著者
中野 淳太 田辺 新一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.79, no.701, pp.597-606, 2014-07-30 (Released:2014-09-30)
参考文献数
73
被引用文献数
4 5

Semi-outdoor environment is defined as a grade of environmental control in thermal environmental planning, falling in between indoor and outdoor environment. Thermal adaptation of occupants, together with building and equipment, needs to be taken into account for planning such environment. Behavioral and psychological adaptation was found to be influential on thermal comfort, and context of thermal environment was found to be important to understand the adaptive process from literature review. Environmental context was categorized into social, architectural, and personal elements. A concept model of adaptive thermal comfort in semi-outdoor environment was proposed. Problems concerning application of existing thermal comfort standards were discussed. Adaptive comfort zone, not comfort temperature, needs to be investigated through field surveys considering the Japanese context such as geographical location, climate, degree of environmental control and general-purpose of the architectural space. Adaptive comfort zone needs to be presented together with the definition of environmental context.
著者
中野 淳一 渡會 由恵 光山 孝
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0611, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】 腰部と関わりの深い股関節の機能が腰痛に及ぼす影響を検討した報告は多く存在する。しかし、腰痛を悪化させる姿勢と股関節機能の関係を検討した報告は少ない。臨床では座位の持続で症状が悪化する腰痛患者は股関節の屈曲可動域が制限され、立位の持続で症状が悪化する患者は股関節の伸展可動域が制限されている印象を受ける。そこで腰痛を悪化させる姿勢の違いと股関節可動域の関係を調査・検討した。【方法】 対象は当法人職員41名(男性14名、女性27名、平均年齢27.8±7.3歳)。 対象の腰痛の有無を調べ、腰痛の訴えがあった場合は、さらに座位または立位の持続による腰痛出現・増強傾向の有無を確認し、腰痛無群、座位型腰痛群、立位型腰痛群の3群に分類した。座位・立位ともに腰痛の訴えがあった場合は、より症状を強く訴える型に分類した。分類できない腰痛者や下肢症状のある者は対象から除外した。 内訳は腰痛無群16名、座位型腰痛群12名、立位型腰痛群13名であった。 次に対象の股関節屈曲・下肢伸展挙上(以下:SLR)・股関節伸展・腹臥位膝屈曲可動域を計測した。結果は左右の平均値を腰痛無群、座位型腰痛群、立位型腰痛群の間で比較した。検定はt検定を用い、有意水準5%未満とした。【結果】 股関節屈曲可動域の平均値では腰痛無群95.3±7.2度、座位型腰痛群90.6±6.6度、立位型腰痛群97.3±8.7度であり、腰痛無群と座位型腰痛群、立位型腰痛群と座位型腰痛群の比較において有意差が認められた(p<0.05)。腰痛無群と立位型腰痛群の間では有意差は認められなかった。 SLR可動域の平均値では腰痛無群60.3±11.3度、座位型腰痛群49.6±11.1度、立位型腰痛群59.2±8.7度で、腰痛無群と座位型腰痛群(p<0.01)、立位型腰痛群と座位型腰痛群(p<0.05)の比較において有意差が認められた。腰痛無群と立位型腰痛群の間では有意差は認められなかった。 股関節伸展可動域の平均値では腰痛無群13.4±5.2度、座位型腰痛群16.3±5.1度、立位型腰痛群14.4±6.2度で、各群間で有意差は認められなかった。 腹臥位膝屈曲可動域の平均値では腰痛無群127.7±26.2度、座位型腰痛群133.3±15.8度、立位型腰痛群136.0±11.0度で、各群間で有意差は認められなかった。【考察】 座位型腰痛群は腰痛無群・立位型腰痛群と比べ、股関節屈曲可動域・SLR可動域に制限がみられた。よって座位型腰痛者は股関節屈曲制限やハムストリングスの伸張性低下の為、座位時に骨盤が後傾する傾向が強くなり、腰痛の動態に悪影響を及ぼすことが示唆された。 また、股関節伸展可動域・腹臥位膝屈曲可動域には各群間で有意差は認められず、立位型腰痛群に特異な傾向は示されなかった。このことより、立位姿勢は座位姿勢と比べ個々の違いが大きく、股関節可動域が立位型腰痛の動態に及ぼす影響に特定の傾向はないことが今回の研究から推測された。
著者
中野 淳太
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

