著者
松波 卓 兎川 嘉隆 太田 裕明 岡部 俊一 児玉 信之 田嶋 紀一郎 大石 尭史 大石 暢彦 植木 美輪子 稲葉 繁 IPSGスタディーグループ
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.323-327, 2001-02-20 (Released:2010-09-09)
参考文献数
5

シリコーン印象材は寸法精度の安定性から臨床に用いる機会の多い材料である.この印象材のパテタイプとインジェクションタイプを使い, 積層印象 (コレクタ・アップドルック) を行った.本印象法では, スペーサーを使わずに一次印象を行い, 撤去後の印象面に対しグルーブカッターを用いて溝を付与した後, 二次印象を行う.その結果, 鮮明な印象が採得でき, 適合のよい補綴物を作製することができた.
著者
稲葉 繁樹 広間 達夫 伊藤 菊一 原 道宏 鳥巣 諒
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.81-89, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
7

ザゼンソウの発熱器官である肉穂花序の温度制御機構について,周囲と肉穂花序の温度測定結果を元に,PID(Proportional Integral Differential)動作によるフィードバック制御の適用について検討した.まず容器をかぶせ,周囲を雪で覆ってザゼンソウの周囲を冷却した.翌日,それらを取り除いて急激な温度変化を発生させ,その後通常の外気温下に数日間置いた.その全ての過程で,肉穂花序温度と周囲温度を計測した.その結果,発熱最盛期の雄期の肉穂花序温度の目標温度は一定ではなく,直線的に変化する可変目標値で表せることが判明した.発熱の状態は活性化係数で表すことができ,同じ発熱植物であるハスより高いことが確認された.また,制御系において,肉穂花序温度をフィードバック要素として可変目標値との偏差を制御器に導く制御機構について検討したところ,外気温や発熱部から肉穂花序中心に至る伝達関数は一次遅れ系で,制御器は積分動作で表すことができた.肉穂花序温度における本制御系は,急激な温度変化に対してやや遅れて追従しつつ目標温度に戻るのに対し,穏やかな変化に対してはともに少しずつ変化する応答を示し,肉穂花序温度が自身の可変目標値に従って変化していると考えられた.
著者
榎本 麗子 菊谷 武 鈴木 章 稲葉 繁
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.95-101, 2007 (Released:2007-03-03)
参考文献数
28
被引用文献数
4 6

目的 食べる機能の障害は栄養状態や身体機能に影響を及ぼすことから,生命予後にまで影響を与えるとされている.中でも,認知機能の低下した高齢者は,先行期を中心とした食べる機能の障害が多く認められると考えられる.今後,認知機能の低下した高齢者の増加が予想される中で,摂食・嚥下機能の先行期障害と生命予後との関係を明らかにすることは重要であると考え,本研究を行った.方法 対象は,某介護老人福祉施設に入居する98名(平均年齢86.3±5.9歳)である.これらのうち,施設内および入院先で入院時より1週以内に死亡した者を「死亡」とし,死亡日時と死因の調査を行った.また予後因子として以下の11因子を調査した.1)基礎疾患,2)日常生活動作(以下ADLと略す),3)先行期障害,4)嚥下機能,5)食事介助,6)6カ月間の体重減少率,7)Body Mass Index(以下BMIと略す),8)Mini Nutritional Assessment(以下MNAと略す),9)咬合状態,10)年齢,11)性別.これら11因子を,Kaplan-Meier生存曲線の理論にもとづき,各因子の陽性者と陰性者における生存日数の有意差をLog-rank法にて検討した.次に非線形多変量解析法であるCOXの比例ハザードモデルを用いて回帰分析を行い,寄与率の高い因子を抽出した.結果 ADL(p<0.05),先行期障害(p<0.01),嚥下機能(p<0.01),食事介助(p<0.05),BMI(p<0.01),MNA(p<0.05)の6因子においてリスクの有無により生存日数に有意差が認められた.またハザードモデルによる解析では先行期障害,嚥下機能,BMIの3因子がハザード比も高く,生命予後の短縮に関与していることが示された(先行期障害:ハザード比2.85, 95%信頼区間1.04∼7.83,嚥下機能:ハザード比2.90, 95%信頼区間1.06∼7.91, BMI:ハザード比2.54, 95%信頼区間1.00∼6.44).結論 本研究の結果から,先行期障害,嚥下機能,BMIはいずれも比例ハザード比も高く,生命予後の短縮に強く関与していることが示唆された.