著者
濱岡 秀平 砂山 渡
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.707-716, 2012-06-15 (Released:2012-06-26)
参考文献数
17

近年,メールや電子掲示板,SNS などを用いたオンラインコミュニケーションが盛んに行われている.特に電子掲示板は,お互いがコミュニケーションを図る際の手段として用いられるだけではなく,コミュニケーションの結果として得られた結論部分を,再利用可能な知識として活用することもある.そのため,電子掲示板を用いた意見交換や,電子掲示板上の情報の閲覧を支援することが望まれ,その際には,気持ちよくコミュニケーションに参加したり,コメントを閲覧できることが望ましい.しかし特に匿名での書き込みが可能な掲示板においては,多くの人がお互いの感情を考えずに書き込みを行う場面も見受けられるため,お互いの揶揄や誹謗中傷により,雰囲気が悪い状態となっていることもある.そこで本研究では,電子掲示板内における,各トピックに関する一連のコメントの雰囲気を評価して利用者に提示することで,電子掲示板を閲覧する際の指針を提供することを目指す.
著者
里中 晴日 砂山 渡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

近年,インターネットの普及により,電子掲示板を利用した情報交換や議論などが盛んである.しかし,その情報量は膨大でありユーザの興味,即ち観点に沿った情報を的確に取得するのが困難である.そこで,本研究では大量に書き込みが行われた掲示板の中から,ユーザの自由な観点に沿ったコミュニケーションの抽出を行うシステムの構築を目指す.
著者
砂山 渡 錦戸 拓也 西原 陽子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.304-315, 2009-06-15 (Released:2009-10-08)
参考文献数
11

本稿では,地図型アニメーションインタフェースにおいて,観点の変化に伴って価値が変わるキーワードの検出と解釈を支援する手法を提案する.Web における検索ヒット数を用いて,キーワード間の関係を抽出する研究が盛んに行われている.キーワード間の関係は観点の数だけ存在し,観点による関係の違いの理解も必要となる.特に他のキーワードとの関係が大きく変化するキーワードを見つけることが重要となる.そこで,提案手法は観点の変化による関係の変化をアニメーションで表現する際に,価値(他のキーワードとの関係の強さ)が大きく変化するキーワードに印付けして着目を促す.提案する印付け手法は,印の有無と位置による効果を確認する実験から,関係の違いを理解することの支援に有効と確認した.
著者
砂山 渡 川口 俊明 田村 幸寛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.10, pp.2032-2041, 2010-10-01

近年のインターネットの普及につれ,大学などの教育機関において電子レポートを提出する機会が増えてきている.手書きのレポートであれば,人間が目で見て採点する必要があるが,電子的なデータとして存在するレポートであれば,そのレポート内の単語情報を計算機が自動的に取り出すことができるため,採点支援環境の構築により,人間の負荷を軽減することが期待できる.実験や演習のレポート課題においては,その課題に即したレポート提出者の意見が含まれている必要がある.しかし,レポートの独自性だけではなく,課題に関連して記述されている情報量を評価対象とする必要がある.そこで本研究では,レポートの情報量を,「レポートの課題に対する結果,及び結果に対する自分の意見の記述量」として定義し,これをもとにした客観的な各レポートの情報量を提示することで,レポート評価者がレポートの比較を行うことができるシステムを提案する.評価実験の結果,レポートの長さのみによらず,レポートの内容による評価を支援することができた.
著者
砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.146-154, 2001-02-01
被引用文献数
12

近年, インターネットの普及に伴って文書の電子化が進んでいる.しかし, 我々がそれら文書のすべてに目を通すことは, 肉体的にも時間的にも困難である.それゆえ各文書の内容を端的に表する要約が, 必要な文書の取捨のために有効となる.そこで本論文では独自の方法によって重要文抽出を行う展望台システムを提案する.このシステムは, 文章の全体を見通した上で文章を特徴づけるキーワードを発見する.特徴キーワードは文章の主題と密接にかかわりのある単語として抽出されるため, 有効な重要文抽出に役立てられる.
著者
藤本 武司 砂山 渡 山口 智浩 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.88, pp.119-126, 2003-09-08
被引用文献数
2

人間個人が持つ暗黙的な感性を他者と共有するためには,何らかの明示的な情報に変換する必要がある.本研究では人間の感性情報として,最も扱われる情報量が多く,個性が反映されやすい視覚に注目する.通常,人間が知覚困難である自己および他者の視線行動を可視化・共有できる仮想空間を構築することにより,感性創発(着眼点を見出す能力や知識の獲得)を実現し,作業支援を行うことを目標としている.本稿では,計測された視線情報から形式的な処理により注視点を自動抽出する方法と,抽出された注視点の可視化・共有によるユーザ間インタラクションの支援について述べる.In order to share unclear personal Kansei information with others, we need to transform it into cleared one. Our research group focuses on gaze information that will be naturally reflected human actions and intentions. Generally, it is very difficult for us to feel other people's gaze lines. Therefore, we constructed VR space, where some users can work in together and their gaze lines are visualized coincidentally. By using visualized and shared gaze lines, we expected to promote human-human interaction more closely. In this paper, we propose a method to extract people's gaze points from gaze line history, and verify that this method is useful for their interaction.
著者
相良 直樹 砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.2, pp.427-440, 2007-02-01

近年,インターネット上の電子情報が増加の一途をたどっている.我々が獲得できる情報の量は増えているものの,必要な情報すべてに目を通すことは難しい.そのため自動要約を行う手法が開発されつつある.自動要約の手法は大きく,指示的要約と報知的要約とに分けられる.指示的要約は,あるテキストを読むかどうかを判断するために用いられ,報知的要約は,原文の代替物として用いられる.本論文では,ストーリーを理解するために必要な項目を含む文を抽出する報知的な要約生成システムを提案する.本手法においては,テキストの主題を表し,テキストを通じて出現するメイントピックと,テキストの主題に関連してテキスト中で部分的に出現するサブトピックを抽出する.すなわち,サブトピックを抽出することにより,テキストのストーリーを理解する上で必要な項目を網羅した要約を提供するシステムを本論文で提案する.