著者
坂口 泰人 千葉 直久 齊藤 正男 石川 真也 中川 達雄
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.464-468, 2018-05-15 (Released:2018-05-15)
参考文献数
12
被引用文献数
1

肺結節陰影を呈した肺スエヒロタケ(Schizophyllum commune)症の1切除例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.職場健診にて右肺の異常陰影を指摘され,前医に紹介となり,CT検査で右肺上葉に空洞を伴う結節影を認め,精査加療目的で当科に紹介となった.PET検査では同結節に軽度の集積を認め,診断および治療を兼ねて胸腔鏡下手術を行った.術中迅速診断では悪性所見を認めず,肺部分切除を施行した.術後の気漏が遷延したこと,および,その後の検査で肺アスペルギルス症が疑われため,再手術にて右肺上葉S1+S2区域切除を行った.術後の培養検査からアスペルギルスとは同定されず,遺伝子検査の結果,肺スエヒロタケ症の診断に至った.術後経過は良好で術後5年の現在,肺スエヒロタケ症の再燃はみられない.
著者
塩谷 昌行 石川 真也
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.653-656, 2021 (Released:2021-09-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In this study, we have developed a prototype of a status indicator (light) suitable for ``Foodly,'' which is a collaborative robot that works alongside people in the process of serving lunches in a food factory. In order for the robot to work with people, it must have a non-fearful, non-intimidating appearance and a display that can provide safety and operational information appropriately. We built several prototypes and compared their appearance. We determined if the information provided could be properly understood. We classified the safety information into four categories, which can be easily recognized by users from safety and operational perspectives.
著者
石川 真也 船越 孝太郎 篠田 浩一 中野 幹生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.1K3OS17a5, 2013 (Released:2018-07-30)

複数人のユーザと同時に対話できるマルチモーダル対話システムの構築を目指して,3人1組のグループが1体の小型ロボットと簡単なゲームを行う対話データを収集した.本発表では収集したデータの概要と,いくつかの側面からの分析結果を報告する.対話データの収集はWizard-of-Oz形式で行い,3人の参加者は監督者からの簡単な指示を受けて対話の場に出入りを繰り返し,ロボットとゲームを行った.
著者
松村 栄久 三宅 淳史 石田 直 松井 保憲 石川 真也 池上 直行 松倉 規 小阪 真二 玉田 二郎
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.349-355, 1993-06-20
被引用文献数
4 2 1

肺癌における癌性髄膜炎の合併は極めて予後不良とされてきた1今回我々はこれに対しOmmaya reservoirを用いて治療した2症例を経験し,非使用5症例と比較検討を行った10mmaya reservoirを用いMethotrexateの脳室内注入を行った2例(腺癌)では,重篤な意識障害をきたさず,他の合併症が予後を決定した.一方非使用5例(腺癌3例,小細胞癌2例)では全例が短期問に意識障害を来たし,癌性髄膜炎が死因に直結した.癌性髄膜炎の診断後予後はOmmaya reservoir使用2例で各々168日,56日で,非使用5例の9〜21日(平均16日)に比べて延長が認められた.Ommaya reservoirに起因する明らかな合併症は認めなかった.自験7例の癌性髄膜炎の診断時には全例髄膜以外にも転移が生じていた.従って,これらの病巣が落ち清いていれば,Ommaya reservoirを用いた局所的な髄膜播種の治療を積極的に考慮してよいと思われた.
著者
後藤 正司 張 性洙 石川 真也 黄 政龍 横見瀬 裕保
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.98-101, 2007
参考文献数
7

背景.高齢者やperformance status(PS)不良の肺癌は治療法の選択が難しい.今回,Cisplatin(CDDP)とDocetaxel(DTX)による気管支動脈内抗癌剤注入療法(bronchial arterial infusion, BAI)が著効した,高齢でPS不良の肺扁平上皮癌の症例を経験したので報告する.症例.80歳の男性が,咳嗽,全身倦怠感,食欲低下を訴え受診した.胸部CTでは右肺門に塊状陰影が認められ,気管支鏡検査では右主気管支に腫瘍が認められた.生検で扁平上皮癌と診断されたが,高齢でPSが不良(PS4),呼吸不全も伴っており,CDDP(60mg)とDTX(40mg)によるBAIを施行した.治療により腫瘍は完全に消失し,呼吸状態及びPSも改善し(PS1),BAI後放射線治療の施行が可能となった.結論.CDDP及びDTXによるBAIは,PS不良の肺癌に対して有用な治療の一つと思われた.
著者
後藤 正司 岡本 卓 中野 淳 中島 尊 桝屋 大輝 劉 大革 亀山 耕太郎 石川 真也 山本 恭通 黄 政龍 横見瀬 裕保
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.132-135, 2004-03-15
被引用文献数
4 3

左側は66歳,女性.64歳時に右乳癌にて右胸筋温存乳房切除術を受けた.病理病期はstage II で,術後DMpC療法(5'-DFUR : 800mg,MPA : 800mg,CPA : 100mg)を施行中であった.2003年1月16日,胸部CTで左S^8にspicula, notchを伴う小結節陰影の出現を認めた.結節陰影の増大を認め,またFDG-PETで,左S^8の結節陰影に一致して集積を認め,精査目的で,2003年3月24日当科へ入院した.CT下肺生検では確定診断に至らず,2003年4月23日,胸腔鏡補助下肺生検を施行し肺クリプトコッカス症と診断された.腫瘤陰影を呈する肺クリプトコッカス症のCT所見は肺癌と類似し,PETでも陽性を示すことがあるため画像上の鑑別は困難である.
著者
田中 成美 原 暢助 森田 辰男 石川 真也 森口 英男 小林 裕 戸塚 一彦 大場 修司 徳江 章彦 米瀬 泰行
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.75, no.12, pp.1927-1932, 1984-12-20

自治医科大学泌尿器科において,1974年4月15日の開院より9年間に尿路変向術が施行された症例は100例で,男子78例,女子22例,男女比は3.5対1であった.最年少者は4歳,最年長は84歳,平均年齢は60.2歳であった.原因疾患は膀胱腫瘍76例,子宮癌6例,尿道癌4例,前立腺癌3例その他の悪性腫瘍3例で良性疾患は8例であった.施行された尿路変向術は,膀胱瘻造設術8例,腎瘻造設術7例,カテーテル尿管皮膚瘻造設術56例,回腸導管造設術9例,尿管S状結腸吻合例であった.100例全例の5年相対生存率は51.2%で,膀胱移行上皮癌のため膀胱全摘術を施行した53例の5年相対生存率は58.7%であった.膀胱全摘術とともに尿路変向術を行った61例の術後死亡率は4.9%であった.これらの膀胱全摘術の症例の術後早期合併症及び晩期合併症について尿路変向術式別に比較,検討した.