環境適応は、その環境の文脈の影響を受ける。そこで文脈の異なる3種の空間において、温熱環境調整手法および適応特性について実測調査を行った。屋外滞在空間における実測調査の結果、複数季節に渡る評価では外気温が主たる環境変動要因となり、それ以外の文脈因子が過小評価されることがわかった。環境適応の理解を深めていくためには、対象とする環境適応の時間特性を踏まえた、適切な評価期間の設定が重要である。
著者
中野 淳一 青木 勝 岩科 智彩 古木 大裕 大堀 杏 井上 亮太郎 前野 隆司
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-22-00041, (Released:2023-09-26)
参考文献数
15

In this study, we developed a chatbot that gives advice for improving well-being and obtained basic knowledge about its well-being improving effect. In the design of the chatbot, we derived advice candidates from behaviors that are highly correlated with well-being based on a questionnaire survey. In the quantitative survey, the chatbot gave advice 172 verification subjects 13 times from the derived advice candidates. As a result, we confirmed that the group that executed a lot of contents of the advice improved the well-being level compared to the group that executed few ones.
著者
中野 淳 稲福 繁 呉 孟達 中山 明峰 石神 寛通
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.Supplement104, pp.37-41, 2000-10-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
11

We report a patient with traumatic perilymphatic fistula caused by an earpick. Exploratory tympanotomy was performed via endoaural incision. The patient was found to have a dislocated stapes in the vestibule. The stapes was removed, and no perilymphatic leakage from the oval window was seen. Jugular pressure was also performed with no lymphatic leakage. We then injected physiological salt solution at 37°C into the oval window. Lastly, stapes surgery was perfomed and a piece of fascia was placed over the perforation in the tympanic membrane using fibrin glue. The patient's operation was performed 3 days after trauma and improvement of vertigo and hearing (sensory and air-bone gap) was obtained after surgery.
著者
金 勲 小林 健一 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓 林 基哉
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和2年度大会(オンライン)学術講演論文集 第8巻 性能検証・実態調査 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.293-296, 2020 (Released:2021-10-28)

特定建築物及び中小規模建築24件を対象に、2019年度の冷暖房期に行った温度・湿度・CO2の2週間の連続測定からCO2濃度に関する結果を報告する。平均値としては1000ppmを超える建物は2割程度であったが、1回でも1000ppmを超える割合はほぼ7割あった。また、昨年度とは異なり期間中ずっと1000ppmを下回らない、3000ppmを超える高濃度を示すなど、著しく悪い環境にある物件はなかった。
著者
田辺 新一 中野 淳太 森井 健志 宇留野 恵 後藤 悠 坂本 圭司
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成17年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.901-904, 2005-07-25 (Released:2017-08-31)

Field survey on thermal environment and questionnaire survey were conducted over three seasons at three train stations, and thermal comfort was quantitatively evaluated. Moreover, usage patterns and passengers' attitude towards the station environment were investigated in order to comprehensively identify the thermal environment required for train stations. Environmental control of the entire station by air-conditioning would not be energy efficient due to its open structure, and task-ambient air-conditioning strategy is proposed.
著者
林 基哉 小林 健一 金 勲 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和元年度大会(札幌)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2019 (Released:2020-10-31)

事務所の衛生環境の実態を把握するため特定建築物の行政報告例の分析、事務所の空気環境の調査を行う。本報告では空気環境不適率の上昇要因を明らかにするため、行政報告例不適率の実態を把握し、不適率上昇の要因に関する統計解析を行った。特定建築物数が増加する中、湿度、温度、二酸化炭素濃度の不適率が1999年以降上昇している。また、法定検査を利用した報告徴取が増加している。湿度、温度、CO2濃度の不適率上昇の要因として報告徴取数の増加が挙げられ、これらの不適率は、北の自治体ほど高い傾向がある。
著者
畠中 祐輝 中野 淳太
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.105-108, 2013

