意性のための充分条件を示し、その条件が満たされない場合の反例を挙げた。また、退化した係数を持ったHamilton-Jacobi方程式の半連続粘性解の-意性と表現定理を示した。(5)研究分担者江頭信二はコンパクト多様体上のC^2級余次元1葉層の拡大度は典型的な増大度しか取らないこと、およびそれは葉のレベルと弾性葉の存在性によって分類されることを示した。
著者
福田 智子 矢野 環 田坂 憲二 岩坪 健 黒木 香 竹田 正幸 深川 大路 波多野 賢治 南里 一郎 宮崎 裕子 坂田 桂一 藤井 翔太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古今和歌六帖』と『源氏物語』を研究対象として校本システムを開発し、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。和歌用デジタル校本システムについては、伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記するタグ付け規則を案出した。また、散文用校本作成支援ツールは、『源氏物語』の伝本4本のデータ処理をほぼ完了し、計算機を用いた異文箇所の数値化、およびSplits Treeによる本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。