著者
筒井 清忠
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-33, 1975-07-31 (Released:2017-06-14)
著者
筒井 清忠 中里 英樹 水垣 源太郎 野崎 賢也 沼尻 正之
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.18-32, 1996-06-30 (Released:2009-10-13)

近代主義からポスト近代主義へという巨視的な視点から, 戦後日本における歴史社会学的研究の展開を後づける。とくに, 家族・宗教・農村・文化の各ジャンルにおいて歴史社会学が自己の研究の有効性をどのように示してきたのかが主な考察の対象となる。柳田民俗学, 農村の近代化, パーソンズ・ベラーの構造機能主義宗教社会学, アナール派の社会史のインパクト, モラル・エコノミーの視点, 等々多彩なトピックを見せながら歴史社会学が各ジャンルの中で隆盛を見せてきた様子が明らかにされる。現代はまだ発展・拡散の時期であり, 収束的な方向は21世紀に期されているのではという視点が示される。
著者
筒井 清忠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究では、明治期から昭和戦前期にかけての日本の近代化過程における異文化との接触の様態を、特にエリート文化と大衆文化という2つのレヴェルの差異と相互作用に着目しつつ、社会学的見地から分析することによって、次の3点の解明を試みた。(1)外来文化に対する日本人の態度が、エリート・大衆双方においてそれぞれいかに変遷していったか。(2)外来文化と日本の土着文化とが、いかにしてエリート・大衆という階層間の区別・差異化の契機として(あるいは両者の融合の媒体として)機能したか。(2)大正期以降の大衆社会の出現の過程で生じた文化的平準化の中で、外来文化がエリート文化・大衆文化の相互浸透の媒体としていかに作用したか。こうした研究の過程から、特に次の2点が明らかになった。(a)明治期以降の近代日本のエリート文化が欧米からの外来文化を核として形成され、親米英的な性格が強かったのに対し、大衆文化は日本の土着文化と連続する面が大きく、ナショナリズムに傾きがちであった。(b)大正期以降の文化的平準化の中で、外来文化を核とするエノートは孤立していき、ナショナリズムを強めた大衆から攻撃されるようになっていった。以上の知見をもとにして、大正デモクラシーから昭和軍国主義にいたる近代日本文化の変質過程について自説をまとめ、本年度末に出版される共著において発表した。最終的に、外来文化の選択的受容の結果が近代日本におけるエリート文化と大衆文化の分化に影響を及ぼしただけでなく、大正デモクラシーから昭和軍国主義にいたる日本の歴史的進路にも大きなインパクトを与えたことが明らかになった。

1 0 0 0 人物篇

著者
筒井清忠編
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
2018