<p>樹陰内を実測調査し、放射環境の特性を明らかにする。測定結果をもとに簡易予測式を用い実測値と予測値の比較を行った。樹木による日射、天空放射遮蔽効果が認められた。樹陰内の日射を考慮した平均放射温度は樹陰内に時折入り込む日射に応じて変動していた。そのため、緑被率の高い夏季では高精度の予測ができたが、落葉と太陽高度の低下に伴う木漏れ日の増加により秋季、冬季では誤差が増加した。</p>
著者
田邉 新一 中野 淳太 岩下 剛 秋元 孝之 堤 仁美 西原 直枝 木村 建一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、室内環境要素が知的生産性に与える影響を明らかにすること、および知的生産性を評価するツールを開発することを目的とした。被験者実験および現場実測により、精神作業時の作業成績、心理量測定、生理量測定から、室内環境の質が知的生産性に与える影響を総合的に評価した。作業成績のみでなく、作業者の疲労やメンタルワークロードに着目をした点が特徴的である。1)作業成績コンピュータまたは紙面を用いた、複数の作業を被験者に課し、作業の正確さとスピードを用いて評価した。2)心理量測定室内の温熱、空気、光、音等の環境について主観的申告を行った。また、日本産業衛生協会の「自覚症状しらべ」を用いた評価を行い、室内環境が各症状群の出現にどのように影響するかを分析した。ポジティブな尺度である、活力度を測定する手法について検討した。疲労感や室内環境に対する満足度などが作業成績に与える影響について考察した。日本語版NASA-TLXを用い、作業負荷の特徴を測定した。3)生理量測定疲労やメンタルワークロードの指標として、近赤外線酸素モニタによる脳内酸素代謝状態の測定を行った。疲労測定として、フリッカー値や音声を用いた測定を行った。対象とする室内環境は、温度、気流、湿度、室内空気質、音、光環境とした。作業成績による評価はモチベーションなど心理的な影響を受けやすく、室内環境質が与える影響を評価することが難しかった。一方、室内環境質の違いは、作業者の疲労をはじめとした、心理量や生理量に与える影響が大きいことが明らかとなった。長時間作業を課す実験により、疲労や室内環境質への不満の程度が大きくなると、作業成績が低下することを明らかとした。また、近年の環境設備機器制御のオープン化にむけて、ネットワーク環境を用い、オフィス執務者の環境評価、疲労、活力、生産性に関するデータを収集するツールを開発し、コールセンター等のフィールド実測を行った。
著者
中野 淳志 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp._2P1-E19_1-_2P1-E19_4, 2009
被引用文献数
2

Recently, a requirement has emerged for vehicles which aim to search for victims who are trapped under the rubble when an earthquake occurs, or to carry out inspections for maintenance activities under house floors and roofs. To meet these requirements, we propose a multi-wheeled snake like robot with actively movable slime body, which is called "Souryu VII". The body of the robot comprises a series of alternate rigid segments and flexible rubber sponge joints, and bending movement of the body is generated by pulling three wires that go through the body. Eight wheels are attached on alternating sides of each rigid segment. The shape of each wheel is long in the axial direction with a cone-like step, and this feature makes it possible to generate propulsion on a large area of the bottom surface. Finally, the advantageous architecture we proposed was validated with experiments in which Souryu VII overcame various obstacles.
著者
田辺 新一 中野 淳太 小林 弘造
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.541, pp.9-16, 2001
被引用文献数
16 12

The 65-Node Thermoregulation-Model was developed, based on Stolwijk model. The model has 16 body parts. Each body part consists of core, muscle, fat and skin. In addition, the model has a central blood compartment. Convective and radiative heat transfer coefficients were derived from the thermal manikin experiments. Under steady state condition, mean skin temperature; skin wet tedness and SET^* agreed well with those by 2 node-model. This model can predict fairly well for. skin temperature distribution under thermal neutrality. Under transient condition, trends of mean skin temperature and evaporative heat loss were similar to the subject experiment by Stolwijk.
著者
後藤 正司 岡本 卓 中野 淳 中島 尊 桝屋 大輝 劉 大革 亀山 耕太郎 石川 真也 山本 恭通 黄 政龍 横見瀬 裕保
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.132-135, 2004-03-15
被引用文献数
4 3

