著者
磯前 順一
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.155-166, 2013-03-31

研究ノート/Research Note
著者
磯前 順一 小倉 慈司 苅田 真司 吉田 一彦 鍾 以江 Pradhan Gouranga 久保田 浩 山本 昭宏 寺戸 淳子 岩谷 彩子 小田 龍哉 藤本 憲正 上村 静
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

西洋近代に由来する人権思想の世界的な普及にもかかわらず、当の西洋においても、あるいは日本などの他のさまざまな地域においても、差別(人種差別だけでなく、いじめや戦争、 テロまでを含む)が依然としてなくならないのは、なぜだろうか。本研究では、これまで「聖なるもの」と「俗なるもの」の二分法で説明されてきた「宗教」と「社会」とのありかたの理解を、日本宗教史と世界諸地域の比較宗教史との学問の蓄積からあらたに問いなおし、現代社会における公共性の問題と結びつけて検討する。そのことで、公共空間における差別と聖化の仕組みがあきらかになり、より具体的な公共性のあり方についての議論が可能になることが期待される。
著者
磯前 順一
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.193-216, 2015-09-30 (Released:2017-07-14)

近代ナショナリズムに対する批判が、人間の歴史的真正さへの志向性を相対化することに成功し、宗教概念論という新たな研究潮流を生み出した。その背景には一九六〇年代後半に始まるフランス現代思想の、ポストコロニアリズムあるいは植民地主義を介した一九九〇年代の動きがあった。こうした流れの中で、近代を中心とする日本宗教史の言説が流布しているが、一方で近世以前の時期に対する研究は影を潜め、近代が作り出した過去の言説として、近世以前の時期は扱われるにとどまった。同時にそうした固定化された日本宗教史研究は、ポストコロニアル研究などのもつ社会に不平等性に対する批判力を抹消させ、形骸化された制度史研究に宗教概念論の批評性を無効化させてきた。本稿ではこうした近年の傾向に一石を投じるために、非近代西洋的な余白として近世の信仰世界や民俗宗教を研究する可能性を理論的に模索する。
著者
磯前 順一
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.193-216, 2015-09-30

近代ナショナリズムに対する批判が、人間の歴史的真正さへの志向性を相対化することに成功し、宗教概念論という新たな研究潮流を生み出した。その背景には一九六〇年代後半に始まるフランス現代思想の、ポストコロニアリズムあるいは植民地主義を介した一九九〇年代の動きがあった。こうした流れの中で、近代を中心とする日本宗教史の言説が流布しているが、一方で近世以前の時期に対する研究は影を潜め、近代が作り出した過去の言説として、近世以前の時期は扱われるにとどまった。同時にそうした固定化された日本宗教史研究は、ポストコロニアル研究などのもつ社会に不平等性に対する批判力を抹消させ、形骸化された制度史研究に宗教概念論の批評性を無効化させてきた。本稿ではこうした近年の傾向に一石を投じるために、非近代西洋的な余白として近世の信仰世界や民俗宗教を研究する可能性を理論的に模索する。
著者
磯前 順一
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.155-160, 1994-03-30

現在、東京大学文学部宗教学研究室には、戦後宗勢調査資料等、日本宗教史及び日本宗教学史上、重要な基礎資料が幾つか保管されている。それに並ぶ宗教学研究室の貴重な保管史料として、ここに紹介する旧東京帝国大学神道研究室所蔵の書籍類がある。旧神道研究室蔵書のうち和漢書を対象とする本整理は、磯前の企画によって1991年春より始まり、その後諸メンバーが順次加わり、現在、四年目にいたるレ現在の整理メンバーは、島薗進、宮田正彦、林淳、池沢優、宮崎賢太郎、小倉慈司、和田光俊、黒崎浩行、遠藤潤、そして磯前の10名からなる。現在、当該史料は史料整理の原則に基づき、作業が終わるまで一般向けの閲覧はお断りしている。しかし、整理が進むにつれて、外部からの閲覧の問い合わせが多くなったため、簡単にではあるがここに中間報告をおこない、整理終了までの間に合わせとしたい。なお、この報告も上述の整理メンバーに依拠するところが多いが、あくまでも記述の責任ばすべて磯前にあることを明記しておく。
著者
磯前 順一
出版者
みすず書房
雑誌
みすず
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.8-20, 2006-09
著者
磯前 順一
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.37-53, 1991-03-20

The Yamato-takeru legend was first described in the Kojiki, Nippon-shoki, and Fudoki, from the Asuka era through the Nara era. In this period the legend has three distinct logics, though they share the cmmon logic in which Yamato-takeru conquers all of Japan and moves the Kusanagi-sword from Ise shrine to Atsuta shrine. Later, in the Heian era, the legend was modified in excerpting from the Nippon-shoki. Here we find two types, one being the conquest of Japan type in the Sendai-kuji-hongi, and the other the Kusanagi-sword type in the Kogo-shui. In the medieval period the logic came to be centered upon the Kusanagi-sword type. Furthermore, the legend was transformed into new logics, one being the despotical person in the Jinno-shotoki, and another the affectionate person of the Atsuta shrine-engi. Here the Yamato-takeru legend is composed not only of excerpts from the Nippon-shoki, but also by use of the Kojiki, Fudoki and Kogo-shui. In this was the original logic of the medieval period can be seen, which differs from that the of anciend era reflected in the Nippon-shoki, Kojiki and Fudoki. This corresponds to the toppling of the Ritsuryo state of the ancient era.