左側は66歳,女性.64歳時に右乳癌にて右胸筋温存乳房切除術を受けた.病理病期はstage II で,術後DMpC療法(5'-DFUR : 800mg,MPA : 800mg,CPA : 100mg)を施行中であった.2003年1月16日,胸部CTで左S^8にspicula, notchを伴う小結節陰影の出現を認めた.結節陰影の増大を認め,またFDG-PETで,左S^8の結節陰影に一致して集積を認め,精査目的で,2003年3月24日当科へ入院した.CT下肺生検では確定診断に至らず,2003年4月23日,胸腔鏡補助下肺生検を施行し肺クリプトコッカス症と診断された.腫瘤陰影を呈する肺クリプトコッカス症のCT所見は肺癌と類似し,PETでも陽性を示すことがあるため画像上の鑑別は困難である.
著者
山口 武視 津野 幸人 中野 淳一 真野 玲子
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.703-708, 1995-12-05
被引用文献数
16

水稲茎基部からの出液は, 根の呼吸に関連する生理活性と関係していると考えられるが, 同一の齢でも出液速度が大きくばらつくことが指摘されている. そこで, 出液の測定条件を検討し, 出液に関与する要因を明らかにして, 出液速度で生理活性を把握できるかどうかを検討した. 同一個体内で出液を採取する茎以外の茎に葉が着生していると, それの蒸散のために出液量が減少した. したがって, 出液を採取する際には, 測定個体のすべての茎を切除する必要を認めた. 切断部の茎断面積と1茎当たり出液速度とは高い正の相関関係があり, 断面積の大きい茎, すなわち太い茎は茎断面積当たりの出液速度も高い値であった. 地温が7℃から29℃までの範囲では, 出液速度は地温に伴って指数関数的に増加し, その温度係数(Q_<10>)は2.2で, 根の呼吸速度の温度係数とほぼ同じ値であった. 上記の測定条件を考慮したうえで, 穂ばらみ期以降の根の呼吸速度と出液速度との関係を検討した結果, 両者の間には高い正の相関関係が認められた. これより, 根の生理活性が重要な問題となる登熟期では, 出液速度から根の生理活性を推定することができ, 出液速度の測定は, 根の診断のうえで有効で簡便な手法のひとつとしてあげることができる.
著者
李 忠烈 津野 幸人 中野 淳一 山口 武視
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.223-229, 1994-06-05
被引用文献数
4

土壌水分の減少に基因する萎れと枯死現象, 再給水による光合成速度の回復ならびに出液速度と根の呼吸速度との関係を明らかにしようとした. 韓国品種の黄金と短葉ならびに日本品種のエンレイを1991, 92年に同一のポットに播種し, 1本仕立てとして土壌水分がpF1.9になるよう灌水し, ガラス室内で生育させた. 出芽後56日から断水処埋を行い, 主茎葉の萎れと再給水による萎れの回復を観察した. 土壌水分の欠乏にともなって葉の萎れは下位葉より始まり上位葉に及び, 回復はこれとは逆の順序であった. 水分欠乏による主茎葉の枯死順位は萎れの傾向と同様であり, 土壌水分がpF3.5に達すると, 最下位葉より枯死が始まり, pF4.2で全ての主茎葉が枯死した. 断水処理後再給水し, その後3時間にわたって光合成速度の回復を経時的に測定したところ, 光合成の回復が良好な個体は, 根の呼吸速度が高く葉面積/根重比が小であった. 茎基部からの出液速度の経時的変化を調査した結果, 茎切断後2時間はほぼ一定値であった. 出液速度は細根呼吸速度と高い正の相関関係を認めた. また, 根のN%と細根呼吸速度との間には前報と同様に高い正の相関関係が得られた.